成功した多くの経営者が口を揃えて言っている。
経営者は「謙虚でなければならぬ」と。
わたしも、そう思う。
謙虚である、ということは経営者の成功に大きく関わっている。
なぜなら、謙虚さがなければ、経営者の能力が高まることも、人脈に恵まれることもないからだ。
☑周囲に感謝する気持ち
☑自身を捨て去る順応力
☑自身の欠陥を省みる客観力
☑自分の能力不足を補う向上心
☑至らない現状を打破する努力
会社経営を成功に導く全ての源泉は「謙虚さ」から生まれるといっても過言ではなく、謙虚さは、経営者の成功条件になる。
とはいっても、謙虚さは、なかなか簡単に身につくものではない。
それなりの時間と経験を要する。
例えば、誰しも血気盛んな若かりし頃は、他人からの注意や年上からの諫言に顔をしかめたり、反抗的な態度をとったりするものだ。
謙虚のかけらもない若者と一蹴する方もいるかも知れないが、じつは、このような若気の至りは、謙虚さを身につけるうえで非常に重要な役割りを持つ。
なぜなら、経験と体験を通じて身に染みた自身の至らなさや誤りを、過去に受けた注意や諫言に照らし合わせて正す過程で身につく謙虚さほど、真に迫ったものはないからだ。
会社経営者であっても、30代前半くらいまでは若気の至りでけっこうだと思う。
若さを引っ込めて無理やり謙虚さを出しても、委縮した言動が仇となって会社の成長が鈍化してしまうかも知れないからだ。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の言葉に倣って、経営者の年輪とともに謙虚さを身につける姿勢が、無理のない自然の姿だ。
経営者の良き人格は謙虚さから生まれる。
例えば、いつなんどき、どこの誰から見られても、表裏なく自然体でいられる上品な佇まいは、謙虚さがなければ身につくものではない。
また、時と場合に応じて自分(我)をサッと引っ込めて、人を立てたり、人を喜ばせたり、人を楽しませる、といったエンターテナーぶりを自然と演じることができるのも、謙虚さがなせる業である。
社員や取引先を大切にする思いやりや真心も謙虚さから生まれる。
この人とまた会いたい、この人と一緒に仕事がしたい、と思わせる良き人格が備わっている経営者は、このような謙虚で愛らしい仕草をたくさん持っている。
また、謙虚な経営者ほど、社員とのコミュケーションが良好だ。
社員にとって、経営者との良好な関係ほどモチベーションを上げる要素はないので、経営者の謙虚さは、会社経営のあらゆる方面に良い影響を及ぼす。
自他分け隔てなく好影響を与える謙虚さは「一害なくて百利あり」といっても過言ではない。
謙虚さは経営者の必須スキルです。謙虚さを失うと、会社衰退に繋がる経営課題を見落とすリスクが高まるからです。また、謙虚さのない横暴な経営姿勢が強まると、簡単に裸の王様に陥ります。こうなると、社長のために汗を流してくれる社員が殆どいなくなるので、組織が崩壊し、少しのきっかけで業績が悪化します。