中小企業の経営課題と解決のヒント
中小企業の倒産原因は「経営課題の見落とし」に尽きる。
会社の大小関係なく、いかに小さな経営課題であっても、その課題を見落とし続けていると、会社経営は簡単に行き詰る。
例えば、大企業の倒産や航空機の墜落事故なども、原因を辿ると、小さな課題の見落としに行き当たる。
経営課題は、どんな会社であっても日常の経営のなかに表れている。
そして、どんなに小さな経営課題であっても、積もり積もれば大きな経営課題になる。
経営課題に大小はない。
重要なのは、経営課題を見つけたら、即座に解決に取り組むということだ。
あした解決しようという気の緩みが、あすの大事故を引き起こすかも知れない。
また、経営課題の芽が大きくなれば解決策に限りが出るので、解決のハードルが一段と高まる。
資金力に乏しい中小企業の場合は、大きな経営改革を断行しなければ存続が危うくなることもあり得る。
会社経営を成功に導くには、経営課題の芽を摘む努力が欠かせないのだ。
じつは、中小企業の経営課題は、経営者ひとりの努力次第でいかようにも解決できることがある。
また、課題解決の糸口さえつかめれば、簡単に課題が解決することもある。
早速、中小企業の経営課題を生み出す温床になり得る「経営力と組織力の低下」の課題解決のヒントを紹介しよう。
中小企業の経営課題「経営力」
会社の経営力が低いために、さまざまな経営課題が山積している中小企業は少なくない。
例えば、商品力や経営資源が優れているにも関わらず、業績が伸び悩んでいる会社などは、経営力不足で経営課題が山積している典型的なパターンである。
中小企業の場合、会社の経営力と経営者の能力が比例関係にある。
つまり、経営者の経営力が低ければ、業績が低迷するということである。
わたしが過去に再建調査で入った中小企業も、経営者の能力不足で経営が傾いていた。
大企業は経営者の能力が劣っていても組織力で業績がカバーされるが、中小企業は、そうはいかない。中小企業の業績は経営者ひとりの能力で決まるのだ。
わたしの経験上、経営者の能力不足の最たる特徴は「数字に弱い」ということである。
経営者の数字力は、会社の経営力を決定づける重要な要素になる。
例えば、会社の数字をよく観察していると、良いサインも危険なサインも全て見つけることができる。
経営者の数字力が高いと、良い部分を伸ばし、悪い部分を改善するといった正しい経営サイクルが回るので、経営課題が次々と解決されていき、自ずと、会社の経営力と業績が伸びていく。
一方、経営者が数字に弱いと、良いサインも危険なサインも見落としてしまう。
当然ながら、良い部分を伸ばすことも、悪い部分を改善することもできなくなる。
これでは、経営課題を解決することはできず、業績が悪化することは容易に想像ができるだろう。
勘と経験だけで乗り切れるほど、中小企業の会社経営は甘くない。
会社の経営課題を見落とすばかりか、経営課題が山積する一方になってしまう。
会社の経営力を高めるには、経営者自身が数字に強くなることが最も手っ取り早い方法である。
なお、会社の数字に強くなることは決して難しいことではない。
コツとポイントを抑えれば誰でも強くなることができる。
⇒⇒おススメ記事「数字に弱い社長が、数字に強くなる方法」はこちら
中小企業の経営課題「組織力」
会社の組織力が低いために、さまざまな経営課題が山積している中小企業は少なくない。
例えば、会社の組織力を形成する社員は、経営者の活用次第で100の力が0になることもあれば、プラス100になることもある。
当然ながら、たった一人の社員でも組織の足を引っ張る存在になってしまうと、さまざまな経営課題を生み出す温床を作ってしまう。
事実、倒産の危機に瀕するような会社の組織には必ず問題社員の存在があり、その存在が深刻な経営課題の温床になっているケースが多い。
中小企業の組織力を強化するには、組織を正しい方向に導く「経営理念」、組織の責任と役割を示す「組織図」、会社の情報を整理・伝達する「定例会議」の3つが欠かせない。
そして、経営者のコミュケーション能力も不可欠である。
経営者が積極的に社員とコミュニケーションを交わしている限りは、組織力が弱体化することはそうそう起こらない。
また、経営者自身が会社の数字に強くなることも大切である。
なぜなら、数字の根拠のある指示命令は、社員の反発を招きにくいからである。
組織力と業績は比例する。
組織力が強化されれば、経営課題が自ずと解消され、間違いなく業績も伸びる。
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