カリスマ社長の弊害と末路|カリスマ社長が会社の成長を阻害する

カリスマ社長が会社の成長を阻害する

 

社員や関係者が、自分の会社の社長のことを教祖のように崇めている場合がある。

 

教祖のように崇められるほどカリスマ性が強い...、いわゆる「カリスマ社長」である。

 

この記事では、カリスマ社長の弊害と末路、並びに、カリスマ社長からの脱却方法について、詳しく解説する。

 

 

カリスマ社長の真似はできない

 

カリスマ社長の会社は一代で急成長、もしくは、安定経営の軌道に乗るケースが多い。

 

しかし、カリスマ社長から、二代目、三代目と代が下がるにつれて業績が悪化する事例が多い。

 

そもそも、なにゆえ、カリスマ社長と崇められるかというと、超人的な采配を揮ったり、先見の明を持っていたりと、常人の理解を超えた天才的な能力が備わっているからだ。

 

カリスマ社長を教祖と崇めるのは勝手だが、経営者としては、あまり参考にならない。

 

なぜなら、常人には、天才の真似はできないからだ。

 

このようなカリスマ社長がいる会社の後継社長がとるべき行動はただひとつ、「経営の基本に忠実に従うこと」である。

 

決して、カリスマ社長の言動を真似てはならない。

 

経営の基本に忠実に、日頃から業績理解に努め、課題抽出→課題解消→効果検証のサイクルを回し続け、会社の成長をけん引することが正攻法になる。

 

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カリスマ社長から脱却する方法

 

カリスマ社長から経営のバトンを引き継ぐ社長にカリスマ性がなくても、正しい経営努力さえ続けていれば、誰でも立派な経営者になることができる。

 

繰り返すが、一番やってはいけないことはカリスマ社長の言動を真似ることだ。

 

経営の基本を無視してカリスマ性だけ真似ても、まともな会社経営など出来るものではなく、むしろ、失敗リスクが高まる。

 

カリスマ性がなければ求心力が劣ると考える経営者もいるかも知れないが、それは幻想だ。

 

経営者の求心力を高めるには会社の業績を伸ばすことが一番で、経営が安定し、なお且つ、将来の不安もなく相場並みの給料が得られている限りは、社員は安心して会社に尽くしてくれる。

 

少なくとも、経営者や会社から社員の心が離れることはない。

 

 

カリスマ社長が用心すべきポイント

 

カリスマ社長と崇められている経営者自身にも注意が必要だ。

 

例えば、勘に頼った経営采配を優先している場合は、数字を根拠にした効果検証を行い、自身の経営采配の良否をチェックする仕組みを早めに導入した方が良い。

 

この検証を経営者自らが行う必要はない。検証作業は、適任の部署に任せて、経営者は検証結果の報告を受けるだけで十分だ。

 

なぜなら、この検証は、カリスマ社長の思考を合理的根拠と共に組織に馴染ませることが真の目的だからだ。

 

また、カリスマ社長も人間なので、いつかは、能力の衰えがやってくる。

 

効果検証の結果、経営采配に誤りがあったと分れば、自身の勘の衰えを早期発見することが可能になる。

 

衰えに気が付くことなく勘に頼った経営を推し進めていくと、倒産リスクが高まるばかりとなるので、この効果検証はリスク対策としても有効だ。

 

 

カリスマ社長亡き後の経営陣の責任

 

カリスマ社長から会社をバトンタッチされた経営陣の責務は、経営の安定化にある。

 

如何せん、カリスマ社長亡きあとの会社経営は不安定になりがちだ。

 

外部と内部に対して如何に安定感を与えることが出来るか否か、すべての責任が経営陣の手腕にかかってくる。

 

そして、バトンタッチ直後から経営手腕を発揮できるか否かは日頃の準備にかかっている。

 

当然ながら、次期社長が自身の能力研鑽を怠ると、カリスマ社長と共に会社の命運が尽きてしまうかも知れない。経営者としての準備を怠らない姿勢は、次世代の社長が持つべき大切な心がけだ。

 

伊藤のワンポイント
 

カリスマ社長と崇められすぎると後が厄介です。油断や慢心も生まれやすくなります。企業のガバナンス(統治・管理体制)が崩壊し、カリスマ社長の決断の誤りが致命傷になることもあります。このようなカリスマ社長のバランスを整える有効策は、経営の客観性を高めることと周囲に対して謙虚になることです。