人材を育て、人財を集めることは、全ての企業にとって重要なミッションになる。
人に係るコストは殆どの企業で最大コストになり、そのコストの費用対効果が上がれば、自然と売上拡大のスピードが加速するからだ。
例えば、人に係る経費は1円たりとも無駄にしない、人材を育てることと人財を集めることに社命を懸ける、社業に役立つスキルに加えて、社会人としての成長や人間力の育成にも力を注ぎ、全社一丸で組織のパフォーマンスを高める、
などのミッションを全社レベルで共有し、尚且つ、その企業風土を社外に発信するほど、企業の人材育成力と人財採用力が強化されて、人を起点に売上を作る力が向上し、会社の繁栄に拍車がかかる。
つまり、全力で人材を育て、人財を集める企業ミッションを共有し、組織に浸透させ、企業風土として定着させるほど、事業活動のパフォーマンスと企業の競争優位性が高まり、好業績をキープし易くなるのだ。
物価上昇と共に人件費の高騰に頭を悩ます経営者も多いと思うが、人材を育て、人財を集めるミッションを愚直に貫徹し続ければ、人件費が増加するほど、売上・利益・現金が増えるので、そうした悩みは自ずと解消される。
人材を育て、人財を集める基本理論について、解説する。
社員を育成し、社員の採用を加速するには、社員に対して経済的利益と精神的利益を徹底的に与えることが大切だ。
社員の経済的利益は、報酬の拡大、種々のスキルや人間力の成長など、
社員の精神的利益は、喜び、感動、愛情、信頼、安心、評価、励まし、拠り所、やり甲斐などが挙げられるが、
社員に対して経済的利益と精神的利益を与えるほど、社員一人ひとりのパフォーマンスが高まり、組織力が一段と磨かれて、事業の永続性が高まる。
世界人口のピークアウトが迫っていることを考えると、ビジネスにとっての希少資源は、資本(カネ)や設備(モノ)等からヒト(人財)にシフトする。
今後、社員にそっぽを向かれる会社は生き残れない。明るい未来は社員が握っている。だからこそ、未来が見えなくなった時ほど、社員の利益を優先してほしい。
もう一つ重要なことは、組織のトップに立つ社長自身が、謙虚に真摯に新しいことを学んだり、新しいことにチャレンジしたりする姿勢を社員に示すことだ。
川の流れが高い方から低い方に流れるように、組織もトップから川下に向かって良い見本を示せば、その見本に倣って良き社員が育つ環境が整う。
社員を育てることと同じように、自分自身(社長自身)を育てる意識を忘れず、自己研鑽に努める姿勢が、組織の成長、ひいては、会社の繁栄を盤石にするのだ。
(この記事は2025年5月に執筆掲載しました)
ビジネスコンサルティング・ジャパン(株)代表取締役社長 伊藤敏克。業界最大手の一部上場企業に約10年間在籍後、中小企業の経営に参画。会社経営の傍ら、法律会計学校にて民法・会計・税法の専門知識を学び、2008年4月に会社を設立。一貫して中小・中堅企業の経営サポートに特化し、どんな経営環境であっても、より元気に、より逞しく、自立的に成長できる経営基盤の構築に全身全霊で取り組んでいる。経営者等への指導人数は延べ1万人以上。主な著書「小さな会社の安定経営の教科書」、「小さな会社のV字回復の教科書」
全力で経営者様を支え、会社の繁栄を加速します!!!