経営者が理解すべき法人の確定申告とは?

法人の確定申告とは

法人の確定申告とは

 

法人の確定申告とは、事業年度の課税標準(※1)を確定させて法人税額を決定するために、管轄税務署に必要な計算書類を申告する一連の手続きのことである。

 

全ての法人は、事業年度終了日の翌日から2カ月以内に、確定申告の手続きを取らなければならない。

 

法人の確定申告は税務署から連絡が来るわけではないので、期限内に忘れずに申告する必要がある。

 

万が一、確定申告期限を超過した場合は、その法人に延滞税が課せられる。

 

法人の確定申告計算書類は、確定申告書(一式)、決算書(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書)で構成される。

 

確定申告義務者が一切の計算書類を作成し、管轄税務署に申告した時点で、申告内容が受理される。

 

そして、確定申告した課税標準に応じて法人税額等が確定する。

 

なお、確定申告内容については、急激な業績の変化、又は目に余る書類の不備や明らかな脱税行為がない限り、税務署から詮索されることはない。

 

従って、計算過程を誤って利益が過大計上されたとしても、修正申告をしない限り、一度確定した納税額が修正されることはない。

 

つまり、税金の過払いがあったとしても、修正申告をしない限り、払い過ぎた税金が還付されることはないということだ。

 

このような申告制度を、申告主義という。

 

法人の脱税行為や粉飾決算が後を絶たないのは、申告主義の弊害といえる。

 

しかしながら、約500万社の法人数に対して、税務職員が1社1社監督することは不可能である。

 

最大規模の東京国税局(1都3県を管轄)でさえ、約1.5万人の職員しかいない。

 

やはり、経営者自身が良識と確かな知識を持って、正しい確定申告書類を作成することが求められる。

 

※ 法人の確定申告は管轄税務署にほか、都道府県税事務所に対しても確定申告が必要である

 

※1 課税標準とは、税額を算出するうえで基礎となる課税対象の所得のことである

 

 

法人の確定申告書類は経営に役立つ情報源!?

 

法人の確定申告は税理士の仕事と思っている経営者もいるかも知れない。

 

税理士は法定で確定申告の代理申告が認められているが、じつは経営者自身で確定申告を行うこともできる。

 

但し、法人の確定申告書類の作成には多少の専門知識が必要なことから、一般的には、税理士に代理申告を依頼するケースが多い。

 

税理士に代理申告を依頼している中小企業経営者のなかには、確定申告書類の内容を確認したことがない、若しくは、内容が理解できない、といった経営者も珍しくない。

 

じつは、法人の確定申告書類のなかには、会社経営に役に立つ有益な情報が沢山含まれている。

 

例えば、法人の確定申告書類の、別表一(一)、別表二、別表七(一)は、中小企業経営者にお薦めの会社経営に役に立つ資料である。

 

何れの書類にも、貸借対照表や損益計算書には記載されていない重要な経営情報が含まれている。

 

従って、最低限、上記3点の別表だけは内容確認することをおススメする。

 

会社経営に役立つ確定申告書類の解説は下記の通りである。

 

 

別表一(一) 「普通法人の法人税確定申告書」

 

納税額の基準となる所得金額(課税標準)、並びに、法人税額、地方法人税額の確定金額が確認できる。

 

納税に必要な資金を準備するためにも早々に確認した方が良い。また、会社の所得金額に対する法人税額も把握することができる。

 

 

別表二 「同族会社の判定に関する明細書」

 

会社の株式を「特殊な関係にある個人や法人」が50%以上保有している場合は同族会社になる。

 

同族企業の判定のほか、株主の順位も明記されているので、それぞれの株主の持株比率も確認することができる。

 

同族会社にも拘わらず、経営者自身の持株比率が2/3を下回っている場合は、経営課題として解決方法を検討する必要がある。

 

 

別表七(一) 「欠損金又は災害損失金の損金算入に関する明細書」

 

過去の青色欠損金等の残高が確認できる。

 

税法では、会社が赤字経営で損失が出た場合は、青色申告に限り、損失の繰り越しが認められている。例えば、当期以前に赤字▲100万円分の繰越損失があり、当期が100万円の黒字だった場合、当期の所得金額は0円になり、法人税も0円になる。

 

繰越損失には有効期限があるので、過去に損失を計上している会社は必ず確認した方が良い。

 

➡NEXT「月次決算書(月次試算表)とは」へ

 




 


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