会社経営に関わる文化と文明要素

会社経営を支える文化的要素と文明的要素

会社経営を支える文化的要素と文明的要素

 

中小企業の経営と文化は密接な関係にあります。

 

経営に文化なんか関係ないだろうとおっしゃる経営者もいるかも知れません。

 

しかしながら、中小企業が安定経営を実現しようと思ったら、やはり、文化的な眼を持って事業をデザインする必要があります。

 

文化と似た言葉に文明があります。

 

文明とは、システムと仕組みさえ理解すれば誰でも参加できる普遍的なものです。

 

例えば、青信号で進む、赤信号で止まるといった交通システム、自動ドア、エスカレーターなどは文明的なものです。

 

文明には、外国のヒトであっても戸惑うことなく、誰でも参加することが出来ます。

 

一方、文化はどうでしょうか?

 

一例を挙げると、和室に入る際に座って襖をあけて、立ち上がって室内に入って、また座って襖をしめるといった行動は文化的な行動です。

 

化学調味料を使わずに、昆布や鰹節から出汁を引くのも文化的な行動です。

 

樹齢数百年を超える大木を切り倒し数年の自然乾燥を経て材料とする数寄屋建築の世界も文化的な行動です。

 

合理性の高い文明に比べて、文化はとても非合理です。

 

外国のヒトが見たら戸惑ってしまい、なかなか参加できないかも知れません。

 

しかしながら、精神性が高く、迫力があり、美しさを感じさせるのは、文明ではなく文化の方です。

 

また、少数のコアなファンを魅了する要素を含んでいるのも文明ではなく、文化の方です。

 

そう考えると、

 

文明的な事業は大企業、

 

文化的な事業は中小企業に向いているともいえます。

 

 

文化的事業の事例

 

わたしの経営指導先に6次産業企業があります。

 

年商は10億円に満たない中小企業です。

 

6次産業企業とは、1次産業である農業から2次産業である加工製造、3次産業である販売まで一貫体制で事業展開している企業体(1次×2次×3次=6次)のことです。

 

1次産業である農業は小規模では儲かりません。

 

わたしの実家も農業を営んでいましたが、お米はトントンか若干の赤字、儲けはありませんでした。

 

小規模な農業でも適度に儲けるためには工夫が必要です。

 

指導先の企業が実践している農業は、非合理の極みである自然農法です。

 

除草剤も栄養剤などの化学肥料も使わず、人力と自然の力に頼った農業を実践しています。

 

加工製造も同様に、人工や化学の力に頼らずに手仕事と昔ながらの製法にこだわったモノづくりをしています。

 

出来上がった商品は文化の結晶のようなものです。

 

この商品は、コアなファンを獲得すると共に適度な儲けを会社にもたらし、安定経営を支える源になっています。

 

あまりに文化的過ぎて、文明族である大企業の脅威に怯える必要もありません。

 

 

中小企業は大企業と同じことをやっても勝てません。

 

大企業とは違う商品や市場を如何に創出することが出来るか否か、中小企業の存続は、そこにかかっています。

 

文化は、一度消えると元通りになりません。

 

文化的要素の取捨選択次第で、将来の成長が決まってしまうこともあります。

 

収益性の高いニッチ市場を形成したいと思っている中小企業は、文化的な香りが残る事業デザインが出来ているか否か、一度、点検してみることをおススメします。

 

また、既存の商品や市場が保有している文化的要素をそぎ落として文明に走っていないかも点検すると良いでしょう。

 

 

文明の活用範囲

 

中小企業にとって事業の文化的要素は実に尊い面がありますが、だからといって文明を一切排除する必要はありません。

 

やはり、時代に即した文明の活用なくして、文化的事業の繁栄はありません。

 

例えば、文明の利器といわれる機械の活用、コンピューターの活用など等、旬の文明インフラを積極的に取り入れた方が、その時代に即したビジネスモデルが構築しやすいです。

 

先の例で挙げた6次産業企業においても、販売面においてはIT技術を積極的に活用していますし、情報発信技術も他社より抜きに出た手法を駆使して新規顧客を開拓しています。

 

企業の持続的成長を構築するには、文化的要素を守るだけでは物足りません。

 

文化的要素に影響を及ぼさない範囲でという前提はありますが、文明の活用も重要なポイントとなります。

 

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