経営者の実行力を高める方法
経営者の実行力とは、課題や不足を解消する力のことである。
経営者の実行力は、会社の成長に大きな影響を及ぼす。
トップダウン構造にある中小企業の成長は、経営者の実行力で決まるといっても過言ではない。
なぜなら、経営者の実行力が高ければ、経営力、商品力、組織力、営業力、など等、会社の成長を支えるあらゆる領域の経営資源が最大化(有効化)されるからだ。
当然ながら、経営者の実行力が低ければ、会社の事業価値が陳腐化していき、競争から脱落するのみとなる。
事実、実行力のある経営者の会社がグングン成長して、実行力のない経営者の会社がみるみる衰退している、といった状況を目の当たりにしたことのある経営者は少なくないだろう。
なお、経営者の実行力を最大限発揮すべき最たる分野は「経営改善」である。
なぜなら、経営改善の手を緩めると、あっという間に事業価値が陳腐化してしまうからだ。
事業価値が陳腐化するという事は、顧客離れを引き起こし、競争から脱落するという事である。
どんなに優れた経営改善プラン(構想)があったとしても、実行の伴わない経営改善プランは絵に描いた餅である。
経営者が正しい現状認識のもとで改善目標を提示し、組織の力を一点に集中させる。
そして経営者が組織と共に経営改善を実行に移し、検証と修正のサイクルを回し、経営改善を加速させる。
中小企業においては、経営改善の推進力を高めるのも、経営改善の成果を高めるのも、間違いなく経営者の実行力である。
経営者の実行力を高めなければ、会社が成長することはないのだ。
実行力を高める思考法
経営者の実行力を高めるには、根本となる思考法を身につける必要がある。
例えば、
「お金さえあれば、わたしも〇〇を買います。」
「時間さえあれば、わたしも〇〇に行きます。」
など、条件が整ったら実行に移るといった受け身スタンスの思考があるが、これは、口先だけで実行が伴わない典型的な思考パターンである。
このような思考ではいつまで経っても実行は伴なわない。
恐らく、何も買えないし、どこにも行けない。
自分ひとりの人生であればそれで結構だが、会社を預かる経営者の思考としては少し問題がある。
なぜなら、やると決めたら最後までやりきる実行力がなければ会社は成長しないからだ。
経営者の実行力を高める思考は、次のようなものでなければならない。
「〇〇を買うために絶対にお金を貯める!!」
「〇〇に行くために絶対に時間を作る!!」
冒頭で述べたが、経営者の実行力とは、課題や不足を解消する力のことである。
実行力を高める思考を身につけて、実行するための条件を整える努力をいとわない姿勢が、経営者の実行力をどんどん高めるのだ。
実行力なくして、新たな道は切り開けない。
実行力なくして、新しい自分を開拓することはできない。
つまり、実行力を高めなければ、経営者が成長することも、会社が成長することもないのだ。
心の平穏は、普段と何も変わらない平々凡々な日々を過ごすことで得られるので、新たな境地に足を踏み入れることに躊躇する気持ちも理解できる。
実行することで日常が変わってしまうと、余計なストレスを抱えてしまうことになるかも知れない。
とはいっても、中小企業の経営者はそんな悠長なことを言える立場にはない。
「実行力のない経営者」と「実行力のある経営者」。
会社の成長を牽引するのがどちらの経営者かは、考えるまでもないだろう。
実行には正否がある
人間の行い(実行)に良し悪しがあるように、実行にも良し悪しがある。
例えば、経営者が誤った実行を続けていると、いづれ会社の経営が行き詰る。
経営者の誤った実行は、会社の成長に貢献するどころか、会社の衰退を加速するマイナス要因を生み出してしまうのだ。
経営者の誤った実行の代表格は「経営判断の誤り」と「経営課題の見誤り」である。
誤った経営判断から端を発した実行、或いは、見誤った経営課題を解消するための実行は、何れも事業価値を棄損する行動に繋がってしまう。
経営環境が悪化する、或いは、会社の強みが弱体化する、といった現象は「経営判断の誤り」と「経営課題の見誤り」から端を発した実行であることが多い。
また、業績の伸び悩みや経営改善の効果が実感できない、といった症状も、経営者の誤った実行に起因している可能性が高い。
会社の成長は正しい実行のうえに成り立つ。
経営者が正しい実行力を身につけるには、正しい判断基準と経営課題を正しく捉える眼を養うことが欠かせない。


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