中小企業の予算管理導入メリット

業績予想で将来の不安を払拭する方法

業績予想で将来の不安を払拭する方法

 

業績の先行きが見えていない経営者は不安に駆られるものです。

 

逆に、業績の先行きが見えている経営者は不安感が少なく、様々な外的影響が発生したとしても、さほど動揺することはありません。

 

では、先行きの不安を払拭するにはどうしたら良いのでしょうか?

 

 

将来の業績を予測できれば不安を払しょくできる

 

先行きの不安を払しょくするには、業績予想のための予算管理を導入することが効果的です。

 

予算管理を運用することで将来の業績を予測することができれば、漠然とした経営の不安は払しょくされます。

 

予算管理には様々なアプローチがあります。

 

主だった手法を紹介します。

 

 

経営目標と期待値を加味した予算

 

経営目標と期待値を加味した予算は、各担当者から事業部長・経営者まで各人の経営目標設定(数値目標)を予算に反映させて算定します。

 

あくまで目標ですので、目標と期待値が高すぎると、予算の100%達成が困難になる場合があります。

 

仮に、業績の実績が予算値から▲10~20%も下回るようなら、将来の業績予想が困難になるばかりか、業績低迷の副作用を起こす可能性があります。

 

例えば、下表の内容のような年間予算を算定したとします。

損益項目

予算

(目標・期待値あり)

実績

予算対比

売上

10,000万円

9,000万円

▲10%(▲1,000万円)

売上原価

5,000万円

4,500万円

▲5% (▲500万円)

売上総利益

5,000万円

4,500万円

▲5% (▲500万円)

販売管理費

4,700万円

4,700万円

±0

営業利益

300万円

▲200万円(赤字)

▲500万円

 

予算通り推移すれば、300万円の営業利益が見込めますが、売上の結果は、予算対比▲10%の1,000万円のマイナスとなりました。

 

売上が減少した分、売上原価が予算対比▲5%の500万円、売上総利益が▲5%の500万円、夫々マイナスとなりました。

 

一方で、販売管理費は予算通りに使いましたので、最終的な営業利益が▲200万円の赤字となってしまいました。

 

このように、目標と期待値が加味された予算に頼りすぎた経営(予算管理)を行うと、売上実績が下振れしても経費だけは予算通りに使われることが多く、営業利益が想定より減少することがあります。

 

目標と期待値を加味した予算は、黒字予算が一転して、赤字経営に転落する場合もあるのです。

 

 

前年実績+確度100%項目を採用する予算

 

前年実績+確度100%項目から作成する予算は、前年の実績に、新年度の業績に影響を及ぼす確度100%の業績項目を加算減算して算定します。

 

例えば、下表の内容のような新年度に影響を及ぼす確度100%の業績項目があったとします。

売上

新規取引開始 +500万円

確度100%

売上原価

仕入先変更に伴う原価低減

▲500万円

確度100%

販売管理費

製造効率向上に伴う経費削減

▲250万円

確度100%

 

年間予算の算定内容は下表のようになります。

損益項目

前年実績

確度100%加算減算

予算

売上

8,500万円

+500万円

9,000万円

売上原価

5,000万円

▲500万円

4,500万円

売上総利益

4,000万円

 

4,500万円

販売管理費

4,000万円

▲250万円

3,750万円

営業利益

0万円

 

750万円

 

そして、実際の実績は下表の通りでした。

損益項目

予算

実績

予算対比

売上

9,000万円

9,000万円

±0

売上原価

4,500万円

4,500万円

±0

売上総利益

4,500万円

4,500万円

±0

販売管理費

3,750万円

3,800万円

+50万円

営業利益

750万円

700万円

▲50万円

 

売上、売上原価、売上総利益は予算通りで、経費が予算対比+50万円、営業利益が▲50万円でした。

 

目標と期待値が入っておりませんので、予算と実績が大きくずれることがありません。

 

先の例で挙げた「期待値ありきの予算管理」と「前年実績+確度100%項目から作成する予算管理」とを比べると、後者の方が高い精度で将来の業績を予測することが可能となります。

 

 

業績予測の精度を上げる実績差異の管理

 

予算を作成する場合は、必ず下表のように単月12カ月に細分化した予算表も合わせて作成する必要があります。

 

なぜなら、時の経過とともに予算と実績の差異を把握しなければ、予算修正が遅れてしまい、目標の収益を得ることが難しくなるからです。

 

例えば、単月ごとに予算と実績の差異を把握していれば、売上が下振れしたら経費を圧縮する、というように逐一予算修正に対応することができますので、予算目標(目標利益)を達成し易くなります。

 

また、毎月の予算を実績値に上書きしていくと、決算時点の業績予想が容易にできるようになります。

 

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

合計

予算

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実績

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

差異

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中小企業の業績予測に適した予算管理は?

 

中小企業の場合は、後者の「前年実績+確度100%項目」の予算管理の方が適しています。

 

予算管理で正確な業績予想ができれば、決算までの業績見通しが容易につきます。

 

当然ながら、将来の業績が見通せれば、自ずと将来の不安は和らぎます。

 

 

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