一定数の顧客は毎年減少するので、事業拡大のペースが鈍化すると、会社は衰退に傾く。
事業を10年、20年と継続するには、事業を拡大し続けることが必要で、その経営姿勢なくして、会社の繁栄はない。
この記事では、事業拡大のスピードを飛躍的に加速する13の問いかけについて、詳しく解説する。
以下の問いかけは、事業の永続性を確立し、事業拡大のスピードを飛躍的に加速する効果がある。
「顧客の創造をしているか?」
「付加価値を研鑽しているか?」
「数字の拡大を推進しているか?」
この3つの問いかけに対して、若干でも不足があるようであれば、事業の永続性が不完全で、事業拡大のチャンスを活かしきれていない可能性が高い。
顧客創造は、経営の原点だ。顧客がいなければ経営が成り立たないからだ。
顧客創造は、目の前の顧客に対して、商品等を提供しているだけでは実現できない。まだ見ぬ顧客に対して、商品等を買ってもらうことで初めて実現できる。
付加価値の研鑽も重要だ。企業価値や商品価値が陳腐化すると、たちまちライバル企業に負けるからだ。
また、どんな事業であっても斜陽産業に転落するリスクがあるが、付加価値の研鑽で、そうしたリスクを払しょくすることができる。
数字の拡大とは、具体的には売上・利益・現金の拡大の事だが、この点も事業を拡大するうえで欠かせない要素だ。
成長投資の原資は、すべてお金なので、お金がなければ事業の拡大はたちまち鈍化する。さらに、お金がなくなると、企業は即刻倒産するので、会社経営においてお金ほど重要な要素はない。
従って、現金の拡大は特に重要だ。たとえ、売上が拡大傾向にあり、利益が残っていたとしても、一時的に現金が枯渇して倒産する会社は数多にある。
リーマンショックの年に倒産した上場企業の半数以上は黒字経営だったし、ある年の倒産企業の半数以上は黒字経営だったというデータもある。
利益を出していてもお金がなければ経営が破綻するということを、決して、忘れてはならない。
「顧客の創造をしているか?」
「付加価値を研鑽しているか?」
「数字の拡大を推進しているか?」
この3つの問いかけに対して、真剣に対応するほど事業の永続性が高まり、事業拡大のスピードが加速する。
以下の問いかけは、衰退リスクを遠ざけて、事業拡大のスピードを飛躍的に加速する効果がある。
「経営課題を明らかにする目標を設定しているか?」
「経営課題を解消する経営改善活動を行っているか?」
「そもそも経営改善活動の正しい計画を持っているか?」
この3つの問いかけに対して、若干でも不足があるようであれば、事業拡大を鈍化させる経営課題が山積している可能性が高い。
経営課題を明らかにする目標は様々あるが、最低限必要なのは、営業利益率20%以上等の明確な利益目標だ。
黒字経営であっても利益水準が低いと、経営課題が山積し易いだけでなく、成長投資のスピードも、事業拡大のスピードも遅くなるからだ。
なお、会社の利益水準を高め、事業の拡大スピードを加速するには、前章で解説した顧客創造・付加価値研鑽・数字の拡大を推進すると良い。
例えば、顧客が創造されれば売上が増える。付加価値が研鑽されれば利益と現金が増える。現金が増えれば成長投資が拡大して、顧客創造と共に事業拡大が更に加速する。
この一連のサイクルを確立するために行うのが経営改善活動であり、この計画の精度と経営改善の活動量で、事業拡大のスピードが決まる。
「経営課題を明らかにする目標を設定しているか?」
「経営課題を解消する経営改善活動を行っているか?」
「そもそも経営改善活動の正しい計画を持っているか?」
この3つの問いかけに対して、真剣に対応するほど事業の衰退リスクが遠のき、事業拡大のスピードが加速する。
以下の問いかけは、社長の経営力を高めて、事業拡大のスピードを飛躍的に加速する効果がある。
「決断のスピードを意識しているか?」
「決断の責任を一身に背負っているか?」
「社長業の経験と体験を真剣に積んでいるか?」
この3つの問いかけに対して、若干でも不足があるようであれば、社長の経営力が不十分で、事業拡大のチャンスを活かしきれていない可能性が高い。
社長の仕事は決断すること、と云われるように社長の決断ほど重要なものはない。なかでも、決断のスピードは経営改善の推進力に直結するので非常に重要だ。
そして、決断の責任を全て背負う覚悟も不可欠だ。
会社の業績、社員の能力、自分の人生等、自分を取り巻くすべての環境は自分の決断の結果であり、それらの結果責任を全て受け止めることが大切だ。
こうした結果責任をすべて背負う姿勢は、社長業の経験と体験の精度を高め、巡り巡って、決断のスピードを上げる。当然、事業拡大のスピードも格段に加速する。
「決断のスピードを意識しているか?」
「決断の責任を一身に背負っているか?」
「社長業の経験と体験をしっかり積んでいるか?」
この3つの問いかけに対して、真剣に対応するほど社長の経営力が高まり、事業拡大のスピードが加速する。
以下の問いかけは、経営改善の精度を高めて、事業拡大のスピードを飛躍的に加速する効果がある。
「管理会計を運用しているか?」
「現場の声に耳を傾けているか?」
「専門家をしっかり活用しているか?」
この3つの問いかけに対して、若干でも不足があるようであれば、事業拡大を加速する経営改善の精度が低下している可能性が高い。
管理会計は、経営改善の精度を高める便利なツールだ。
管理会計を導入すると、経営改善のPDCA精度が高まるので、改善成果が大きくなりやすく、たとえ失敗したとしても、戦略修正(補正)が適宜働くので、事業拡大が容易に運ぶようになる。
また、管理会計を運用すると、経営者は自然と数字に強くなる。業績を伸ばしている経営者の多くは数字に強く、確実に管理会計を導入している。
さらに、事業拡大の過程において、失敗しないことは、成功することよりも重要だが、管理会計を運用し、日頃から経営状況モニタリングすると、失敗をかわす精度を確実に高まる。
現場の声も、管理会計同様に重要だ。
例えば、顧客やライバルの情報がなければ、まともな会社経営ができなくなることは容易に想像ができるだろう。
優れた情報は現場にある。生産現場、接客現場、営業現場等、机上の空論が通用しない現場の領域は数知れずある。
そうした現場から、いかに優れた情報を集めるかで、経営改善の精度、さらに言えば、事業拡大のスピードが決まる。
専門家の活用も経営改善の成果に大きな影響を及ぼす。
知識や経験の専門性を高める方法は二つしかない。自分で勉強し経験するか、専門家の知恵を借りるか、のどちらかだ。
確実なのは後者の専門家の活用だ。独学はあやふやな基準で誤った方向に行く恐れがあるし、何より、時間と効率を考えると、非現実的だ。
経営の現場では専門的な知見がないと決断を誤るケースが多々ある。いかに上手に専門家を活用するかが、事業拡大のスピードを決定づけるのだ。
「管理会計を運用しているか?」
「現場の声に耳を傾けているか?」
「専門家をしっかり活用しているか?」
この3つの問いかけに対して、真剣に対応するほど経営改善の精度が高まり、事業拡大のスピードが加速する。
以下の問いかけは、最も事業拡大のスピードを加速する効果がある。
「今この瞬間を一所懸命に生きているか?」
この問いかけに対して、若干でも不足があるようであれば、まだまだ事業拡大のスピードを加速する余地が残っていると言える。
一日は一生の縮図、一生は一日の積み重ねと言うが、日々、目の前の今ココに集中する姿勢は、会社の業績を大きく左右する。
そもそも、会社経営は、自分の思い通りになることが殆どない。
だから、思い通りにならないことを嘆くことは、まったく意味のないことで、それよりも、流れに身を任せ、前向きな心持ちで、目の前の今ココに全集中することの方がよほど大切だ。
また、人は毎日24時間、死ぬまで生き、行動しているが、その行動はすべて自分でコントロールできる。しかも、どんな環境であっても、コントロールできる領域がゼロになることはない。
事業を拡大したいと思ったら、今の行動を変えるだけだ。そうすれば、未来は一瞬で変わる。
目の前のお客様に一所懸命尽くす、目の前の仕事に一所懸命取り組む、目の前のやるべきことを一所懸命こなす等、今できることを真剣にコツコツ積み上げる経営姿勢は、事業をとんでもなく成長させる確かな方法だ。