よく分かるリース資産の解説

リース資産とは/見方と仕組み

リース資産とは/見方と仕組み

 

リース資産とは、リース契約に基づいて会社に導入する資産のことである。

 

リース契約とは、お金を支払ってモノを借りる取引のことで、広義的には、賃貸借取引のことである。

 

リース資産は、第三者から一時的に借り受ける資産なので、購入資産とは一線画した資産になる。

 

中小企業においてもリース資産は珍しいものではなく、パソコンや複合機などのOA機器をリース契約で導入するケースは一般的である。

 

リース資産は、リース会社等とリース契約を締結することで導入できるが、リース契約の当事者は3者に集約される。

 

リース資産を導入する会社、リース資産を提供するリース会社、そして、リース資産をリース会社に提供する会社である。

 

リース資産の契約に関わる当事者の取引概要と役割は下表の通りである。

 

リース導入企業

リース会社とリース契約を締結し、リース資産を導入する。リース資産のリース料金はリース会社に支払う。

リース会社

リース資産保有会社と売買契約を締結後、売買代金を支払い、リース資産を購入する。リース資産をリース導入企業に貸し出す。また、リース資産の保険料や固定資産税を負担する。

資産保有会社

リース会社にリース資産を売却(提供)する。

 

なお、リース資産の契約形態は、ファイナンスリースとオペレーティングリースの2つのリース契約に分類される。

 

それぞれのリース契約形態の詳細解説は下記の通りである。

 

 

ファイナンス・リース

 

ファイナンス・リースとは、顧客が選定した物件を、リース会社が顧客に代わって購入したうえで、リース物件(リース資産)を顧客に貸し出し、リース会社が投下した資金全額をリース料金として回収する取引のことである。

 

リース物件(リース資産)の所有権はリース会社に帰属し、リース会社が保険料や固定資産税等の諸費用を負担する。

 

リース物件(リース資産)の取得価額と付随費用がリース料金に反映されるので、物件価格よりもリース料総額の方が大きくなる。

 

例えば、リース物件の取得価額が100万円であれば、100万円に付随費用を加算した金額がリース料金の総額になる。

 

なお、ファイナンス・リースは、原則としてリース期間中の途中解約ができない。リース期間とリース料金は、対象物件の性質や耐用年数等が考慮され、顧客とリース会社の協議のうえで決定される。

法定耐用年数

3-4

5

6-7

8

9-11

12-13

14

最短リース期間

2

3

4

5

6

7

8

 

日本国内におけるリース契約とは、一般的にファイナンスリースのことをいう。

 

 

オペレーティング・リース

 

オペレーティング・リースとは、リース会社がリース契約終了時のリース物件(リース資産)の残存価額を査定し、査定した残存価額を差し引いてリース料を計算する取引である。

 

一般的には、法定耐用年数前にリース契約が終了し、契約終了時点でリース会社がリース物件(リース資産)を引き取る流れになる。

 

リース物件(リース資産)の取得価額と付随費用から残存価額が差し引かれてリース料が計算されるので、物件価格よりもリース料総額の方が小さくなる。

 

例えば、リース物件(リース資産)の取得価額が100万円であれば、100万円から残存価格を減算した金額がリース料金の総額になる。

 

法定耐用年数の期間満了まで使用する見込みのないリース資産の場合は、ファイナンスリースよりも割安なリース料金でリース物件(リース資産)を導入することができる。

 

リース期間が短期間で尚且つリース料金が高額な重機、或いは予算的にリース料金を抑えたいときはオペレーティング・リースの方が適している。

 

 

リース資産の導入メリット

 

リース資産を導入するメリットはさまざまあるが、主だったものを挙げると下記の通りである。

 

少ない資金で設備投資ができる

月々のリース料で、希望の資産を導入することができる。導入時に多額の資金を必要としないので、効率的な資金運用ができる。

 

最新設備が導入できる

技術革新の早い設備などは、短いリース期間を設定することで、最新設備への入れ替えがスムーズに行えるようになるので、設備や機器の陳腐化を防ぐことができる。

 

事務負担が軽減できる

減価償却、税金負担、保険手続きなどの資産所有に伴う面倒な手続きはすべてリース会社が行うため、事務作業が大幅に合理化される。

 

リース料を全額経費処理できる

リース資産のリース料を全額経費処理できる。また、リース料は月々一定なので、予算や事業計画の策定が容易になる。

 

なお、リース料金をリース費用として全額経費計上する会計処理を賃貸借処理という。オペレーティング・リースの会計処理は賃貸借処理になる。

 

一方、リース資産とリース債務の総額を資産計上し、減価償却と支払利息で費用計上する会計処理を売買処理という。ファイナンス・リースの会計処理は原則、売買処理になる。

 

但し、中小企業は、中小企業会計指針の特例で、ファイナンス・リースとオペレーティング・リース、何れの会計処理も賃貸借処理が認められている。

 

中小企業会計指針(H20年5月1日公表)

 

リ-ス会計基準では、少額&短期リ-スに限って従来通りの賃借料処理が認められている。中小企業の場合は、会計処理負担を考慮し、以下の通り「少額&短期」の条件をつけずに賃借料処理を認められることになった

 

ファイナンス・リ-ス取引に係る借手は、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行う。但し、中小企業は通常の賃貸借処理に係る方法に準じて会計処理を行うことができる。この場合は、未経過リ-ス料を注記する

 

 

リース料金の算定方法と再リースの手続き

 

一般的な月々のリース料金の算定方法と再リースの手続き方法は下記の通りである。

 

月々のリース料金の算定方法

リース物件(リース資産)の取得価格に金利、固定資産税、保険料、諸税、手数料を加えたリース料総額をリース契約月数で割ったものが月額のリース料になる。

 

再リースの手続き方法

リース会社から顧客に向けてリース期間満了の案内が送付される。リース物件(リース資産)の再リースを選択し返送すると、再リースの手続きが完了し、その後の契約は自動更新(1年間延長)される。

 

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