会社経営者に必要な7つの資質(前編)|成功社長の条件・スキル1

会社経営者に必要な7つの資質(前編)

 

経営者としての資質が劣っていると、失敗リスクが格段に高まる。

 

なぜなら、中小企業において、経営者の資質がそのまま業績に表れるからだ。

 

会社経営を成功に導くには、経営者自身が、相応の資質を身につけなければならない。

 

この記事では、経営者に必要な7つの資質について、前編と後編に分けて詳しく解説する。是非とも、ご自身の日頃の言動と照らし合わせてセルフ診断してほしい。

 

 

経営者の資質「黒字経営の実現」

 

経営者に必要な資質1は「黒字経営の実現」だ。

 

会社経営の本質は黒字経営を持続し、利益を拡大し続けるところにある。つまり、黒字経営の実現が成功社長の絶対条件になる。

 

当然ながら、黒字経営から赤字経営に転じると、経営破たんのリスクが高まる一方になる。

 

万が一、会社を倒産させると関係者全員を一瞬で不幸にするので、経営者の資質以前の問題になってしまう。

 

黒字経営の実現に不可欠な資質は沢山あるが、成功の出発点は黒字経営になる。繰り返すが、黒字経営の実現は、会社経営者に必要な絶対的な資質になる。

 

 

経営者の資質「謙虚さ」

 

経営者に必要な資質2は「謙虚さ」だ。

 

謙虚さは、会社経営者に求められる最も重要な資質といえる。

 

謙虚さなくして会社経営の成功はないといっても過言ではないが、謙虚さは、年齢相応に身につけるのがベストだ。

 

例えば、会社の創業を考えるくらいの人は負けん気が強く、血気盛んなタイプが多い。礼儀正しさは不可欠だが、20代~30代前半くらいまでは無理に謙虚さを出す必要はない。

 

なぜなら、若い時期に謙虚さを意識しすぎると萎縮した言動に繋がり、会社の成長にマイナス影響を与えかねないからだ。

 

実るほど頭を垂れる稲穂かな」の言葉通り、年相応に謙虚さを身につけることが無理のない自然な姿である。

 

但し、経営者となって5年、10年と経過し、40代を過ぎてもなお謙虚さが身についていない場合は、過去を振り返り、周囲に感謝する気持ちを持った方がいい。

 

会社は経営者ひとりの力で運営できるものではない。家族がいて、社員がいて、取引先がいて、顧客がいて、初めて会社経営が成立する。

 

経営者の才能やリーダーシップも必要だが、周囲の協力なくして会社経営は成り立たないので、経営者としての年輪と共に謙虚さを身につけることが何よりも大切になる。

 

また、謙虚さを持つと、自分の欠点を素直に認める客観的視点も養われる。

 

経営者にとって、これも重要な資質になる。なぜなら、社長業が長くなるにつれ、自分の欠点を教えてくれる人間が徐々にいなくなるからだ。

 

経営者が謙虚であれば、自身の弱点を補う参謀やブレーンを抵抗なく受け入れる、或いは、自在に活用するスキルが身につくので経営力がどんどん向上する。謙虚さは、経営者に必要な最も重要な資質といっても過言ではない。

 

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経営者の資質「思いやり」

 

経営者に必要な資質3は「思いやり」だ。

 

相手の立場に立って考えることを「思いやり」というが、思いやりも会社経営者に必要な重要な資質になる。

 

 

上の図は、同じ坂でも、下に立てば「上り坂」、上に立てば「下り坂」というように、分かりやすく立場の違いで見解が変わる例を表したものである。

 

経営者は会社のトップとして、様々な人と対峙している。

 

社員や取引先、お客様、、、。

 

相手の立場になって相手を思いやる資質が経営者にあれば、社員や取引先はストレスなく会社に協力してくれるだろうし、お客様も快く商品を購入してくれるだろう。

 

逆に、自分の立場しか考えない経営者であれば、社員や取引先はストレスを抱えるだろうし、お客様も商品を通じて嫌な気持ちになることがあるかも知れない。

 

経営者が相手の立場になって考えるか否かによって、会社の成長に大きな影響を及ぼすことは容易に想像できるだろう。

 

相手の立場になって物事を考えることは、決して簡単なことではない。

 

例えば、人間の長所と短所は、相手の受け取り方ひとつで、その性質が逆転することがあり、気の利く性格の人に対して「あの人は気が利く」とプラスに捉える人と、「あの人はお節介だ」とマイナスに捉える人がいる。

 

相手の立場に立つということは、相手の気持ちをどこまで理解できるかということでもある。

 

経営者であれば、過去に自分の言動で相手を傷つけたり、取引先と揉めたりしたことが少なからずあると思う。

 

そのたびに、相手の立場に立っていれば...、と反省をした経験もあると思うが、考えてもなかなかうまくできないのが「相手の立場に立つ」ことであり、こればかりは、経験と体験で体得するしかない。

 

兎に角、相手の立場に立つ「おもいやり」は、経営者に必要な大切な資質になる。

 

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経営者の資質「頭を下げられる」

 

経営者の資質4は「頭を下げられる」だ。

 

経営者は会社のトップに君臨する立場にいるので、組織上は、副社長以下全員が下の立場になる。

 

このような立場に置かれる経営者は、人によって強弱はあるものの、どうしてもプライドがついてまわる

 

仕事にプライド(誇り)を持つことは大切だが、変なプライドに固執して、自分のミスを認めない無責任な言動は、社長の威厳と信用を低下させる。

 

やはり、経営者の責任範囲のミスであれば、潔く、素直に頭を下げることが大切で、このような責任ある経営者の資質は、社長の威厳と信用を高める。

 

更に、たとえ社員の失敗であっても、経営者自身のチェックミスと割り切って、経営者が潔く頭を下げれば、社員は感動し、社長に尽くす社員が増えるものだ。

 

また、頭を下げられる社長は、自分の誤りを素直に受け入れ、状況に応じて経営の方針なり戦略を大胆かつ柔軟に修正する能力に長けているが、このような順応力や修正力も、経営者に必要な大切な資質になる。

 

伊藤のワンポイント
 

経営者にとって謙虚さほど重要な資質はありません。謙虚な経営者には、会社経営の成功に欠かせないスキル(順応力・修正力)とマインド(思いやり・向上心)が自然と身に付くからです。謙虚さが失われると、失敗するのは時間の問題となりますので、周囲に対する感謝の姿勢を決して忘れないでください。