中小企業に必須の会社の経営目標

明確な経営目標は将来性を形作る

明確な経営目標は将来性を形作る

 

会社を創業からたった一代で大企業並みに拡大し、大成功を収めた経営者は多くありません。

 

二代目、三代目と会社を継いだ後継者であっても、なかなか大企業レベルの規模まで成長させることは難しいものです。

 

この手の成功を収めることのできた経営者は秀でた才能を持っていたのかも知れませんが、決して才能だけで成功を収められたわけではありません。

 

人のご縁、天運、ひらめき、時世、等々、様々な成功要因を味方につけたからこそ、会社を成功に導くことができたのです。

 

そしてもうひとつ、欠かせない成功の要因があります。

 

それは「明確な経営目標を持つ」ということです。

 

経営者が会社を経営し続ける目標は、

 

・売上規模の拡大を追求する

 

・店舗数の拡大を追求する

 

・マーケートエリアの拡大を追求する

 

等々、経営者によって十人十色かと思いますが、何れにしろ、明確な経営目標は将来を形作ります。

 

例えば、一代で大企業に成長させた経営者は、

 

京セラの稲盛和夫さん、ダイエーの中内功さん、スズキの鈴木修さん、ニトリの似鳥昭雄さん、ユニクロの柳井正さん、ソフトバンクの孫正義さん、楽天の三木谷浩史さん、ワタミの渡邉美樹さん、カルチュア・コンビニエンス・クラブの増田宗明さん、エイチ・アイ・エスの澤田秀雄さん、、、

 

少し時代を遡ると、松下電器の松下幸之助さん、 ホンダの本田宗一郎さん、 ソニーの盛田昭夫さん、などが有名です。

 

未だに調子の良い会社もあれば、調子の悪い会社もありますが、家業から中小企業を経て大企業に成長させた創業者たちは、全員確固たる「会社の経営目標」を持っていたはずです。

 

会社の経営目標があれば、地に足のついた経営のかじ取りができて、経営判断は明確になります。

 

逆に、会社の経営目標がないと、地に足のついた経営のかじ取りは難しく、経営判断が曖昧になってしまいます。

 

事業規模の拡大を成し遂げるためには、確固たる「会社の経営目標」が不可欠なのです。

 

 

中小企業に適した明確な経営目標とは?

 

明確な経営目標が事業規模の拡大を後押しすることに変わりはありませんが、冷静に考えると、大企業並みにまで事業規模を拡大できる経営者は全体の0.1%に満たないでしょう。

 

また、仮に大企業に変貌を遂げたとしても、長い目でみると、会社経営が悪化に転ずるケースも無きにしも非ずです。

 

事実、中小企業から大企業へ変貌した会社であっても、創業者から二代目に経営をバトンタッチしたとたんに経営が傾き、倒産や吸収合併で会社そのものが消滅してしまうケースもあります。

 

あえて、その狭き門に挑戦するというのであれば、それも結構でしょうが、中小企業として事業を未来永劫続けていきたいと思うのであれば、規模の拡大を追求するのはリスクのある選択ともいえます。

 

中小企業は規模拡大だけが幸せの道ではありません。

 

事業を次世代にバトンタッチできる持続的成長可能な会社経営を実現するのも、ひとつの幸せな道です。

 

では、持続的成長を目指す中小企業に適した「会社の経営目標」は一体どのようなものが良いのでしょうか?

 

それは、

 

・「具体的な会社理念を掲げる」

 

・「具体的な業績目標を掲げる」

 

の2点です。

 

 

経営目標その1「具体的な会社理念」

 

具体的な会社理念は抽象的な表現ではなく、会社の強みを具体的に表現しなければなりません。

 

例えば、「ロケットの部品を供給する」、「機械に負けない職人技を守り続ける」、「無農薬野菜を一般家庭に直接届ける」、「薬剤に頼らない美容サービスを提供する」等々、、、。

 

具体的であればあるほど、会社の成長を力強く支える経営理念となります。

 

中小企業の場合は、会社の経営理念が「会社の強み=会社の生命線」になります。

 

これがなければ、持続的成長可能な会社経営を実現するのは難しいといっても過言ではありません。

 

経営理念が商売として具体化されていくと、徐々に会社が提供する事業価値(オンリーワン要素とナンバーワン要素)が高まっていきます。

 

当然ながら、事業価値が高まれば高まるほど、持続的成長の基盤は整います。

 

会社の経営理念と持続的成長には、密接な関係があるのです。

 

 

経営目標その2「具体的な業績目標」

 

具体的な業績目標は、持続的成長を保証するものでなければなりません。

 

持続的成長を保証する要素の代表は、「利益」と「生産性」です。

 

この二つが競合他社よりも抜きに出ていれば成長に陰りが出ることはありません。

 

「利益」と「生産性」をモニタリングするうえで活用できる経営指標は次のふたつです。

 

・売上総利益高営業利益率

 

・一人一時間当たりの付加価値

 

それぞれの計算方法等は下記の通りです。

売上総利益高営業利益率

 

売上総利益高営業利益率は、(営業利益÷売上総利益)×100、で算定できます。

 

標準ラインは10%超で、目標ラインは20%(※1)です。

 

20%超は、かえって儲かりすぎの状態となりますので、業界特性ではない限り、会社内外で問題を生じている可能性があります。

 

※1:売上総利益高営業利益率10~20%を確保できていても営業利益金額が小さいと安定経営の確保が困難な場合があります。

 

 

一人一時間当たりの付加価値

 

一人一時間当たりの付加価値(人件費+営業利益)は、(〔人件費+営業利益〕÷全社員の総労働時間)で算定できます。

 

例えば、付加価値が1億円あり総労働時間が1万時間であれば、一人一時間当たりの付加価値は1万円となります。つまり、社員が1時間働くと、1万円の付加価値を生み出すということです。

 

付加価値が1億円あり総労働時間が10万時間であれば、一人一時間当たりの付加価値は1千円となります。この場合、社員が1時間働いた時の付加価値が1千円となり、先の例の1/10まで付加価値が減少したことになります。

 

目標は常に増加です。

 

中小企業の場合、少ない人数で最大の利益を出す少数精鋭体制が長寿の秘訣となりますので、一人一時間当たりの付加価値を目標に導入するのは大変有効です。

 

少ない人数と少ない労働時間で付加価値を如何に最大化できるかが重要なポイントです。

 

「具体的な経営理念」に加えて「具体的な業績目標」を会社の経営目標に掲げると、効率的且つ効果的な会社経営が実現できます。

 

そして、確かな経営目標を掲げた会社経営を続けていくと、何れ持続的成長可能な経営の基盤が整ってきます。

 

 

<<前の記事  次の記事>>

 

 

 

おすすめ記事

 


 


 


 




 


人気記事ランキングTOP3


社長!!その〇〇、大丈夫ですか?例えば、売上、利益、計画、見通し、お金、投資、人事、など等、経営の落とし穴は至るところに潜んでいます。経営者必見の失敗しない会社経営のノウハウをたっぷり紹介しています。

巷の書店などに出かけると様々な経営書が並んでいることに驚きます。中小企業の会社経営をする上で、すべてを鵜呑みにして受け入れることが出来るか否か?答えはノーです。その理由とは?

経営と数字は切っても切れない関係にあります。数字に強い経営者がどのようにして会社の数字を捉え、会社の数字を経営に活かしているか事例を交えて紹介しています。

人気記事ランキングをもっとみる⇒⇒

関連ページ

中小企業の経営実態とは?
大企業を含めた全企業数に占める中小企業の割合は99.7%です。そして、中小企業の70%が赤字に苦しんでいます。勝ち組企業に生まれ変わるには何をすべきなのか?秘訣を紹介しています。
会社経営の基本原則とは?
経営とは「営みを経ける(続ける)こと」です。経営を続けるためには経営の基本原則を理解しなければなりません。経営の基本原則を分かり易く紹介しています。
中小企業の寿命は永遠か?
日本国内における株式会社は毎年8万社強が誕生している一方で、2万5千社がその寿命を終えています。株式会社の99%以上が中小企業ですので、この数字は中小企業の実態を表しています。また、一説では起業から10年後の生存率は5%といわれています。
事業を永遠に継続させる方法
事業を永遠に継続するためには黒字経営を継続するしかありません。そして会社の黒字経営を継続するには会社経営の原理原則を学んだうえで、会社の数字をしっかり把握し、赤字経営のリスクを摘み取っていかなければなりません。
会社の業績が低迷する原因と対策
中小企業の業績が低迷する原因は様々ですが代表的な例を挙げると3つあります。ひとつは、業績把握能力の低下、次に、組織力の低下、最後にお家騒動です。原因と対策の理解が解決の糸口となります。
会社の安定経営を実現する秘訣
会社の安定経営を実現するためには安定的に利益を出すこと、そして継続的に投資を行うことが大切です。成長投資なくして会社の成長はあり得ませんが、利益がないのに投資を行うと過剰投資となり、会社倒産の要因となる場合があります。
経営者が業績に責任を持つ理由
中小企業は、経営者の能力がそのまま会社の業績に反映されます。従って、業績が下降線を辿り、赤字経営に転落するようなことになれば、その責任は全て経営者に帰属します。経営者が業績に責任を持つ理由は、ここにあります。
社員のモチベーションを上げる方法
社員のモチベーションをどう維持し、どのようにして上げていくか?社員のやる気をあげるために如何に動機づけをしていくか?多くの中小企業が悩む課題かと思いますが、社員のモチベーションを上げる方法はさほど難しくありません。意外とシンプルです。
経営者の孤独は解消できるか?
経営者は孤独です。経営者には社内に本音を打ち明けられる相手がおりません。家族でさえ、心から理解してくれることはありません。そのような状況下で社員全員の生活を保証し、業績に責任を持たなくてはなりません。果たして経営者の孤独は解消できるのでしょうか?
経営者のハッピーリタイアメント
会社の経営者に定年はありません。会社のオーナー兼経営者であれば、なおさらです。それでは、会社のオーナー兼経営者が幸せな会社承継を実現し、自身がハッピーリタイアメントを迎えるにはどうしたら良いのでしょうか?
経営者に必要な資質 その1
会社経営の本質は黒字経営を継続し、未来永劫、会社経営を続けることです。そのために経営者は、長期的な会社経営を実現するために必要な資質を身につけなくてはなりません。果たして、経営者に必要な資質とは、、、。
経営者に必要な資質 その2
会社経営の本質は黒字経営を継続し、未来永劫、会社経営を続けることです。そのために経営者は、長期的な会社経営を実現するために必要な資質を身につけなくてはなりません。果たして、経営者に必要な資質とは、、、。
経営者に必要な能力が不足した場合の弊害 その1
経営者に必要な能力が不足した場合の弊害は会社の業績悪化だけではありません。社員のストレスの元凶となり、社員を不幸に導く先導者になっているケースもあります。経営能力の低い経営者の実例は、反面教師として有効に活用することができます。
経営者に必要な能力が不足した場合の弊害 その2
経営者に必要な能力が不足した場合の弊害は会社の業績悪化だけではありません。社員のストレスの元凶となり、社員を不幸に導く先導者になっているケースもあります。経営能力の低い経営者の実例は、反面教師として有効に活用することができます。
経営のプロを積極的に活用するメリット
経営のプロになりたければ経営のプロに教えを受けるのが最も効果的で賢い選択です。なぜプロの教えを受ける必要があるのか?その疑問と共に経営のプロ選びのコツや秘訣を紹介しています。
社員のモチベーションアップは会社の将来性で決まる
社員のモチベーションアップは会社の将来性で決まります。なぜなら、中小企業の場合、社員が会社の将来性に不安を感じると、積極的な姿勢が損なわれ、内にこもった消極的な姿勢の会社組織になってしまうからです。
家業から事業への成長に欠かせないもの
家業から事業へと成長しても経営の考え方が「家業のまま」という中小企業は少なくありません。経営者の考え方が「家業のまま」の場合、思わぬところで会社が存続の危機にさらされることがあります。
組織力の向上に役立つツール
組織力の向上は業績を押し上げます。一方、組織力の低下は業績を押し下げます。従って、いかに強い組織を築き上げるかが業績を伸ばすポイントとなります。組織力向上に欠かせないツール例を紹介しています。
なぜ経営理念が必要なのか?
会社の経営理念の中には、会社の使命、存在意義、経営姿勢、将来像、お客様像、提供価値等々、将来の会社の姿を表す全ての要素が入っています。従って、経営理念を持っていなければ会社の将来像が明確になることはありません。
数字に弱い社長が、数字に強くなる方法
数字に弱い社長が比較的短期間で数字に強くなる方法があります。その方法は「管理会計を導入」することです。四則演算の世界ですので、簿記や会計の知識ゼロであっても誰でも習得することができます。
クレームの対応で経営者が心掛けること
クレームや非常事態が発生した時は、いま起きている事に意識を集中させ最善を尽くすことが大切です。起きたことを悔いたり、パニックになったり、責任を追及したり、など等、事態の解決に役立たない言動は意味を成しません。
個人情報保護法の概要と概略
個人情報保護法は、お客様や従業員情報を保有する全ての会社にかかわる法律です。中小企業経営者が知っておきたい個人情報保護法の概要と概略を紹介しています。
マイナンバー制度の概要と概略
マイナンバーの取得・利用・提供は「番号法」によって限定的に定められています。中小企業経営者が知っておきたいマイナンバー制度の概要と概略、並びに導入のポイントを紹介しています。
経営者に必要なコミュニケーション能力を高める方法
経営者のコミュニケーション能力ひとつで人材の能力が引き出され組織力がみるみる高まることもあれば、人材の能力を潰してしまい、組織力がみるみる低下することもあります。中小企業にとって、組織力を如何に高めるかが重要な経営課題のひとつとなります。
中小企業に適した節税の秘訣とコツ
中小企業の節税の秘訣は会社の数字に正直になることに尽きます。税務署から信頼を勝ち取る姿勢で会計処理を行っていれば無駄に税金を取られることはありません。気を付けたい主な会計ポイントを紹介しています。
儲かる在庫管理の方法
在庫はお金です。在庫の活かし方次第で会社の儲かりが加速します。倒産する会社は総じて在庫管理がいい加減です。在庫管理がいい加減では商品の仕入れるタイミングと数量を最適化することは出来ません。最適な在庫管理の秘訣を紹介しています。
新規事業を成功に導く損益管理の手法
新規事業の立ち上げ、若しくは、新商品を投入した場合は、独立採算で損益管理を行うことが大切です。なぜなら新規事業の損益管理を疎かにすると事業の成功確率が著しく低下するからです。お薦めの損益管理の方法を紹介しています。
「売上」と「利益」、2倍にするのはどちらが簡単か?
「売上」と「利益」、2倍にするのはどちらが簡単でしょう?答えは利益です。なぜなら、売上を2倍にする労力に比べて利益を2倍にする労力の方が圧倒的に軽く済むからです。利益を2倍にする具体的な方法を紹介しています。
キャッシュフローを重視すると数字はこう変わる
資金が限られている中小企業の場合、効率よく投資効果を生み出すキャッシュフロー重視の経営を心掛けるべきです。キャッシュフローを重視した経営指導先企業の改善前後の数字を紹介しています。
大企業と大口取引するうえで注意すべきこと
中小企業が大企業との付き合い方を誤るといとも簡単に倒産の危機に瀕することがあります。従って、大企業との取引を検討する際は、相当、慎重になる必要があります。大企業との取引を検討する際に特に注意すべき点を紹介しています。
管理会計の基本|管理会計は中小企業の経営力を上げる
中小企業の経営力を上げるには管理会計の基本を理解することが大切です。管理会計は5つのステップで成り立っております。それぞれのステップを理解することで管理会計の基本をおさえることができます。
新規事業アイデアの作り方と事例
新規事業は会社成長の源泉となります。新規事業の展開なくして会社の成長はあり得ません。しかしながら、新規事業アイデアの作り方を誤ると簡単に会社が倒産の危機に陥ってしまうことがあります。有効な新規事業アイデアの作り方とは?
接待営業は売上増加に有効か?
接待営業は売上増加に有効か否か?結論から言うと有効ではありません。接待営業の当事者同士の関係は密になるかも知れませんが、そこに信頼関係が生まれることは稀です。お金の切れ目が縁の切れ目というように、さほどの信頼関係は育まれません。
経営判断を誤らない方法
経営判断を誤らないためには、経営活動に根拠を与えることが大切です。経営活動に根拠を与えるには会社の数字を把握する必要があります。なぜなら、経営活動の結果は、全て会社の数字に表れるからです。
近江商人から学ぶ会計と戦略眼
近江商人が提唱した三方よしの商売理念を支える要素は「正しい会計」と「無欲の戦略眼」です。これは経営者が身につけるべきスキルでもあります。経営者に不可欠の会計と戦略眼を分かり易く解説しています。

 
トップページ 全記事一覧 無料PDF冊子 無料経営講座 お問い合せ