投資で経営に失敗しない法則|投資の失敗パターンをかわす基準と思考

投資で経営に失敗しない法則|投資の失敗パターンをかわす投資基準とは

 

投資なくして会社の成長はないので、会社経営に投資は欠かせない。

 

しかし、投資の基準や思考を誤ると失敗リスクが高まり、投資がきっかけで会社が衰退することもあり得る。

 

この記事では、投資で経営に失敗しない法則、並びに、投資の失敗パターンをかわす基準と思考について、詳しく解説する。

 

 

健全な投資活動とは?

 

会社経営に関わる投資分野は多岐にわたる。

 

お金のかかる投資、お金のかからない投資、或いは、市場開拓、商品開発、人材採用、人材育成、設備投資、設備保全、システム開発、システム保全、広告投資、など等、挙げたらキリがない。

 

会社の成長を加速するには、会社が保有している経営資源を最大化するため、或いは、経営環境を最適化するために、様々な分野の投資うまく采配しなければならない。

 

そして、投資の対価(ご褒美)として会社の成長(リターン=利益)が得られるサイクルの定着が、健全な投資活動の基本になる。

 

例えば、投資が成功すると、会社が保有している経営資源が最大化、或いは、経営環境が最適化し、会社が稼ぎ出す利益が一段と大きくなる。

 

一方、投資が失敗すると、経営資源が棄損し、或いは、経営環境が悪化し、会社の利益が減少する。

 

わたし自身、広告投資の失敗で2,000万円消えた、開発投資の失敗で3,000万円消えた、新規事業投資の失敗で1億円消えた、など等、投資の失敗に伴い大切な経営資源(お金)が無くなり、衰退が加速した中小企業の実例を数多とみてきた。

 

規模やジャンルを問わず、どんな会社であっても投資活動は不可欠ではあるが、「失敗すると危険な結果が待っている」という法則を、経営者は肝に銘じなければならない。

 

 

投資の失敗には理由がある

 

日本のプロ野球界で選手・監督として活躍した野村克也氏は「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という肥前平戸藩主・松浦静山の名言を引用して失敗の理を語った。

 

会社経営においても、「成功は偶然の賜物、失敗は必然の結果」と云われるように、失敗には必ず法則がある。

 

投資に失敗しないためには、経営者が正しい投資基準と投資の失敗パターンをかわす思考を持つことが大切になる。

 

例えば、本業以外への投資、流行に乗った投資、一時的な急成長に乗った投資、名誉欲や優越感を満たすための投資、儲け度返しの投資、株式投資、不動産投資、経営者の自己独善的投資、など等は、失敗確率の高い投資になる。

 

経営者が最低限抑えるべき、投資の失敗パターンをかわす基準と思考について、順を追って更に詳しく解説する。

 

 

投資の失敗パターン「現場を見ない」

 

現場を見ずして、投資は成功しない

 

例えば、現場をよく見ていない経営者が、知人などから聞いたアドバイスやヒントをもとに推進する投資は、大概失敗する。

 

現場の社員、現場の仕事、市場の状況、商品の動向、競合の動向、など等、現場を取り巻く諸々の状況分析なくして、投資の妥当性や成功確率は見えてこない。

 

たとえ、投資の妥当性や成功確率を詳細に分析したとしても投資が成功する可能性は100%にはならないが、やはり、現場の実情を抑えた上で投資の正否を判断しないと後で痛い目にあう。投資の成功ハードルは、それほどに高いのだ。

 

 

投資の失敗パターン「損益を見ない」

 

損益を見ずして、投資は成功しない

 

損益とは、事業収支のことだが、会社全体の収支、或いは、投資の単独収支を把握しなければ、投資の失敗確率が極めて高くなる。

 

投資に失敗する根本は、損益を見ていないことが最たる原因で、何らかの投資後に、赤字経営に転落する、或いは、資金繰りが困窮する等の事態は、普段から損益を見ていれば起こり得ないことだ。

 

なお、投資の正否を判定する損益基準は、売上総利益高営業利益率を用いるのが良い。【売上総利益高営業利益率=(営業利益÷売上総利益)×100】

 

例えば、投資後の売上総利益高営業利益率が10~20%の範囲内であれば、成功の範囲内といえる。正しい損益基準を持って投資の正否を判定している限りは、大きな失敗をせずに済む。

 

 

投資の失敗パターン「C/Fを見ない」

 

キャッシュフロー(C/F)を見ずして、投資は成功しない

 

キャッシュフローとは現金収支のことで、潤沢な資金がない中小企業は、常に、キャッシュフローを重視した投資を心掛けなければならない。

 

キャッシュフロー重視の投資を簡単に言えば、常に現金収支のプラスを意識するということだ。

 

従って、2年以内に資金回収できない投資、用途不明の土地建物や設備への投資、自社ビルの購入など等、プラスのキャッシュフローを生み出さない投資はすべきではない。

 

会社は現金が無くなると倒産する。現金のプラス収支を意識するキャッシュフロー重視の姿勢は、会社経営のみならず、投資の鉄則といっても過言ではない。