批判とは、物事の良し悪しを評価判定することである。
社長であれば、誰しも一度は批判されたことがあると思うが、社長は批判しないこと、批判と思わないことが大切だ。
この記事では、社長にお薦めの批判のおさめ方や批判の扱い方、並びに、社長がなぜ批判されるのかについて、詳しく解説する。
社長であれば、誰かから悪口を言われたり、批判されたりしたことは誰しも経験があると思う。
心にグサッと来ることもあれば、心がどんより落ち込むこともあると思うが、私は二つの対処方法で心を落ち着けている。
一つは「この世に批判されたことがない人間は一人もいない」という事実を思い出すこと。
もう一つは「批判として受け取るのではなく、新しい考え方として受容する」ことだ。
人類史上、批判されたことがない人間は一人も存在しない。
世界中から聖人と崇められているブッタやキリストでさえ批判の対象になった。
批判されることは当たり前の自然現象であり、誰からも批判されない人間など、この先も現れないだろう。
すべての人間が誰かから批判されている事実を思い出せば、極めて当たり前のことに心を痛めることの無意味さに気がつくはずだ。
また、批判(誹謗中傷は例外)をブロックしないことも大切だ。
批判を新しい考え方として受容すれば、自身の視点や配慮の至らなさが発掘され、新たな成長の機会に恵まれるからだ。
こう考えれば、批判に感謝できるようになる。成長の機会を下さってありがとうと、心から思えるようになる。そして、誰かを批判することをしなくなる。
社長が社員を批判しないことは大切なことだが、物事の良し悪しを教えることは放棄してはならない。
ここで重要なポイントは、社長の良し悪しの教え方によっては、社員が批判と受け取りかねないことである。
つまり、批判の決定権は常に受け手側(社員側)にあるという現実を受け入れ、社員に寄り添った教え方を意識しないと、意図せず社員を批判する事態を招いてしまうのだ。
社員を批判しない秘訣は、社長の正しさをぶつけないことである。
まずは社員の考えを聞いて、その考えを受け入れ、そのうえで社長が思う良し悪しを丁寧に教える。このプロセスが批判を軽減する確かな方法になる。
また、社員を褒めるときは大勢の前で、良し悪しを教えるときはマンツーマンで指導することも大切な心掛けになる。
人間は影響力を持つほどに批判され易くなる。
例えば、新入社員と社長では、社長の方が圧倒的に批判の対象になり得る。
国家権力を持った検察や警察、あるいは、権威を持っている医者や弁護士なども批判の対象になり易い。
実力・考え方・身体的特徴等が一般固定観念から外れた人間、あるいは、大組織の上場企業やエッジの立った商品やサービスを提供している企業も批判の対象になり易い。
もし誰かから批判されたら、自分、あるいは、自分の会社の影響力が大きくなったと思えば良いだろう。
その時は、くれぐれも批判と敵対して無駄なエネルギーを消耗しないでほしい。
腹を立てても構わないが、時間をかけてでも批判を受容し、自分の思考や度量を広げ、人間的な魅力や影響力をどんどん磨いてほしい。
そして、批判を恐れず、自分が正しいと思う道を突き進むことに全エネルギーを費やすことを切にお薦めする。