社長の数字力を上げる方法|ビジネスの成功は経営者の数字力で決まる

社長の数字力を上げる方法|ビジネスの成功は経営者の数字力で決まる

 

社長の数字力は中小企業の経営を成功に導くうえで欠かせない。

 

なぜなら、中小企業は、経営者の数字力の優劣で、ビジネスの成功確率が決まるからだ。

 

この記事では、社長の数字力を上げる方法について、詳しく解説する。

 

 

数字力とは何か?

 

数字力とは、算数や数学の出来不出来ではない。

 

社長の数字力とは、会社の経営実態を表す財務諸表をはじめ、会社の数字と云われるあらゆる情報を読み解き、会社経営に数字を活用する力のことだ。

 

会社の数字は多岐にわたり、財務諸表だけでも、貸借対照表、損益計算書、確定決算書、月次決算書といった数字の情報がある。

 

財務諸表のほかにも、資金繰りデータ、販売データ、顧客データ、投資データ、商品データ、取引先データ、市場データ、競合データなど等、会社の数字に関連するデータは挙げたらキリがない。

 

数字一辺倒の会社経営は絶対にうまくいかないが、かといって、数字を無視した経営も絶対にうまくいかない。

 

社長の数字力は、会社の経営力を一段と高める効果があり、社長の数字力なくして、中小企業の会社経営を成功に導くことは困難といっても過言ではない。

 

事実、業績を伸ばしている中小企業の社長は数字に強く、倒産の危機に瀕するような中小企業の社長は例外なく数字に弱い。

 

 

会社の数字とは?

 

会社の数字とは一体何なのか?

 

会社の数字を端的に表現すると「事業活動の結果」である。

 

例えば、モノを売れば「売上」が発生し、モノを売るための支出がかかれば「経費」が発生する。そして、売上から経費をマイナスすると「利益」が出るというのが、会社の数字の簡単な仕組みになる。

 

何かしらの事業活動を行うと必ず数字が発生するので、会社の数字は事業活動の結果を絶えず表す。

 

当然ながら、事業活動の結果である会社の数字の活用度合いが高いほど(社長の数字力が高いほど)、社長の判断ミスは少なくなる。逆に、会社の数字の活用度合いが低下すると、社長の判断ミスが多くなる。

 

会社の数字を無視した会社経営の末路は想像するまでもないが、会社の数字を無視した会社経営は経営者の不安やミスの原因を作り、衰退リスクも高める。

 

社長の数字力がビジネスの成功を決定づけると云われる所以はココにあるのだ。

 

 

重要な会社の数字とは?

 

会社の数字を大きく分けると3つに集約することができ、それは、「売上・経費・利益」である。

 

売上の最大化と経費の最小化を推進し、利益の最大化を実現することがビジネスの基本になるので、この3つの数字ほど重要なものはない。

 

中でも「利益」は成長投資の原資になるので、中小企業の成長を決定づける数字になる。また、利益が多いほど潤沢なキャッシュが形成されるので、安定経営が一段と盤石になる。

 

つまり、社長が最も重要視すべき会社の数字は「利益」である。

 

利益の増減は、売上と経費の増減に連動しており、例えば、売上減少と経費増加は即、利益の減少に連動する。

 

利益の減少は会社衰退の危険信号で、利益が減少すると、会社の成長が鈍化、或いは、衰退するので、いかなる状況下であっても、売上と経費は最低でもキープ(現状維持)することが大切になる。

 

また、常に利益を注視することも大切で、利益の小さな変化を察知できれば、先手先手で業績悪化の要因を解消することができる。

 

利益という重要な数字を見落とさない意識が、社長の数字力を高めると共に、会社衰退を防ぐ有効な方法になるのだ。

 

 

数字の変化の捉え方

 

数字の変化を捉えるには、日頃から数字をモニタリングする必要がある。

 

とはいっても、モニタリングの手法は様々あり、単純に、売上、経費、利益の3つの単月結果だけをモニタリングしていても、小さな変化を見つけるのは難しい。

 

小さな変化を事前に捉えるには、それなりの工夫と努力が必要だが、実践で使える、おススメの方法を二つ紹介する。

 

ひとつは、年計の推移をモニタリングすることだ。

 

年計推移を毎月モニタリングすると、決算を待たずに年単位の業績の変化を把握することができる。また、年計推移のモニタリング期間が1年を超えると、比較的簡単に1年後の業績予測ができるようになる。

 

もう一つは、数字の構成を細分化することだ。

 

売上ひとつとっても細分化の対象は数多くあり、例えば、売上を構成する商品や取引先などである。一つひとつの商品や取引先の販売状況を細かくモニタリングすると小さな変化に気が付きやすい環境が整う。

 

小さな数字の変化を捉えることができれば、結果を営業戦略にフィードバックして、数字の落ち込みをカバーする展開も容易になる。

 

数字のモニタリングは、社長の数字力を上げる有効な方法であると共に、会社の成長を支える重要な経営管理でもあるのだ。