人が育てば、業績が伸びる。
組織力と業績は比例関係にあり、この法則は、企業繁栄の原理原則である。
この記事では、人を育てるのが上手い社長がやっている6つのマネジメントについて、詳しく解説する。
ダイヤモンドは原石を多面的に磨くことで光の魅力が際立ち、価値が高まる。会社組織も同じで、人財という原石を磨くことで魅力がより際立つ。
小さな会社ほど今いる社員で勝負し続けなければならないので、人財という原石をいかに磨くかで、会社の業績や行く末が決まる。
トップは一人の独裁でもいけないし、偏った悪平等でもいけない。様々な視点を持って、平等な価値基準で社員一人ひとりの才能を最大限に引き出す努力が必要だ。
得手不得手を理解し、人員配置を最適化する。才能を伸ばす一方で、苦手分野は組織全体でフォローする。感謝と労いの言葉をシャワーのように与える。人財という原石を磨くほど、組織の輝きは一段と増す。
人は人で磨かれ、どこまでも伸びる。
人に勝る経営資源はない。お金は使えば無くなるし、設備は時間と共に老朽化する。一方、人には無限の可能性があり、才能を伸ばそうと思えば、どこまでも伸ばすことができる。
大切なのは、いかに育てるかだ。例えば、短所を直すのはものすごくエネルギーを使うが、長所を伸ばすのは簡単だ。社員に仕事を任せるほど、社員は育つ。無難な人事よりも、意外性のある人事の方が社員も組織も一段と強くなる。
これらの原則にのっとった育て方を実践すれば、社員の才能はどんどん開花する。育成方針を決めるのは社長の仕事だが、その時に取れる最良の決断であれば、結果が多少間違っていても大丈夫だ。
人は人で磨かれるので、社長が社員を育てる過程そのものが、お互いの成長に繋がるからだ。社長と社員の才能と魅力が高まるほど、よき人財・情報・資金・資源等の成功要因を引き寄せる。つまり、人を育てるほど、会社の繁栄が加速するのだ。
経営者は常に前向きであれ。
組織力と業績は比例関係にある。だから、元気の良い組織は、お客様から愛され、素晴らしい業績に恵まれる。
この組織の力は、トップに君臨する社長の姿勢ひとつで決まるが、とりわけ重要なのは前向きな姿勢だ。
泣く暇があるなら笑う、ツキが落ちても悲観しない、うつむくくらいなら上を向いて空を見上げる、考え込むならまずは行動する等、社長の前向きな言動は組織の活力になる。
また、真の成功者は常に良いことが起きる人ではなく、常に良い反応ができる人だ。
ここで失敗して良かった、この程度の損失で済んで良かった、病気になったけど命は助かった等、失敗、苦労、損失、不調、病気などの悪いことが起きたとしても、前向きに、明るい未来を創造できる人だ。
経営は「Cool Head, Warm Heart(冷静な頭と温かい心)」が肝要だ。
優しくて温かい人柄と、スキがなく冷静な仕事ぶりが同居している社長ほど、この姿勢が身に付いている。
温かさ一辺倒だと、社員の甘えが度を過ぎるし、冷静さ一辺倒だと、社員に窮屈な思いをさせてしまう。トップが冷静さと温かさを意識すれば、甘え過ぎず、窮屈過ぎずのバランスの良い企業風土が定着する。
また、社員を叱る時は、「褒めて、叱り、褒める」のワンセットがセオリーだが、冷静さと温かさがあれば、ごく自然にこのセオリーを実践でき、社員の才能を潰すことなく、上手に才能開花をサポートすることが出来る。
誠実に、厳しく自分を監督すれば、部下を監督する必要が無くなる。
社員のお手本となる得る社長の背中が見事であれば、社員もそれに倣うからだ。
しかし、やりすぎは禁物だ。自分がしんどい時は、自分に対する厳しさを和らげることも必要だ。無理することなく、社員に甘え、関係者に甘え、自分を労わってほしい。自分の弱さをオープンにしてほしい。
良寛さんは「裏を見せ、表を見せて、散るモミジ」という歌を詠んだ。私の大好きな一句である。日頃から着飾ることなく、真摯に、誠実に社員に接していれば、時に裏を見せようが、社員の心は離れないものだ。むしろ、社長の魅力が一段と輝く。
1日24時間。1年365日。人は平等に時間を与えられている。
その中の仕事時間を一所懸命働くことは当たり前のこと。当たり前ではないのは、仕事以外の時間をどう過ごすかだ。つまり、成長の要因は労働時間ではなく、私生活での時間にある。
人は毎日24時間、死ぬまで生き、行動しているが、その行動はすべて自分でコントロールできる。しかも、どんな環境であっても、コントロールできる領域がゼロになることはない。
一日は一生の縮図、一生は一日の積み重ねで決まる。
仕事を一所懸命して、私生活も精一杯楽しむことが大切で、その姿勢が成長を後押しする学びの量を増やす。会社の業績も人生の豊かさも、時間の使い方ひとつで決まるのだ。