経営力と商品力が会社を拡大する|経営力と商品力を高める実践的ノウハウ

経営力と商品力が会社を拡大する|経営力と商品力を高める実践的ノウハウ

 

会社経営の本質は、未来永劫、営みを継ける(続ける)こと、つまり、企業の永続性の確立にある。

 

企業の永続性を確立するために経営者がすべきことは二つあり、ひとつは黒字経営の持続、もう一つは利益の拡大である。

 

黒字経営で生み出された利益は成長投資のサイクルを作り、成長投資は会社の付加価値を高め競合他社よりも優位な立場を作り、利益を更に拡大する。

 

黒字経営と利益拡大が企業成長の大原則になる訳だが、その大原則を支える要素が経営力と商品力になる。

 

この記事では、企業成長を支える経営力と商品力の基本から経営力と商品力を高める実践的ノウハウに至るまで、詳しく解説する。

 

 

企業成長を支える経営力と商品力

 

企業成長を支える不可欠な要素は二つあり、それは、経営力と商品力である。

 

経営力とは何か?

 

商品力とは何か?

 

考えたことがあるだろうか?

 

経営力と商品力は、中小企業の成長発展を支える重要な要素で、経営力は成長発展の基盤を支える土台になり、商品力は成長発展を加速させる原動力になる。

 

当然ながら、経営力と商品力のどちらか一方が低下すると、会社は成長から衰退に一転し、業績は下降線を辿り始める。

 

従って、経営力と商品力の両輪を高める活動こそが、中小企業が未来永劫にわたって成長発展を遂げる確かな方法になる。

 

ちなみに、中小企業で最も多いパターンは、商品力はあるが経営力がない、という状態で、良い商品を持っているにも関わらず、業績が伸び悩んでいる中小企業などは、その典型である。

 

 

経営力とは何か?

 

経営力とは、成長発展の基盤を支える土台の強度のことだ。

 

成長が加速する中で安定した経営を実現するには、それなりの土台が必要だ。

 

土台がぜい弱だと、成長の足を引っ張ったり、成長に合わせた経営采配ができなくなるので、経営力は企業成長の絶対条件になる。

 

会社の経営力は、経営者の課題解決力で決まる。

 

課題とは会社の成長を阻む経営課題のことで、正しい現状認識と目標設定が大前提になるが、経営者の課題解決力が高いほど、成長発展を支える土台が強固になる。

 

つまり、急成長にも耐えうる経営力、或いは、急成長を後押しする経営力は、経営者の課題解決力で決まるのだ。

 

会社の経営力を高めるために、経営課題を解決する場面は数多にある。

 

例えば、

 

☑顧客や現場の声を聞いているか?

 

☑経営課題を見落としていないか?

 

☑経営采配を支える計数管理は盤石か?

 

☑組織力を上げる生産性管理は盤石か?

 

☑時代の先を読む成長投資の戦略は盤石か?

 

など等、会社の成長を阻害する経営課題は会社内部の至るところにある。

 

経営者の課題解決力が脆弱だと会社の経営力は上がらず、業績の伸びも鈍化する。中小企業の業績が経営者の能力で決まると云われる所以はココにある。

 

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商品力とは何か?

 

商品力とは、成長発展を加速させる原動力のことで、端的にいうと「商品の付加価値」のことだ。

 

商品力(付加価値)は、会社の成長を大きく左右する。例えば、どんなに優れた商品でも、全ての商品は常に顧客からの選択の脅威にさらされているので、ひとたび商品の付加価値が低下すると、たちまち、選択の機会から外される。

 

つまり、商品力の向上、或いは、商品力のキープなくして、商品が購入され続けることはあり得ないのだ。

 

商品力を高めるためにすべきことはたった一つ、それは「徹底した深堀り」である。

 

深掘りとは、付加価値の追求・発掘・再定義、用途開拓、販路・顧客・市場の新規開拓など等、その商品のあらゆる付加価値(ポテンシャル)を最大限に引き出す取組みのことだが、多くの中小企業で徹底されていない。

 

顧客の幸せを叶える付加価値を徹底して商品に反映させたか否かの自問を続け、全てをやり尽くすまで商品の深掘りは続く。

 

商品に市場サイクル(寿命)があるのも確かだが、画期的な新商品を生み出すアイデアは、深掘りをやり尽くした経験から生み出されるものだ。

 

付加価値なくして商品力が高まることはなく、商品力なくして会社の成長はあり得ないといっても過言ではない。

 

 

経営力×商品力が高まると会社が成長する

 

会社の経営力と商品力が高まると、会社は自然と成長する。逆に、経営力と商品力の一方が低下すると、途端に会社の業績は悪化する。

 

中小企業の場合、商品力が優れているにも関わらず、経営力が低いために業績が伸び悩んでいる会社が少なくない。

 

例えば、下のグラフはわたしが経営指導に入った会社の指導開始1年前の主な経営指標のギャップを示したグラフになる。

 

 

ご覧の通り、すべての指標が目標(適正ライン)に達していないことが分かると思う。

 

この会社は、競合他社よりも付加価値の高い商品を持っていた。その証拠に、過去数年にわたって売上はプラス成長を維持していた。しかし、なかなか利益が上がらず、思うような成長投資や余裕のある資金繰りができていなかった。

 

下のグラフは、経営指導を開始してから1年後の主な経営指標のギャップを示したグラフになる。

 

 

ご覧の通り、わずか一年で利益水準が高まり、成長投資の原資と資金繰りに余裕ができたことが分かると思う。

 

付加価値の高い商品を持っているにも関わらず業績が伸び悩んでいる会社は、会社の経営力さえ高めれば飛躍的に業績を改善することができる。

 

会社の経営力と商品力の研鑽は経営者の重要な仕事になる。この仕事だけは、決して手を抜いてはならない。

 

伊藤のワンポイント
 

企業の成長は経営力と商品力で決まります。ですから、どちらか一方が低下すると必ず会社が衰退します。ちなみに、経営力を上げれば商品力も上がります。商品力を上げるマーケティングや戦略展開は経営力の範疇に入るからです。つまり、企業の盛衰は経営力で決まるのです。