リスクヘッジを怠ると衰退リスクが高まる

中小企業の販売先のリスク管理手法

中小企業の販売先のリスク管理手法

 

中小企業は販売先毎にリスク管理を行わないと、思わぬところで倒産の危機を迎えることがある。

 

例えば、売掛金の貸し倒れ、連鎖倒産などは、中小企業の最たる販売リスクである。

 

販売先のリスク管理の項目は、売上構成比率(占有率)、与信リスク、品質リスク、など等、さまざまある。

 

どれも重要なリスク管理項目ではあるが、この記事では、リスク管理を怠った場合に最も倒産リスクが高い「売上構成比率(占有率)」のリスク管理手法を解説したいと思う。

 

売上構成比率(占有率)とは、会社全体の売上を占める販売先毎の売上構成比率のことである。

 

販売先のリスク管理に欠かせない売上構成比率(占有率)の計算式は下記の通りである。

 

売上構成比率(占有率)=(販売先の売上÷会社全体の売上)×100

 

例えば、会社全体の売上が1,000万円で、会社全体の内、ある販売先が100万円の売上であった場合、売上構成比率は、100万円÷1,000万円×100=10%になる。

 

下請け構造の中小企業の場合は、少数の大口販売先によって経営が成り立っている会社も多いと思うが、会社全体の売上の大部分を少数の大口販売先に依存してしまうと、会社の倒産リスクが高まる。

 

なぜなら、大口販売先の取引が消滅したら、正常な会社経営が出来なくなるほどの打撃を受けるからだ。

 

大口販売先の倒産がきっかけで、当事者の会社が倒産することを「連鎖倒産」というが、連鎖倒産の危機を含んでいる中小企業は少なくない。

 

連鎖倒産のリスクを解消するのは、販売先毎に売上構成比率(占有率)を把握し、なるべく大口販売先の依存度を下げる努力が欠かせない。

 

リスクヘッジを怠ると、会社の衰退リスクが高まるばかりとなる。

 

販売先のリスク分散を行うことが、安定経営の秘訣である。

 

 

販売先のリスク判定基準

 

売上構成比率に応じた販売先のリスク判定基準は下記の通りである。

 

5%以下

全ての販売先の売上構成比率が5%以下であれば、超優良水準といえる。販売先のリスク分散が万全なので連鎖倒産の危険性は極めて低い。

 

 

6~10%

売上構成比率が6~10%の中に販売先が数社入っている程度であれば標準水準といえる。

 

ただし、3社以下なら連鎖倒産の危険性は低いが、4社以上ある場合は、連鎖倒産の危険性がある。なるべく売上構成比率を5%以下に抑えられるよう、リスク分散を進めた方が良いだろう。

 

 

11~20%

売上構成比率が11~20%の中に販売先が1社でも入っているようであれば、要改善である。

 

連鎖倒産の危険性があるので、なるべく売上構成比率を10%以下に抑えられるよう、リスク分散を進めた方が良いだろう。

 

 

20%以上

売上構成比率が20%以上の販売先が1社でもあるようであれば早急な改善が必要だ。

 

連鎖倒産の危険性が極めて高いので、早急に販売先の新規開拓、新商品の投入等の対策を講じる必要がある。万が一、課題を先送りして、当該販売先が消滅、或いは、倒産してしまったら連鎖倒産が現実のものになるだろう。

 

なお、販売先毎の売上総利益率が一定であれば「売上構成比率」をリスク判定基準に採用して問題ないが、販売先毎に売上総利益の水準が区々の場合は、「売上総利益構成比率」をリスク判定基準に採用した方がよい。

 

販売先のリスク管理は、中小企業経営者の重要な仕事のひとつである。

 

日頃から先見性をもって現状を分析し、将来のリスクを摘み取ることができていれば会社が傾くことはそうそう起こり得ない。

 

会社の経営は、時には臆病な面も必要だ。

 

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