失敗に学ぶ会社経営の成功戦略3|組織強化の戦略

組織強化の戦略|失敗に学ぶ会社経営の成功戦略 その3

 

多くの中小企業経営者は成功に学ぶことに何の疑問も抱いていないが、じつは、成功は偶然の産物であり、本来、成功の法則というものは存在しない。

 

一方、失敗には法則があり、失敗するべくして失敗すると云われるほど、失敗の法則はあらゆる面で応用が効く。

 

この記事では、失敗に学ぶ会社経営の成功戦略と題して「組織図を活用しない会社」と「稟議書を活用しない会社」の失敗パターンについて、詳しく解説する。

 

 

成功の戦略を失敗から学ぶ

 

失敗には法則があり、失敗するべくして失敗すると云われるほど、失敗の法則はあらゆる面で応用が効く。

 

例えば、約三百年に亘り天下を治めた徳川幕府を開いた徳川家康は、織田信長、豊臣秀吉等々、時代を共にした武将の失敗事例を徹底的に学び、成功の礎を築いた。

 

天下の剣術家であった宮本武蔵が追求した剣は、勝負に勝つ剣ではなく、勝負に負けない剣だった。

 

日本のプロ野球界で選手・監督として活躍した野村克也氏は、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という肥前平戸藩主・松浦静山の名言を引用して失敗の理を語った。

 

会社経営も同様、失敗から学べることが沢山ある。以下に、組織図を活用しない会社と稟議書を活用しない会社の失敗パターンを紹介する。組織強化の成功戦略に活かすことをお薦めする。

 

 

組織図を活用しない会社の失敗に学ぶ成功戦略

 

組織図を重要視しない中小企業は、会社の倒産リスクが高い。

 

なぜなら、組織図を重要視しないと、組織の責任所在、情報共有、指示連絡、協力体制、一体感、自由な意見交換、命令系統、等々、組織力を構成する様々な要因、或いは、機能が低下するからだ。

 

経営者から末端社員までの距離が短ければ組織図は必要ないが、経営者の間に部長、課長と2つ以上の役職者を経由して末端社員に辿りつくような規模で、社員数が50名を超えてくると、組織図がなければ、組織は有効に機能しない。

 

中小企業の場合、事業部門や店舗が複数に増え始めて組織が大きくなると、組織体制に綻びが出始める傾向が強い。

 

倒産の危機に瀕した中小企業を数多く見てきたが、倒産の危機に陥っている会社の多くは「組織図を重要視」していなかった。

 

つまり、組織図さえうまく運用できれば、会社の成功戦略が見えてくるのだ。

 

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稟議制度を活用しない会社の失敗に学ぶ成功戦略

 

稟議制が導入されていない中小企業は、会社の倒産リスクが高い。

 

なぜなら、稟議制度が導入されいない会社の多くは、経営管理が杜撰になるからだ。

 

例えば、コスト意識が甘くなる、販売計画や目標がいい加減になる、経営改善に取り組む姿勢が希薄になる、経営者と社員の意思疎通が図れなくなる、社内ルールが守れなくなる、等々、経営管理の弊害は挙げたらキリがない。

 

稟議制度とは、会社経営に関わる事案に対して、稟議書を作成し、社内の役職者の承認を経て最終的に社長が決裁する仕組みだ。

 

稟議制度を導入すると、経営管理面の弊害が抑制されるほか、人材育成の効果もある。なぜなら、稟議書は、あらゆる経営分野で作成されるからだ。

 

倒産の危機に瀕した中小企業を数多く見てきたが、倒産の危機に陥っている会社の多くは「稟議制度を導入」していなかった。

 

つまり、稟議制度さえうまく運用できれば、会社の成功戦略が見えてくるのだ。

 

【関連記事】倒産する会社には稟議制度がない

 

 

失敗を成功に転換する賢い戦略

 

当サイトの記事の約半数は会社経営の失敗事例に関連するものを掲載している。

 

なぜなら、会社経営において失敗事例ほど役に立つ経営ノウハウはないからだ。

 

資本力のない中小企業の場合、小さな失敗が、取り返しのつかない失敗に繋がることがある。数多くの失敗事例を経営に活かすことは、優れた成功戦略なのだ。