節税対策が浪費になるダメ社長|節税対策と浪費は似て非なるもの

ダメな社長の節税対策は浪費である

 

中小企業の場合、節税と浪費を混同している社長が稀にいる。

 

節税の対策をしっかり講じることは良いことだが、行き過ぎた節税は浪費であり、会社の成長に役立たない。

 

この記事では、節税対策が浪費になるダメ社長の事例について、詳しく解説する。

 

 

節税対策が浪費になるダメ社長

 

中小企業の場合、会社のオーナー(株主)兼経営者というケースが多く、このような支配構造にある会社において、稀に、会社を私物化している社長がいる。

 

会社の私物化が過ぎる社長のなかには、節税対策と言い張り、自己消費や無駄遣い等の浪費に走るダメな社長もいる。

 

会社を私物化して好き勝手に経営すること自体は悪いことではないが、会社経営の本質は「会社の利益を最大化」することだ。

 

会社の利益を最大化するには、利益を継続的に生み出し、その利益を将来の成長投資に回すという循環が何よりも大切である。

 

しかし、オーナー色の強い社長の場合、会社のお金=自分のお金という思い込みから、成長投資が不十分であることが珍しくない。

 

会社のお金=自分のお金と考えているので、なかには利益の一部を税金で徴収されることに強い抵抗感を示す社長もいる。

 

このような社長のとる行動はただ一つ、「行き過ぎた節税対策」である。

 

 

節税対策と浪費は似て非なるもの

 

中小企業の社長にありがちな行き過ぎた節税対策は様々ある。

 

例えば、「どうやら今年は利益が沢山でそうだ」となると、車両、什器、絵画、接待交際など等、会社の成長に貢献しない分野の消費を繰り返す節税対策は、よくあるケースだ。

 

中には、巧妙な手口で節税を行う社長もいる。

 

例えば、贈答の季節に会社の費用(接待交際費)で商品券を大量に購入して、こっそり現金化したり、お客様に贈答せずに自己消費して領収書を二重取りしたりという悪徳社長もいる。(このケースは節税ではなく脱税になる)

 

切手、或いは、新幹線や航空チケットといった換金性の高いものを購入して、現金化を繰り返す悪徳社長もいる。(このケースも節税ではなく脱税になる)

 

また、自身の会社に個人資金を貸し付けて会社から法定金利の上限利息を受取るような、私利私欲で会社を食い物にする社長もいる。

 

適正な節税対策であれば問題ないが、行き過ぎた節税対策はただの浪費だ。

 

投資ではなく、浪費なので、会社の成長発展に一切貢献しない。

 

また、節税対策のことばかりに頭が回って、会社の成長投資に頭が回らないという、本末転倒な状況も生み出される。

 

 

節税第一では会社の成長発展が鈍化する!!

 

節税対策という名の浪費に走る経営者は、ダメな社長の典型例である。

 

行き過ぎた節税対策を続けている中小企業に明るい未来はなく、恐らく2代も続けば、倒産の危機に瀕する。

 

企業成長の原則は成長投資にあり、生み出した利益を成長投資に振り向けることで、更なる成長発展が見込め、競争力が強化される。

 

せっかくの利益を投資に回さずに浪費に回すことが得なのか損な行動なのか?

 

会社の更なる成長を目指している社長であれば答えは明白だろう。

 

行き過ぎた節税対策(利益の浪費)の弊害はまだある。

 

浪費のような節税対策を繰り返していると、現金と共に会社の自己資本が一向に増加しない。

 

当然ながら、行き過ぎた節税対策(利益の浪費)を繰り返し、万が一、赤字経営に転落すると、その瞬間から自己資本の減少が進み、いづれ会社経営は行き詰る。

 

一定水準の利益を確定させて然るべき税金を支払い、内部留保として自己資本を増強しなければ、ほんの些細な失敗で経営が行き詰るリスクが高まるのだ。

 

 

会社経営において節税対策よりも大切なこと

 

会社経営において、節税対策は大切な要素に違いないが、行き過ぎた節税対策は会社経営に様々な弊害をもたらす。

 

よく考えてみてほしい。

 

会社の利益が最大化されれば、オーナー、経営者、社員、顧客、取引先、関係者の家族など等、すべての関係者の幸せが続く。

 

しかし、節税対策という名の浪費が過ぎると、会社の衰退リスクが高まり、万が一、会社が衰退すると、その幸せは一転して不幸になってしまう。

 

一代限り、社長ひとりの欲を満たすためだけに会社を経営するのであれば、それも良いだろう。

 

会社を次の世代に繋げたいと考えている社長であれば、自分の欲はほどほどに、行き過ぎた節税対策は控えた方がよい。会社の利益は浪費するものではない。会社の利益は投資するものだ。

 

伊藤のワンポイント
 

節税と浪費の見境がなくなると、早晩、会社経営に行き詰まります。会社経営で成功したければ、衰退を予見し先手を打つことです。一代限りの会社なら問題ありませんが、次世代(子供)に残す会社にするのであれば、次世代を見越した成長投資を優先すべきです。浪費か成長投資かの違いで、未来の幸せは大きく変わります。