
会社は経営者の能力以上に大きくならないと良く言われる。
実際に企業経営に関わっている身からしても、社長の時間の使い方が会社の利益や繁栄を決める側面は大きいと感じる。
この記事では、社長の時間の使い方と利益の相関関係、経営者の最強タイムマネジメント術について、詳しく解説する。

社長の仕事の時間配分と利益の多寡には、間違いなく相関関係がある。
社長が重要な仕事に割く時間が長いほど利益は拡大し、逆パターンになると利益は縮小する。
社長の時間の使い方が企業の繁栄を決定づけるわけだが、経営者にとって最も重要な仕事は「ビジネスの仕組み創り」だ。
現場作業に没頭するのではなく、より良いビジネスの仕組みを考え、組織の言動や事業活動の精度を高める作業に没頭することが、利益を拡大する社長の仕事であり、社長業の肝になる。
一見すると遊んでいるように見える経営者であっても、会社経営がうまく運んでいる会社の社長は、総じてビジネスの仕組み創りが得意だ。
発想が豊かで、卓越した行動力を発揮し、儲かる仕組みをどんどんアップデートしている。
知的好奇心も旺盛で、専門家やブレーンを積極的に活用し、社長=企業の知的水準をスピーディーに高め、事業活動をブラッシュアップし、新しい商品やサービス、新しい常識や体験を次々と社会に送り出している。
時間配分を見事に采配し、利益を最大化している経営者は、社長にしかできない仕事を選別する嗅覚に優れている。当然、重要な仕事に割く時間配分が増えるので、自ずと会社の利益が拡大する。結果、社長の時間配分と利益の相関が良い方向に回るスパイラルが定着し、繁栄の基盤が益々盤石になる。

会社の利益を最大化するには、
社長にしかできない重要な仕事に、より多くの時間を配分することが欠かせない。
経営者がやるべき仕事はビジネスの源流を辿ると見えてくるが、最も重要な仕事は、事業は人なりと言われるように「人的資源の最大化」だ。
社長自身が経営の勉強を続けることは必須で、その上で、ビジネスを取り巻く人脈作り、人財採用と育成の仕組み作り、社員・お客様・取引先・地域社会等のステークホルダーとの信頼関係強化等、人的資源の最大化に繋がる仕事が最も重要になる。
続いて「顧客創造・付加価値研鑽・数字の拡大」のビジネスの繁栄を後押しする三本柱の実践だ。具体的な実践法については、拙著「小さな会社の安定経営の教科書」に記しているので、そちらをご覧いただければ幸いだ。
最後は「成長投資と上位コストの費用対効果を高める」仕事だ。成長投資(研究開発・人財育成等)は経営の状態に関わらず、一定量を投下し続ける意識が必要だ。上位コストはトップ3くらいまで抽出し、そのコストの費用対効果を爆上げする仕組みを考えると、コストを使うほど、売上が増えるスパイラルが回る。
以上、人的資源の最大化、顧客創造・付加価値研鑽・数字の拡大の実践、成長投資と上位コストの費用対効果を高める仕事の時間を増やすことができれば、会社の売上と利益は自ずと拡大する。

経営者がやってはいけない最たる仕事は、
人的資源の最大化、顧客創造・付加価値研鑽・数字の拡大の実践、成長投資と上位コストの費用対効果を高める仕事、この3つの業務の精度を低下させる言動だ。
人的資源を棄損する言動は、社長自身が経営の勉強をしない、ご縁やご恩を無駄にして人脈を台無しにする、社員・お客様・取引先・地域社会等のステークホルダーからの信頼を失う言動が目立つ、などが挙げられるが、こうした仕事(言動)の時間は1秒でも少ない方が良い。
ビジネスはヒトで始まり、ヒトで終わるので、人的資源を棄損する仕事(言動)は、最もやってはいけない仕事と言っても過言ではない。
また、顧客創造・付加価値研鑽・数字の拡大を実践しない、成長投資と上位コストの費用対効果を高める仕事をやらないのも問題だ。これらの実践に役立つ最新の知見・ノウハウ・テクノロジーの導入を阻害すること、社員の有益なアイデアやチャレンジを無下にすることもやってはいけない。
経営者がやってはいけない仕事に割く時間が増えると、企業は加速度的に衰退するので、くれぐれも注意してほしい。
ビジネスコンサルティング・ジャパン(株)代表取締役社長 伊藤敏克。業界最大手の一部上場企業に約10年間在籍後、中小企業の経営に参画。会社経営の傍ら、法律会計学校にて民法・会計・税法の専門知識を学び、2008年4月に会社を設立。一貫して中小・中堅企業の経営サポートに特化し、どんな経営環境であっても、より元気に、より逞しく、自立的に成長できる経営基盤の構築に全身全霊で取り組んでいる。経営者等への指導人数は延べ1万人以上。主な著書「小さな会社の安定経営の教科書」、「小さな会社のV字回復の教科書」