コストダウンは会社の競争力を決定付ける重要な取り組みだ。
なぜなら、競合他社よりも低コストで商品やサービスを提供することができれば、市場での優位性が高まるからだ。
この記事では、簡単かつ効果的なコストダウンの手法について、詳しく解説する。
コスト競争力は、会社の業績を押し上げる。
なぜなら、競合他社よりも低コストで商品やサービスを提供することができれば、市場での優位性が高まるからだ。
市場での優位性を失うと、たちまち市場競争からはじき出されるので、日頃のコストダウンの成果が会社の生存を決める、といっても過言ではない。
また、低コスト体制で高付加価値商品を開発することができれば、大きな利益を獲得することが容易になるので、コストダウンは高い収益基盤を整える効果もある。
技術革新やインフラ進化に伴いコストダウンの余地は絶えず生まれるので、コストダウンは終わりなき企業活動になる。
効果的なコストダウンの基本は「目標設定」にある。
現状と目標のギャップを解消することが、効果的なコストダウンを実現する秘訣になるからだ。
当然ながら、目標のないコストダウンは、非効率な活動を生み出し、沢山の時間と労力を浪費する結果を招きかねない。
効果的なコストダウンを推進するために活用する目標指標は「売上総利益高経費率」で、計算式は下記の通りになる。
売上総利益高経費率=(経費÷売上総利益)×100
売上総利益高経費率の標準水準は90%以下、優良水準は80%以下になる。
現状の売上総利益高経費率が分かれば、目標とのギャップが明らかになるので、効果的にコストダウンを進めることができる。
続いて、簡単かつ即効性のあるコストダウンの代表的な手法を二つ紹介する。一つは「総量規制のコストダウン手法」、もう一つは「ゼロベースのコストダウン手法」である。それぞれのコストダウン手法について、夫々詳しく解説する。
総量規制とは、コストの総量を規制してコストダウンを進める手法である。
例えば、年間コスト1億円以内という総量規制を設定した場合は、総量規制である年間コスト1億円超過分がコストダウンの対象になる。
総量規制のコストダウン手法は、目標金額が明快になるので、コストダウンの目標管理と、効果測定が容易になる。
なお、総量規制のコストダウンは、会社全体で取り組む手法、部門ごとに総量規制を割り当てる手法、社員一人ひとりに総量規制を割り当てる手法がある。
当然ながら、コストダウンの総量規制を細分化するほど、短期間でコストダウン効果を上げることができる。
ゼロベースとは、コストの必要可否を精査しコストダウンを進める手法である。
例えば、不要と判断されたコストはコストダウンの対象として、躊躇なくゼロ(削減)にするといった手法である。
どんな会社にも会社の業績にさほど貢献していない不要なコストが混入している。
一つひとつのコストの必要可否を丹念に精査していくと、思いもよらないコストダウン効果を上げることもできる。
なお、急を要するコストダウンの場合は、業界団体の一時離脱や協賛や寄付の停止といった手法で、業績貢献度の低いコストをすべてゼロ化していくと、比較的短期間でコストダウン効果を上げることができる。
ただし、社員の安全を損なうコストダウンや商品やサービスの品質を下げるコストダウンには、決して手を出してはならない。