難しいコミュニケーションを円滑に運ぶ重要ポイント

 

コミュニケーションはじつに難しい。

 

会社組織の大概の問題は社長と社員コミュニケーションレスに起因するし、コミュニケーションの難しさを実感している社長もじつに多い。

 

この記事では、組織作りの肝となるコミュニケーションが難しい理由、並びに、難しいコミュニケーションを円滑に運ぶ重要なポイントと方法論について、詳しく解説する。

 

 

コミュニケーションは難しい

 

コミュニケーションとは、言葉、表情、態度、行動等を通じて、相手と意思疎通を図る活動のことだが、コミュニケーションを円滑に運ぶのはじつに難しい。

 

なかでも、コミュニケーションの良し悪しを決定づける「言葉遣い」の難しさは、群を抜いている。

 

自他に与える言葉の質で、表情、態度、行動等のコミュニケーションの良し悪しが決まるからだ。

 

何気ない言葉遣い(コミュニケーション)が、社員や顧客の反発を招いてしまったことなどは誰しも経験があるだろう。

 

私自身も、講演やミーティング等で沢山の言葉を発しているが、元来国語が苦手でライティングのプロでもないので、言葉がうまく伝わらなかったり、意図した解釈が得られなかったりと…、いつも苦悩の連続である。

 

言葉(コミュニケーション)の難しさを表現した藤井貞和氏(東京大学名誉教授・文学博士)の「あけがたには」という詩がある。

 

詩を要約すると「自分の言葉で想いを発することはとても大切なこと。しかし、言葉の受け取り方は人ぞれぞれ…。だからこそ、言葉を使うことに苦悩する」といった内容だが、相手の立場にたった言葉遣いを完璧に遂行するのは本当に難しい。

 

 

コミュニケーションが難しくなる原因

 

コミュニケーションが難しくなる原因について解説する。

 

コミュニケーションの良し悪しは受け手が決定するという現実を考えれば、コミュニケーションが難しくなる原因が見えてくる。

 

それは、自分本位なコミュニケーションである。利害、立場、プライドなどの自分本位な思考が強く出るとコミュニケーションは破たんし易くなる。

 

例えば、ほとんどの大人は子供に対して、子供の目線に合わせて言葉を発し、良好なコミュニケーションを実現する。

 

しかし、大人同士になると、利害やプライドなど、自分本位な思考が邪魔して、相手の目線に合わせることができなくなる。

 

また、自分は社長、自分は上司、自分は年上、自分は男などの序列や肩書を盾に、自分本位な目線を固定してしまい、コミュニケーションに失敗するパターンも多い。

 

このように、コミュニケーションは、相手目線ではなく、自分本位に偏り過ぎると極めて難しくなる。

 

 

難しいコミュニケーションを円滑に運ぶ方法

 

コミュニケーションは本当に難しい。コミュニケーション次第で、相手を不快にすることもある。

 

しかし、自分本位なコミュニケーションさえ止めれば、大概のコミュニケーションは円滑に運ぶ。

 

特にコミュニケーションの質を支配する言葉の使い方は重要だ。相手に寄り添った言葉を意識的に使えば、自然と意思疎通がうまく運ぶ。

 

また、自分の言葉で想いを発すれば他者の心が動き、相手に元気や希望を与えることもできる。

 

言葉遣いは確かに難しい。私自身、未だに言葉遣いの苦悩は無くならないし、言葉足らずで家族とのコミュニケーションがうまく運ばないこともある。

 

しかし、言葉はコミュニケーションの質を決定づける要素であり、自他の心に希望の明かりを灯す大きなメリットもある。

 

私の場合は、言葉の意図は受け取った相手が決定するという現実、並びに、自分の言葉に対する賛否を素直に受け止め、まだまだ至らない「自分の言葉」を謙虚に研鑽している。

 

できるだけ相手の立場に立って、できるだけ相手の心情を慮って、相手に分かって欲しいという甘えを一切捨てて、自分の言葉を磨いている。

 

まさに、言葉磨きは、自分磨き、そんな気がする。また、難しいコミュニケーションを円滑に運ぶ方法も言葉磨きにあると信じている。

 

大概の組織の問題は社長(上司)と社員のコミュニケーションレスから生じる。組織の問題を感じ取った時は、まずは自分自身の言葉遣いを改めることを切にお薦めする。