多角化の失敗が成長を阻む

経営の多角化に失敗する会社の末路

経営の多角化に失敗する会社の末路

 

経営の多角化に乗り出した結果、多角事業が失敗に終わるケースは少なくありません。

 

多角化の失敗の末路は悲惨なものですが、本業が成功して資金に余裕が出てくると、多角化に乗り出す経営者が少なくありません。

 

事業の多角化は収益のリスク分散に繋がりますので決して悪い選択ではありませんが、資金が豊富な大企業と比べて、中小企業にはリスクのある経営判断です。

 

なぜなら、多角化とは、本業とは違う分野で事業を成功させる、ということだからです。

 

会社を新たに立ち上げて事業を成功に導くのと同様、多角化の事業成功率は極めて低いです。

 

従って、中小企業が会社の持続的安定成長を狙うのであれば、競合他社に圧倒的な差をつけるための本業への成長投資が、最も優れた経営判断ということになります。

 

例えば、

 

・設備投資を行い製造効率を飛躍的に向上させる

 

・商品の品質改善を行い、付加価値を飛躍的に向上させる

 

・ITのインフラ投資を行い購入者の利便性を飛躍的に向上させる

 

等々、本業で生み出した利益を本業に還元投資すれば、競合他社に圧倒的な差をつけることができ、会社の経営基盤は益々安定したものになります。

 

冷静に考えれば理解できそうなものですが、利益が拡大し資金がダブついてきたり、経営者同士の交友で新しい事業分野に興味を持ったり、隣の芝生が青く見えたり、等々、その動機は様々ですが、多角化に走る経営者は後を絶ちません。

 

 

経営多角化の失敗の代償は決して小さくない!!

 

「経営者自身が、他の事業分野に関しては経営の素人であること」を忘れて多角化に乗り出した結果、新規事業が失敗に終わるケースは少なくありません。

 

当然ながら、多角化に失敗すると、会社には負債だけが残ります。

 

銀行融資で多角化を進めていれば借金だけが残ります。

 

当然ながら、本業の利益も、多角化失敗の穴埋めに使われることになります。

 

こうなると、会社が倒産に傾くのは時間の問題です。

 

中小企業において、多角化に走る前にすべきことは沢山あります。

 

失敗の代償を払う前に、冷静に立ち止まって考えることも、時には必要です。

 

 

経営の多角化の前にすべきことがある!!

 

中小企業は経営の多角化を目指さず、オンリーワンの分野でナンバーワンになることが、最も望ましい姿です。

 

もし既に、本業が成功している会社であれば、その地位を築くことは簡単なことです。

 

「ひたむきに本業を成長させる経営努力を続けること」、ただそれだけです。

 

下図は、中小企業が市場創出を検討する際の事業戦略マトリックスです。

 

 

 

『既存×既存』の本業優先

 

既存の市場と顧客×既存の技術・ノウハウで形成される事業分野です。

 

この分野を「本業」といいます。

 

多くの会社で既存×既存の本業に対する深堀アクションが疎かにされています。

 

・既存の市場や顧客を拡大する方法

 

・既存の技術やノウハウを使った商品開発、品質改良、製造効率の改善等々

 

考えれば考えるほど至らない点が沢山出てくるはずです。

 

会社の持続的安定成長を実現したいと考えるのであれば、多角化に走る前に、「既存×既存」分野で疎かになっている点がないかを徹底的に見直すことが重要です。

 

そして、至らない点に対して積極的に成長投資を行い事業基盤を強め、ひたむきな経営努力を続けていけば、徐々に競合他社よりも優位な立場に立つことができます。

 

一度競合他社よりも優位な立場に立ってしまえば、そこから落ちることはそうそうありません。

 

 

『新規×新規』の危険な多角化

 

新規の市場と顧客×新規の技術・ノウハウで形成される事業分野です。

 

この分野を「素人の多角化事業」といいます。

 

一般的に、多角化に伴う新規事業資金は本業で稼いだ「利益」となりますが、”お金はあるが知恵がない”というのが、「新規×新規=素人の多角化事業分野」です。

 

この分野で事業を成功に導くのは至難の業です。また多角化で失敗するケースの殆どはこの分野に該当しております。

 

「新規×新規」は、中小企業が最も手をつけてはならない危険な分野です。

 

 

経営者自身が「新規×新規の多角化分野」にどうしても乗り出したいというのであれば、経営者個人の資金で事業を始めるのが望ましいです。

 

なぜなら、会社として多角化に乗り出して失敗して、万が一、会社が倒産するようなことになったら、経営者のみならず、社員や家族、関係者全員を不幸にしてしまうからです。

 

多角化ではなく、本業への成長投資が長期的な安定経営の秘訣です。

 

 

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