経営の軸足は、じつに大切である。
社長の軸足がブレると、会社経営もブレるからだ。
この記事では、会社の繁栄を支える経営者が大切にすべき経営の軸足について、詳しく解説する。
樹木希林さんの主演映画「日々是好日」を観覧した際に、印象深いセリフに出会った。
「すぐに分からないことにこそ大切なものがある」
このセリフを聞いた瞬間に、会社経営の本質を突いた、じつに良い言葉だなぁとしみじみ思った。
なぜなら、すぐに分からないことに軸足を置いた会社経営は成功するからだ。
すぐに分からないことを挙げると「心、愛情、ご恩、ご縁、評価、成功のタイミング」などがある。
例えば、
患者の心を真剣に観ようとする医者と、患者の心を見ないで診療モニターばかりを見ている医者、患者の信頼を集めるのは、どちらの医者だろうか?
他者からの愛情に感謝して生きる子供と、他者からの愛情に無関心な子供、慈愛に満ち溢れ、地に足がついた大人に成長するのは、どちらの子供だろうか?
一期一会のごとく、謙虚にご恩やご縁を大切にして生きる社長と、ご恩やご縁をそっけなく扱う横柄な社長、困った時に助けの手が多いのは、どちらの社長だろうか?
すぐに分からないことや見えない世界に軸足を置いた会社経営は成功する。
例えば、
心は見えない。すぐに分かるものでもない。しかし、心が通じ合った瞬間に信頼が育まれる。そして、その信頼は繁栄の基礎になる。
愛情は見えない。理解するまでに何十年もかかる。しかし、愛情に感謝し、真意を理解した瞬間に、人生の指針やビジネスのビジョンがより強固になる。
ご恩やご縁は見えない。その瞬間に答えが出ないことが殆どだ。しかし、ご恩やご縁を大切にするほど、困った時に助けの手が多くなる。
このように、すぐに分からないことほど成長の肥やしになり、会社や社長の成長スピードが加速する。
社長の軸足が定まると、成功マインドが定着しやすくなる。
例えば、評価や成功のタイミングなどの、すぐに分からないことに振り回されないマインドを持つことは成功の絶対条件になる。
人からの評価はすぐには分からない。画家フィンセント・ファン・ゴッホのように亡くなってから評価される人もいる。人の評価を気にしても意味はなく、自分が信じた道を突き進むことの方がよほど大切だ。
成功のタイミングもすぐには分からない。そもそも、成功の定義などどこにも無く、会社経営は社長が成功したと思った瞬間に衰退する。
他人に勝った負けたで成功を決めるのではなく、成功するまで諦めない、或いは、成功の判定は次の世代に委ねる。これくらい長い視点で成功を見つめることが大きな成果を生み出す秘訣になる。
見えない世界やすぐには分からない世界に軸足を置いてみてほしい。
きっと、目に見える大きな成果が得られるはずだ。