税金を未納するとどうなるのか?|延滞税と財産差し押さえのリスクとは

税金を未納するとどうなるのか?

 

税金を未納するとどうなるのか?

 

税金を未納すると延滞税の支払い義務と財産差し押さえのリスクを抱えることになる。

 

この記事では、税金未納のリスクと末路、並びに、税金未納に伴う延滞税と財産差し押さえについて、詳しく解説する。

 

 

税金未納のリスクと末路

 

税金を未納すると延滞税の支払い義務と財産差し押さえのリスクが高まる。

 

当然ながら、税金未納を放置し続けると、事業継続を断念せざる得ない事態に陥ることもあり得る。

 

国に治める税金である国税の種類は21種類に及び、そのうち、会社経営に深く関わる税金には、法人税、消費税などがあり、代表者個人に関わる税金には、所得税、贈与税、相続税などがある。

 

会社にしろ、代表者個人にしろ、収入(所得)に応じて税金が課されるわけなので、すべての収入(所得)を税金支払い前に使い果たすと、税金の支払いに充当する現金がなくなり、税金未納に陥ってしまう。

 

ビジネスパーソンの源泉徴収制度を除いて、殆どの税金は後払い制になっているので、収入(所得)には税金の支払い義務がついて回ることを決して忘れてはならない。

 

万が一、経営者の頭から税金の支払いが欠落すると、税金未納に陥るリスクが高まるばかりになる。

 

事実、中小零細企業の経営者の中には、法人税や消費税の支払いに困窮している方も少なくない。

 

税金の未納を回避するには、日頃から、税金の支払いを考慮した会社経営を心がける必要があるのだ。

 

 

税金未納に伴う延滞税と財産差し押さえとは?

 

税金を未納すると、原則として法定納付期限の翌日から税金を完納する日までの日数に応じて計算される延滞税が課される。

 

税金未納に課される延滞税の年率金利は最大10%を軽く超えるので、決して負担が小さいとはいえない。

 

また、税金未納が始まった段階で、税金の支払いを促す督促状が所轄税務署から送付される。

 

この督促状を無視し続けると、財産調査が着手され、さらに税金未納が続くと、財産を差し押さえられ、取立て・公売を通じて、その売却代金を税金未納分に充当される。つまり、税金の強制徴収である。

 

なお、財産差し押さえの流れは概ね下記の通りである。

 

督促状送付

税金の納付期限を過ぎても支払いがない場合は、督促状が送付される。さらに、税金の未納が続くと財産調査の着手に移行する。

 

財産調査

金融機関や取引先などに対し財産の調査が行われる。また、財産調査の一環で税務署職員が自宅や会社の捜索を行うこともある。さらに、税金の未納が続くと財産を差し押さえられる。

 

財産差し押さえ

動産(貴金属等)、債権(売掛金、預金等)、不動産などの財産の差し押さえが行われる。なお、差し押さえは法律で定められた強制的な未納税金の徴収手続きである。

 

取立て・公売

差し押さえた債権の取り立てが行われ、動産や不動産等は入札等による公売が行われる。

 

未納税金に充当

取り立てた債権や公売による売却代金を税金未納分に充当される。

 

 

税金未納の救済処置である猶予制度とは?

 

税金の支払手続きには、税金を納付できない経営者のための猶予制度がある。

 

猶予制度の一つは「納税の猶予」、もう一つは「申請による換価の猶予」である。

 

納税の猶予の適用要件は以下の通りで、次のような理由により税金を一時に納付できないときは所轄税務署に申請することにより、原則として、1年以内の期限に限り、納税の猶予が認められる場合がある。

 

①災害、病気、休廃業、事業上の著しい損失、など

 

②本来の期限から1年以上経過した後に、修正申告等により納税すべき税額が確定したこと

 

申請による換価の猶予の適用要件は以下の通りである。

 

税金を一時に納付することにより事業継続または生活の維持を困難にする恐れがあり、他の税金の滞納がないなどの一定の要件に該当するときは、その税金の納付期限から6カ月以内に所轄税務署に申請することにより、原則として、1年以内の期間に限り、換価の猶予が認められる場合がある。

 

税金支払いの猶予が認められると、猶予期間中の延滞税の全部、又は一部が免除される。また、財産の差し押さえや換価(売却)が猶予される。

 

税金の支払いに困窮する恐れが判明した場合は、税金の未納に陥る前に、即座に税務署に相談することをおススメする。