ビジネスコンサルティング・ジャパン(株)代表取締役社長 伊藤敏克。業界最大手の一部上場企業に約10年間在籍後、中小企業の経営に参画。会社経営の傍ら、法律会計学校にて民法・会計・税法の専門知識を学び、2008年4月にビジネスコンサルティング・ジャパン(株)を設立。一貫して中小・中堅企業の経営サポートに特化し、どんな経営環境であっても、より元気に、より逞しく、自立的に成長できる経営基盤の構築に全身全霊で取り組んでいる。経営者等への指導人数は延べ1万人以上。あらゆる業種の事業最適化・事業再構築の実績も多く、営業利益20倍、現金残高60倍、キャッシュフロー1億円改善等の結果を出している。各業界団体の講演実績多数。経営コラムのメルマガ会員5,000名以上。主な著書「小さな会社の安定経営の教科書」
わたしが会社経営に興味を持った大きなきっかけは3つあります。「生い立ち・親の影響・中小企業との出会い」です。
わたしは片田舎で小さな事業を営む家の次男坊として生まれました。
ですから、幼少の頃からさっさと実家を出て独りで生計を立てなければならない、という前提で将来を考えていました。
しかも、親が一代で事業を築いた事業家でもあったので、会社経営という仕事が割と身近にありました。
小さい頃から独立心が旺盛でしたが、最初の仕事は、大企業への就職から始まりました。
大きな会社への憧れもあり、じつは小学生の頃から就職したいと思っていた会社です。
当時の業界ナンバーワンメーカーでしたが、今振り返ってみると、この大企業での経験が非常に役立ちました。
ビジネスや社会の仕組み、仕事のスキル、コミュニケーションスキルなど、ビジネスパーソンとしての必須スキルの殆どは、この時代に習得しました。
むちゃくちゃ厳しい職場でしたが、仕事が楽しく、とにかく働きました。
休日返上の仕事やべらぼうな残業時間も全くストレスなくこなしました。同僚や先輩方ともよく飲み、よく遊び、よく体力が持ったと思います。
自分の人生は、このまま進むのかなと思うようになった頃、とんでもない事件が起きました。
この会社が大きな不祥事を起こしたのです。しかも、1回だけならまだしも、2年後に立て続けに不祥事を起こしました。
小さい頃から憧れて入社した会社から二度も裏切られることは、とても辛いものがありました。
それから、自分の人生を考え直し、思い切って中小企業に転職する決断を下しました。
小さい会社なら、経営者に近い立場で仕事ができるうえに、自分の能力を一段と引き上げることができると思ったからです。
その中小企業は、当時最先端のベンチャービジネスから生まれたベンチャー企業で、素晴らしい経営陣とスタッフが揃っていました。
この中小企業との出会いが、会社経営に興味を持った一番のきっかけになりました。
中小企業の経営に参画した当初は、社長補佐という仕事からスタートしました。
社長は月に数回、会社の状況を聞きに来る程度で、実質、社長業を任されているようなものでした。
メーカーでしたので生産計画から販売計画、或いは、営業戦略や経営計画立案に至るまで、さらには、オフィスやトイレの掃除までも、すべての仕事を自分の責任でやりました。
前職が技術畑でしたので、すべてが新しい経験で苦労の連続でしたが、自分でビジネスモデルを考えて、事業を推進することの楽しさの方が勝り、会社経営の魅力にどんどん引き込まれていきました。
自分の中で「経営者になりたい」と決心したのは、中小企業の経営に参画して1年後のことです。
当時、自分が立てたプランは「大学院に行って経営者としてのスキルを身につける」というものでした。
とある大学院を受験し、合格通知を貰った足で、そのまま当時活躍されていた経営コンサルタントの元に相談に行きました。
その方は私の35歳年上で、経営者としてもコンサルタントとしても大成功している方でしたが、真っ先に、次のような言葉を浴びせられました。
「君は経営者になりたいのか?」
「それとも学者になりたいのか?」
この答えが自分の未来を決定づけることになるのですが、わたしは間髪入れず「経営者になりたいです」と答えました。
その答えに対して、「それであれば大学院に行っても意味はない。経営実務に役立つ法律や会計のスキルを磨きなさい。その方がよほど経営者の仕事に役立つ」とアドバイスを頂きました。
即座に自分の立てたプランを捨てて、仕事をしながら法律会計学校に通う決心をして、丸5年かけて、会計学、民法全般、税法全般(簿記論・財務諸表論・所得税法・法人税法)を学びました。
学んだ知識は机上の空論で終わらないように、常に会社経営に活かし、学術理論を実践に通用する知恵にアレンジする作業も忘れませんでした。
そして、一通りの勉強を終えてすぐの2008年4月に、ビジネスコンサルティング・ジャパン(株)を設立し、代表取締役社長に就任しました。
会社創業当初は、企業再建の仕事が中心でした。
企業再建とは調子の悪い会社を半年~1年ほどかけて良好な経営状態に再建する仕事で、とにかく、覚悟と根気のいるタフな仕事でした。
しかも、マイナスの経営状態を短期間でプラスに転換する仕事なので、この経験が経営コンサルタントとしての能力をどんどん磨いてくれました。
また、倒産する会社の特徴が何であるのか、会社を潰す社長の特徴がどこにあるのか、会社を潰す社長の問題行動がどこにあるのか、など等、数多くの会社の失敗事例を学びました。
成功の経営理論は、自分の経営観と共に確固たるものになっていきました。
「経営者にとって、会社経営は人生そのもの」というのが、わたしの経営観です。
どういうことかというと、経営が成功すれば人生も成功するが、逆もまた然りで、経営が行き詰れば、人生も行き詰る、
つまり、会社経営の結果が、そのまま人生の幸不幸に直結するということです。
会社が潰れるのは、じつにあっけない。
自分が働いていた大企業も度重なる不祥事でグループ解体という危機的状況に陥った。
中小企業も同じで、儲かっている時期がありながら、ほんの些細なきっかけで経営危機に陥っていた。
大企業であっても、あっけなく経営危機に陥る様は、今でも鮮明に心の中に残っていますし、企業再建の現場では、経営者の悲惨で惨めな末路や経営者に対する周囲の冷たい目線など、陰惨な光景を目の当たりにしました。
このような原体験があって自然と私の中に「経営者にとって会社経営は人生そのものである」という経営観が根付いていきました。
それからというもの、
「会社経営で失敗しないためには何をすべきなのか?」
「会社経営を成功に導くためには何をすべきなのか?」
という疑問を自分自身に投げかけ、会社経営という仕事の在り方と成功の方法論を、真剣に考えてきました。
その結果、分ったことがあります。
それは、中小企業の失敗と成功の法則、つまり、失敗の必然性から見えてくる、成功の必然性を高める鍵が間違いなくある、ということです。
40歳を境に、経営コンサルの方針を大きく変えました。
経営危機の会社を再建するのは手間も時間もかかる。しかも、会社の経営状況が悪くなってからできることはかなり限られてしまう。
これからは、まだ健全経営にある中小企業に対して、会社経営に失敗しない成功メソッドを広く提供しよう、と。
真っ先に始めたことは、自分が培ってきた独自の経営ノウハウを外に発信することです。
当時(2016年)は、会社経営の実践的ノウハウが学べる総合サイト(ポータルサイト)がありませんでした。
有益な情報を一つのサイトから発信すれば必ず現役社長のお役に立てると思い、約一年間かけて、経営ノウハウ情報サイト「経営者を支える経営ノウハウ情報局」を作りました。
最初は一日数人しか訪れないサイトでしたが、有難いことに、僅か数年で毎月10万人以上の方が訪れる日本最大級のサイトに成長しました。
サイト作りを始めて間もない頃は、どんなに忙しくても毎日新しい経営ノウハウを発信し続けましたが、読者の反応はゼロでした。
反応があったのは、サイト開設から一年後のことです。
地方の中小企業の社長さんから、次のような嬉しいメールが届きました。
「急遽、社長に就任することになり、不安と恐怖を抱きながら必死で会社経営の情報を集めていたところ、このサイトにたどり着きました。毎日、有意義に勉強させて頂いております。ありがとうございます。」
このメールを頂いたときは、本当に嬉しかったですね。狙い通りの効果を実感することができましたので。
また、とある業界の経営研究会の会長さんから、伊藤さんの経営理論を我々にお話ししてほしいという依頼も入りました。
わたしが主催している経営セミナーでお話ししている内容を、約100名の経営者の皆様を前に講演させて頂きましたが、とても喜んで頂きました。
会長さんから「これからの時代は伊藤さんのような、確かな経営理論を持って経営者マインドを伝えられる人間が必要になる」という言葉を頂戴したのですが、救われる思いがしましたね。
これまで数多くの企業再建を通じて、倒産の危機に瀕した会社の実態をみてきました。
倒産の始まりは赤字経営にあります。そして、赤字経営の原因は、例外なく会社の経営力不足にありました。
経営ノウハウを無料公開しているのは、赤字企業を一社でも減らしたいという強い想いがあるからです。
ひとりの人間ができることは限られており、世の中に貢献できる時間もせいぜい数十年しかありません。
わたしが発信している経営ノウハウが、経営力向上の一端を担うことができれば、本当に嬉しく思います。
もちろん、サイトのノウハウをきっかけに私の経営サポートに興味を持ってくださる中小企業が増えることも嬉しいことです。
マンツーマン&オーダーメイドのコンサルティングが最大の特徴です。
会社の状況や経営者の要望に応じて、最適&最高の経営サポートを提供します。
マンツーマンのコンサルティングにこだわるのは、経営者が強くなれば、確実に会社の業績が上がるからです。
そもそも、事業環境がまちまちな中小企業の経営は、チームコンサルやパターン化したノウハウを提供するだけでは、なかなかうまくいきません。
マンツーマン体制で、経営者と共に課題を解決し続けることで、確かな経営力が身に付くのです。
「ご縁のできたお客様を幸せにする」という一点に集中して経営をサポートするのが私の信念です。目先の利益を追いかけずに、依頼主の幸せのために誠心誠意尽くします。
経営の専門性を高めて繁栄を加速させたい経営者は、お気軽にご相談ください。
今の努力が未来を創ります。つまり、自分の未来は、今の行いや努力で決まります。
どんな境遇であっても、学歴や人脈がなくても、努力さえすれば誰にでも明るい未来を創れます。
大切なことは、明るい未来を明確にイメージし、そこに向かって小さな努力を積み重ねることです。
そして、明るい未来を明確にするために、どんなに小さくても良いので、叶えたい夢、なりたい自分、熱中できる何かと出会うことが重要です。
夢、自己実現、熱中できる何かに人生をかけて全力で取り組む姿勢は、自分の人生を切り開き、明るい未来の礎を作ります。
他人よりも劣っていれば、他人よりも努力をすれば良いだけのこと。成功したければ、真摯さと情熱を持って成功するまで目の前のことに取り組み続ければ良いだけのことです。
周囲を気にすることなく自分を向上させ続けている人間ほど恐ろしい競争相手はいないので、この姿勢で努力を続けると次第にライバルが少なくなり、だんだんと成功が近づきます。
明るい未来を創る力は、今、努力できる人間に宿る。
わたしは、しんどい時や諦めかけたときほど、この言葉を胸に、今すべきことに努力を注いでいます。
中小企業に対する経済界の評価はじつに厳しいですよね。
中小企業が日本経済の足を引っぱっていると指摘する経済学者や財界人もいます。
確かに、中小企業の約七割が赤字経営に陥っていると云われていますので、そうした指摘が正しい側面もあるかも知れませんが、わたしは正しいとは思いません。
なぜなら、中小企業は、経済の調整役として、あらゆるマイナス面を押し付けられているからです。
例えば、大企業の利益の犠牲になっている中小企業はじつに多いです。また、市場縮小や人手不足といった経済のゆがみを押し付けられている中小企業も非常に多いです。
さらに、資金調達に限りのある中小企業は成長投資のスピードが大企業に比べて規模が小さく、スピードもかなり遅いです。
こうした不利な経営環境もあってか、一時は業績が良くても、少しのきっかけで会社が倒産の危機に瀕する中小企業は後を絶ちません。
中小企業の経営者が無能だから会社が衰退すると思われている方も多くいますが、そんなことはありません。
会社が衰退するのは、経営者に必要なスキルとマインドが十分に身に付いていないだけで、業績が低迷している会社の経営者であっても、成功のメソッドさえ分かれば難なく会社を成長軌道に乗せてしまうケースは数多く存在します。
社長の椅子には、選ばれし者しか座れません。
勉強や経歴の出来不出来など関係なく、社長になるべくしてなるのが経営者という立場です。
しかも、社長業は、会社のなかでたった一人しか経験することができない特別な仕事です。
経営者は孤独なこともありますし、不安もたくさん抱えますが、儲かる会社経営さえ実現できれば、人並み以上の幸せを勝ち取ることができます。
それが、社長業の醍醐味であり、経営者の楽しみではないかと思います。
私の運営サイト「経営者を支える経営ノウハウ情報局」では、経営者の必須スキルとマインドを詳しく紹介しています。
会社経営の不安や悩みがあれば解決策が見つかりますので、気になったノウハウから読んでみてください。
(当インタビュー記事は2017年当時のものです)