経営者の最も重要な仕事は「マネジメント」と、よく言う。
しかし、マネジメントの意味を正しく理解している経営者(社長・経営マネージャー等)は意外と少ない。
例えば、何かを管理することがマネジメントだと誤解している経営者が稀にいる。私の元にも、社員をどうやって管理すべきか、上手にコントロールするにはどうすれば良いのか、といった相談がよく寄せられる。
確かに、マネジメントの意味を辞書で調べると「管理者」と書かれているが、社員を管理すれば経営がうまくいくかと言えば、そんなことはない。
むしろ、社長が社員を管理・コントロールしようとするほど、お互いのストレスは大きくなる。
社長は、社員が思い通りにならないことに頭を悩ませ、社員は思い通りにしようとする社長の存在に頭を悩ませる。
そして、双方の悩みが大きくなるほど、組織のパフォーマンスが著しく低下し、業績が低迷する。
マネジメント=管理と考えることでの弊害はもう一つある。
それは、経営者(社長・経営マネージャー等)の力量を越えた社員が現れると、その社員のコントロールが不能になることだ。
経営者から見れば扱いづらい社員と見えるかも知れないが、こうした社員を管理しようとするほど、知らぬ間にその社員の才能を潰してしまう。
才能を潰すだけならまだしも、辞められてしまえば、せっかくの人財を逃すことにもなる。
マネジメント=管理と考えると、会社経営はうまくいかないのだ。
本来の経営マネジメントの意味、本来の経営マネージャーの仕事はなにか?
それは、会社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報・強み等)を最適化・最大化することである。
例えば、
社員の才能を開花させ、組織のパフォーマンスを極限まで引き出すこと。
会社の設備や生産体制の効率を探求し、生産能力を最大限に引き出すこと。
商品やサービスの魅力を最大限に引き出し、たくさんのお客様の支持を獲得することなどは典型と言える。
経営資源は最適化されているか?
経営資源は最大化されているか?
この二つの問いかけの答えがNOであれば、経営マネジメントの仕事が山積している証拠だ。
当然ながら、こうした山積した仕事を片付けるほど、マネジメントの精度が高まり、会社の繁栄が一段と花開く。
会社の成長に陰りが見えた時ほど、経営マネジメントの実践度合いを点検することを強くお薦めする。