返済余力を示す負債比率とは?

負債比率の計算方法と適正水準

負債比率の計算方法と適正水準

 

負債比率とは、会社の返済余力を表す経営指標のことである。

 

負債比率の計算対象は、「自己資本(純資産=自分のお金)」と「他人資本(負債=他人のお金)」、ふたつの資本である。

 

自己資本とは、自身で調達した資金(資本)のことである。自身で調達した資金(資本)なので、返済義務がない。

 

一方、他人から調達した資金(資本)のことを他人資本という。他人から調達した資金(資本)なので、返済義務がある。

 

他人資本は、返済義務が生じる負の債務なので「負債」という。

 

さらに、負債には1年以内に支払期限が到来する「流動負債」と、1年以後に支払期限が到来する「固定負債」がある。

 

負債比率は、返済義務のない自己資本と、返済義務のある負債である他人資本のバランスを示す経営指標である。

 

下図は負債比率の計算構図が分かる、貸借対照表の構成である。

 

 

青枠が負債(他人資本)で、赤枠が自己資本である。

 

負債比率の計算式は下記の通りです。

負債比率=(負債÷自己資本)×100

 

先に述べた通り、負債比率は、返済余力を表す経営指標である。

 

例えば、負債比率が小さければ返済余力が高く、負債比率が大きければ返済余力が低いということが分かる。

 

 

負債比率の適正水準

 

中小企業の負債比率の適正水準は下記の通りである。

 

100%以下

負債比率が100%以下であれば優良水準である。自己資本で全ての負債を返済できるので、返済余力に問題はない。

 

 

101%~300%

負債比率が101%~300%の範囲内であれば標準水準である。無理のない返済計画であれば返済余力に問題はない。

 

 

301%~600%

負債比率が301%~600%の範囲内であれば要改善である。直ちに返済に支障はでないが、なるべく300%以下に収まるように改善した方が良いだろう。

 

 

601~900%以下

負債比率が601%~900%の範囲内であれば早急な改善が必要である。

 

返済に支障が出る前に600%以下に収まるように改善した方が良いだろう。

 

 

901%以上

負債比率が901%以上の場合は、資本欠損の可能性がある。

 

返済義務のある他人資本(負債)に充当する自己資本(資金)が枯渇気味の状態なので、待ったなしで経営改善を行う必要がある。

 

 

負債>自己資本がマイナス

自己資本がマイナスに陥り計算不能になった場合は債務超過である。

 

返済義務のある他人資本(負債)に充当する自己資本(資金)がゼロ以下の状態なので、待ったなしで経営改善を行う必要がある。この状態を放置しておくと何れ会社は倒産する。

 

負債比率は、設備投資が多い業種業態と少ない業種業態で適正水準に差が生じる。

 

従って、上記適正水準に合致しない場合は、負債比率の推移を定点観測(※1)することをお薦めする。

 

※1 定点観測とは、同じ方法(定点)で継続的にある一定の項目を観察し、以前のものと比較してその差異を分析することである

 

 

負債比率を経営に活かすポイント

 

負債比率は、返済能力を示す経営指標だが、標準水準以下であっても一概に返済能力が低いといえないケースもある。

 

例えば、銀行借入を中心に資金調達を行い、業績拡大を推進している会社は負債比率が悪化する。

 

新規店舗、或いは新規事業を立ち上げる場合は、どうしても事業開始から2年程度は利益水準が低下する。そして、結果として、負債比率が一時的に悪化することがある。

 

このように戦略的に事業拡大を推進した結果、負債比率が悪化することは良くあることだ。

 

但し、忘れてはいけないことは「負債は返済すべき資金である」ということである。

 

例えば、杜撰な利益計画をもとに新規事業をスタートした結果、事業が失敗してしまい、多額の負債を抱えたまま会社が一気に傾いてしまうことがある。

 

多角化で失敗する中小企業の多くは、このパターンで倒産の危機に瀕している。

 

会社経営に失敗しないためには、負債比率に加えて、利益水準、借入限度額、投資基準など等、安定経営に欠かせない経営指標を常時モニタリングすることが大切だ。

 

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