リース契約のデメリット|リース資産は危険な簿外負債

リース契約のデメリット|リース資産は危険な簿外負債

 

リース契約(リース資産)の活用は、経営のスタンダードといってよいほど定着している。

 

リース契約のメリットは、資金効率や投資効率が高まる点にあるが、デメリットもあり、中でも簿外負債の増加は危険なリスクになる。

 

この記事では、リース契約とリース資産のデメリットについて、詳しく解説する。

 

 

リース契約のデメリット

 

リース契約(リース資産)の活用は資金効率や投資効率を高めるメリットがある一方で、簿外負債を増やすデメリットがある。

 

リース契約で増加する「簿外負債」とは、将来にわたって支払うべき借金のようなもので、言葉の通り、貸借対照表に掲載されない帳簿外の負債のことをいう。

 

リース契約で資産を購入すると、大概は少額の分割払いになるため、元値の大きさを見失いがちになる。

 

分割払い分はリース料金として損益計算書に掲載されるが、リース残額の総額は財務諸表のどこにも記載されないので、なおさらだ。

 

現金残高にゆとりがない状態で、リース契約を乱発すると、リース残高と共に、知らぬ間に簿外負債も膨れ上がる。

 

このデメリットを見過ごすと、毎月のリース料金の支払いに困窮し、場合によっては、資金繰りが行き詰まることもある。

 

 

簿外負債は危険なデメリット

 

リース契約と共に簿外負債が増えると、経営判断を誤るリスクも高まる。

 

負債のコントロールミス借入限度額の超過キャッシュフローの見誤りなどは、リース契約と共に簿外債務が増えた時に生じ易い判断ミスの典型だ。

 

例えば、リース契約と共に増える簿外負債を見落とすと、いつしか借入限度額を超過し、借金過多で返済苦に陥るリスクが高まる。返済に窮するようになると、キャッシュフローが悪化し、経営が益々行き詰まる。

 

資金にゆとりがない時ほどリース契約を活用しがちになるが、簿外負債というデメリットを忘れると、経営リスクが高まるので注意が必要だ。

 

また、こうしたデメリットを回避するために、リース契約の残額である簿外負債を計算に入れた負債比率や借入限度額を常に把握し、正確な返済能力やキャッシュフローを把握することも欠かせない。

 

 

リース契約のその他のデメリット

 

リース契約のデメリットはこの他にもあり、リース契約を途中解約できない、一括購入に比べて支払総額が大きくなる、リース契約物件(資産)のアレンジやカスタマイズできない等々はデメリットの典型になる。

 

途中解約不可

リース契約には途中解約できないデメリットがある。従って、万が一、リース契約した資産が陳腐化、或いは、稼働率が低下すると、資金・資産効率低下というデメリットを生み出す。

 

支払総額が多い

リース契約は一括購入よりも支払総額が多くなるデメリットがある。従って、一括購入できる資金力があればリース契約を見送った方が良い。但し、一括購入した場合は、固定資産税等の付随費用の負担が生じるので、総額比較し、最終的にメリット・デメリットを判定する必要がある。

 

アレンジ等不能

リース契約で導入する機械設備や車両はもちろん、複写機等のOA機器に至るまで、リース資産は自由にアレンジやカスタマイズができないデメリットがある。従って、リース契約前に、リース資産の使用方法を検討することが大切になる。