中小企業の人件費削減方法

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会社の人件費削減を成功させる4つの方法

会社の人件費削減を成功させる4つの方法

 

中小企業において、人件費が正しくコントロールされている会社は多くない。

 

事実、適正な人件費率はどの程度なのか、社員を増員した方が良いのか、はたまた減員した方が良いのか、人件費を削減するにはどのように進めれば良いのか、など等、人件費のコントロールに頭を悩ます中小企業経営者は少なくない。

 

会社成長の大原則は「売上の最大化と経費の最小化」を同時に進めるところにあるので、人件費のコントロールほど重要な取り組みはない。

 

なぜなら、殆どの中小企業は、会社の経費のなかで人件費が最大のコストを占めているからだ。

 

人件費のコントロール、或いは、人件費の削減は最大の経営課題といっても過言ではない。

 

すべての人件費が一切のムダやロスがなく売上に貢献していれば人件費削減の余地はないが、実際にそのような会社は存在しない。どんな会社にも無駄な人件費というものがある。

 

とはいっても、人件費の削減は闇雲に行っても期待する効果は上がらない。むしろ、誤った人件費の削減がきっかけで業績が悪化することもある。

 

中小企業において、売上を作るための人件費の使い方は十人十色である。

 

従って、人件費を削減する過程を誤ると、業績アップどころか、業績が悪化する事態を招きかねない。

 

中小企業経営者が人件費削減で失敗しないためには、次の過程を抑える必要がある。

 

▶人件費の集計

 

▶人件費水準の適正判定

 

▶人件費の削減方法とマイナスリスクの検証

 

▶人件費の削減実行と人件費削減効果の検証

 

早速、それぞれの人件費削減過程の概要と重要ポイントを解説していこう。

 

 

人件費の集計

 

人件費削減を進める前にすべきことは、会社の人件費がどのように使われているのかを把握することである。

 

人件費の集計は必ず年計で行う。なぜなら、人件費には年に1回程度しか発生しない一過性のもの(ボーナスや退職金等)が必ず混入しているからだ。

 

年間の売上に対して、年間の人件費が集計されると、その会社の売上と人件費の関係性が明確になる。

 

 

人件費水準の適正判定

 

人件費の集計が終わったら、次に把握すべき点は、現状の人件費水準の適正判定である。

 

人件費水準が適正であるにも関わらず、闇雲に人件費削減を進めた結果、生産性が悪化、或いは、業績が悪化してしまっては元も子もない。

 

人件費の適正水準は売上総利益金額に占める人件費の割合で判定する。また、人件費率の適正判定をする際は必ず、人件費以外の総経費と営業利益金額の比率も求める。それぞれの計算式は下記の通りである。

 

売上総利益高人件費率=(総人件費÷売上総利益)×100

 

売上総利益高経費率=(総経費÷売上総利益)×100

 

売上総利益高営業利益率=(営業利益÷売上総利益)×100

 

人件費率の適正判定は、次の判定表に照らし合わせて判断する。

 

売上総利益

100

100

100

100

100

人件費

70

60

50

40

30

その他経費

20

30

40

50

60

営業利益

10

10

10

10

10

人件費率

70%

60%

50%

40%

30%

その他経費率

20%

30%

40%

50%

60%

 

まずは、会社の事業内容が労働集約型なのか、資本集約型なのかを判定する。労働集約型の産業(コールセンター等)は人件費率が高く、資本集約型の産業(無人の工場等)は人件費率が低くなる。

 

(詳しい判定方法はこちらの「経費率と人件費率の計算方法と適正水準」を参考にしてほしい)

 

売上総利益高人件費率が適正水準にない、或いは、売上総利益高営業利益率が適正水準以下(10%以下)の場合は、人件費の水準が標準よりも高く、人件費削減の余地があるということである。

 

 

人件費の削減方法とマイナスリスクの検証

 

人件費水準が標準以下であれば人件費削減の余地があるということだ。

 

この状態を放置しておくと少しの売上減少で赤字経営に転落したり、コスト競争力が低下してきたりと、マイナスの要因が表面化してくる。

 

中小企業の人件費削減は、リストラ(解雇)ではなく、労働生産性の改善、時短改善、機械化推進など、社員の雇用を守りながら進める削減方法が効果的である。

 

著しく悪化した赤字経営であれば致し方ないが、リストラ策は問題社員に限定した方が得策だ。

 

真面目な社員の雇用を守りつつ、労働生産性の改善、時短改善、機械化推進を進めると社員の技能と能力が上がってくるので、自ずと、働き方の生産性が上がり、結果として人件費が下がってくる。

 

人件費削減の方法論が具体的になったらマイナスリスクの検証を行う。

 

マイナスリスクの検証とは、その人件費削減策を実行した場合、会社経営に与えるマイナスダメージを検証することだ。

 

マイナスダメージの例 : 売上減少、生産性低下、人件費増加、効率悪化、品質低下、サービス低下、安全性低下、労災や事故の増加、など等

 

このマイナスリスクの検証は人件費削減を実行するうえで最も重要な作業になる。

 

なぜなら、この作業を疎かにすると、人件費削減が仇となって会社経営が悪化することがあるからだ。

 

当然ながら、マイナスリスクが高いと判定された人件費削減策は見送るか、方法論を再検討することになる。

 

なお、商品やサービスの品質を下げる人件費削減や社員の安全を損なう人件費削減は絶対にやってはいけない。

 

 

人件費の削減実行と人件費削減効果の検証

 

一つひとつの人件費削減策のマイナスリスクを徹底的に検証した結果、マイナスリスクが低いと判定された人件費削減策に関しては、人件費削減を実行に移す。

 

そして、人件費削減後にマイナスリスクが表面化してこない場合は「人件費削減成功」、マイナスリスクが想定よりも表面化してきた場合は「元に戻す」という効果検証を繰り返すことが、人件費削減に失敗しないコツになる。

 

➡NEXT「中小企業の経費削減方法を動画で学ぶ」へ

 

 

 

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