数字に弱いダメな経営者|数字の弱さが会社を衰退させる

数字に弱いダメな経営者|数字の弱さが会社を衰退させる

 

中小企業の経営者に最も必要な能力は何か?

 

と問われれば、「会社の数字が読み解けるか否か」だろうか。

 

この記事では、数字に弱いダメな経営者の事例について、詳しく解説する。

 

 

会社の盛衰は数字力で決まる

 

会社の盛衰は数字力で決まる。

 

こと経営能力に関して個人的な性格の欠点は、さほど重要ではない。過去の経験から、会社の数字が読み解けるか否かが、経営者の経営能力を決定づける大きな要因といえる。

 

従って、数字に弱い社長は、ダメな経営者といわざる得ず、事実、数字に弱い経営者が会社経営に及ぼす弊害は様々ある。

 

例えば、数字に弱い経営者が、数字の弱さを克服することなく放置していると、会社の業績は必ず低迷する。

 

実際に、わたしが過去に企業再建で関わった赤字企業の経営者は全員数字に弱かった。

 

 

数字に弱いダメな経営者の特徴

 

数字に弱い経営者にありがちな特徴は以下の通りである。

 

数字に弱い社長の特徴

☑売上の増減くらいしか把握できない

 

☑人件費や経費の適正な水準やバランスが分らない

 

☑現金収支(キャッシュフロー)がプラスかマイナスか分からない

 

☑会社全体が赤字経営なのはわかるが、深刻度合が分からない

 

☑この先、会社の利益がどのように推移していくのか予測できない

 

☑大口の販売先に依存しているが会社の業績に与えるリスク度合が分からない

 

☑会社のどの事業が黒字経営で、どの事業が赤字経営なのか分からない

 

一つでも当てはまると、数字に弱いダメな経営者と言わざる得ない。

 

経営者が数字の弱さを放置すると、業績悪化を招く重大な経営課題を見落とし易くなるので、くれぐれも注意してほしい。

 

会社の数字を把握せずして、まともな会社経営など出来るはずもなく、大概は、業績悪化を見過ごしたまま時が経過するのを待つのみ、という状況に陥る。

 

この「ずるずると赤字金額が拡大し、最後はお手上げ」というパターンが、数字に弱い社長特有の末路だが、どんなに良い商品やサービスを提供していようが、どんなに良い社員を抱えていようが、会社が倒産してしまっては何もかもがお終いである。

 

社長が数字に弱いというたった一つの弱点が原因で、関係者全員が一瞬で不幸になることもあり得るのだ。

 

もうひとつ、数字に弱いダメな経営者の特徴として挙げられるのは、資金繰り表を作成していないということだ。

 

経営者の手元に資金繰り表がなければ、1ヶ月先、3ヶ月先、半年先の資金需要を把握することはできないが、黒字倒産の最たる原因は、資金需要の見誤りである。

 

 

数字に弱い社長が倒産リスクを引き上げる

 

経営者の数字の弱さが原因で倒産の危機に瀕した会社を沢山見て思うのは、「経営者さえ数字に強ければ...実にもったいない。」のひとことである。

 

数字を無視した会社経営は必ず行き詰る。

 

なぜなら、会社の成長発展に欠かせない経営改善をまともに推進することができず、場当たり的な会社経営に陥るからだ。

 

場当たり的な経営では、会社の成長発展を支える独自の経営ノウハウが蓄積されず、会社の競争力は一向に磨かれない。

 

当然ながら、資本力の乏しい中小企業の競争力がひとたび低下すると、市場競争からはじき出されるのは時間の問題となる。

 

結局、経営者の数字の弱さが原因で、会社が倒産の危機に瀕してしまうのだ。

 

数字に弱い経営者は、相当なハンデを背負っている状態といっても過言ではない。

 

一方、数字に強い多くの社長は、会社の業績を伸ばしている。

 

仮に数字に弱い社長であっても会社経営の本質を理解している経営者は、数字に強い参謀役(経営ブレーン)をそばにつけて会社の業績を伸ばしている。

 

会社を倒産させないためには、経営者自らが、数字の弱さを克服する努力をしなければならないのだ。

 

伊藤のワンポイント
 

経営者の数字力は業績に直結します。ですから、会社の数字を決して軽く見ないでください。会社経営の正否も、業績悪化の兆候も、必ず会社の数字に表れます。数字という客観的情報を無視した瞬間から、会社の衰退が始まります。数字を活かすも殺すも経営者次第だと思ってください。