独自の経営指標は業績改善に役立つ

小売業に有効な経営指標

小売業に有効な経営指標

 

小売業は景気や流行に左右されやすく、安定した経営を実現するのが比較的難しい業種である。

 

健全な会社経営並びに効率のよい現場運営を実現するためには、財務諸表の分析を通じて日頃から経営課題を抽出することが欠かせない。

 

例えば、下記の経営指標は常時モニタリングしたい指標である。(それぞれの経営指標をクリックすると計算方法と適正水準が分かる)

 

営業利益率の水準

 

経費率と人件費率の水準

 

1人1時間当たりの付加価値

 

上記3つの経営指標の適正水準をクリアすることが、小売業の成長を実現する最低限の条件といっても過言ではない。

 

各経営指標が適正水準に達していない小売業者は、早急な経営改善をおススメする。

 

なお、小売業の経営改善をすすめる上で役立つ、業界特有の経営指標は下記の通りである。

 

小売業の経営改善に役立つ経営指標を活用して現状を分析し、然るべき目標を立てると、経営改善を効率的に進めることができる。

 

 

小売業の経営改善に有効な経営指標とは?

 

経営改善を進めるうえで、最も即効性のある改善方法は、現場のムダムラの解消である。

 

現場のムダムラを見つけるには、財務諸表の分析だけでは不十分である。効率的に現場のムダムラを解消するには、業界特有の経営指標を活用する必要がある。

 

次に紹介する経営指標は、小売業の経営改善に有効活用できる経営指標ばかりである。是非とも、参考にしてほしい。

 

 

客単価

 

客単価とは1客あたりの売上のことである。

 

例えば、全体の売上が月100万円で、月の来店客数が100名であれば、100万円÷100名=客単価は1万円になる。

 

小売店の場合、商品の陳列やレイアウトを工夫するだけで、ついで買いを誘発し、客単価を上げることができる。(クロス販売や限定販売)

 

経費を増やすことなく客単価を上げることができれば、会社の利益が増加し収益性が高まるので、客単価は小売業の存続を左右する重要な指標といっても過言ではない。

 

なお、客単価は、顧客サービスの費用対効果を計る際、或いは、新規顧客獲得のための広告宣伝費の費用対効果を計る際にも活用できる。

 

 

来店客数

 

来店客数は、来店(商品・サービス購入)したお客様の人数のことである。

 

来店客数×客単価で、全体の売上を算出することができる。従って、全体の売上を増やすには、来店客数か客単価の何れかを上げる努力が必要になる。

 

来店客数を上げるにはサービス精神の高低がポイントになる。一期一会を大切に、良い印象を与えることができるか否かが分かれ道である。

 

なお、来店客数を上げるには、広告宣伝等の投資コストがかかるが、一般的には、来店客数よりも客単価を上げる投資コストの方が安く済む傾向にある。

 

 

来店頻度

 

1人のお客様がひと月に来店する頻度(回数)のことである。

 

例えば、ひと月に5回来店した場合は、来店頻度は5回になる。

 

一般的には、来店頻度の多い顧客ほど、顧客の月間単価が高くなる傾向にある。

 

 

リピート率

 

一定期間内に来店したお客様が再来店する割合である。

 

リピート顧客は、新規顧客の数分の一の獲得コストで済み、一方で、新規顧客の数倍の客単価をもたらす。

 

つまり、少ないコストで大きな利益を生み出すのが、リピート顧客の特徴である。

 

一般的に、小売業のリピート測定期間は1ヵ月で設定する。

 

例えば、10名中、4名が1ヵ月以内に再来店した場合、(4÷10)×100=リピート率は40%になる。

 

リピート率が高まり、固定客が増えるほど小売業の経営は安定する。

 

来店客数同様、サービス精神なくして、リピート率の向上はあり得ない。

 

 

1坪売上

 

1坪売上とは、店舗1坪あたりの売上のことである。

 

例えば、店舗面積が20坪で、月の売上が100万円であれば、100万円÷20坪=1坪売上は5万円になる。

 

小売店の店内の陳列棚は、不動産と同じで、スペースが限られている。

 

当然ながら、売れ筋商品を効率よく並べることができれば1坪売上は増加する。

 

なお、売れ筋商品の分析方法はABC分析(パレート分析)が有効である。

 

 

原価率

 

原価率とは、商品の売上に占める仕入の割合のことである。

 

例えば、仕入が75円で商品の売上が100円であれば、(75÷100)×100=原価率は75%になる。

 

一般的に小売店の原価率は、スーパーは75%、百貨店や雑貨店は50~60%が適正ラインである。

 

小売店が原価率を上げる工夫として、店内加工品(店内調理品)を増やす戦略がある。

 

店内加工品は、原価率30%以下で作ることも可能なので、ヒット商品が出ると会社の収益に大きく貢献する。

 

 

廃棄率

 

商品の廃棄割合を示す経営指標である。

 

主に、スーパーや百貨店の惣菜売り場で用いる指標である。

 

例えば、商品を10個陳列したうち、2個が売れ残り廃棄処分となった場合、(2÷10)×100=廃棄率は20%になる。

 

廃棄率を改善するには、日頃の販売データの収集・分析が欠かせない。

 

売れ行き、売れ筋、売れる時間帯、など等、日頃の販売データを考慮したうえで商品陳列を行わないと、無駄に廃棄率が上がってしまう。

 

また、仕入単価が安価という理由で賞味期限の残日数が少ないものを大量に仕入れても、結果として売れ残ってしまうと、無駄に廃棄率を上げることになる。

 

廃棄率は、日頃の販売データの整理・分析如何で、ある程度コントロールできる指標である。

 

 

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