経営診断のススメ|労働生産性分析

中小企業の労働生産性分析と経営診断方法

中小企業の労働生産性分析と経営診断方法

 

中小企業の労働生産性を計る経営診断は、効率的な会社経営を実現するうえで重要な診断となります。

 

企業の労働生産性が分かれば、会社の労働効率と収益性と共に、効率的な骨太経営が出来ているか否かも自ずと見えてきます。

 

また、企業の労働生産性が、

 

適正指標よりも劣っていれば労働生産性を向上させるための対策を検討することができますし、

 

適正指標よりも優れていれば労働生産性を維持するための対策を検討することが可能となります。

 

 

労働生産性分析の経営診断方法とは?

 

会社経営は、闇雲に管理するよりも、正しい経営指標と目標を持って管理した方が数倍、経営効率が向上します。

 

そのためにも正しい経営診断を行うことが重要になります。

 

中小企業の労働生産性分析と経営診断には、「労働分配率」と「1人1時間当たりの付加価値」の2つの経営指標を使います。

 

 

労働分配率

 

労働分配率は、会社全体の労働効率を示す経営指標です。

 

労働分配率の計算式は下記の通りです。

労働分配率=(人件費÷売上総利益)×100

 

経営診断判定表1

売上総利益

100

100

100

100

100

人件費

70

60

50

40

30

その他経費

20

30

40

50

60

営業利益

10

10

10

10

10

労働分配率

70%

60%

50%

40%

30%

人的投下

労働集約型

準労働集約型

標準

標準

資本集約型

 

上表に照らし合わせて、自身の会社が、労働集約型なのか、資本集約型なのか、はたまた標準的な産業なのかを判断します。そのうえで、労働分配率の適正指標と比較し、適正度合いを判定します。

 

なお、労働分配率が高い水準の労働集約型の代表例は、コールセンターです。労働分配率が低い水準の資本集約型の代表例は、無人化が進んでいる製造工場です。

 

 

経営診断判定表2

労働分配率

診断結果

 

適正指標より低い

 

労働生産性が高いです。少数精鋭で効率的な経営が実現できております。少数精鋭体制は、中小企業にとって理想的な姿です。

 

 

適正指標より高い

 

労働生産性が低いです。人件費が過分にかかっております。人員の活用がうまくいっていない場合は、配置転換等で収益を上げる方法を検討します。配置転換等で収益増加が見込めない場合は、適正な水準になるように人員整理を検討することをお薦めします。

 

 

 

1人1時間あたりの付加価値

 

1人1時間あたりの付加価値は、社員1人あたりの労働効率を示す経営指標です。

 

1人1時間あたりの付加価値の計算式は下記の通りです。

①付加価値=総人件費+営業利益

 

②1人1時間当たりの付加価値=付加価値(①)÷総労働時間

 

経営診断判定表

1人1時間の付加価値

診断結果

 

増加

 

労働生産性が向上しています。生産性と収益性が高く、骨太で力強い経営体質の会社経営ができています。

 

 

減少

 

労働生産性が低下しております。人員過剰や残業過多等に陥っている可能性があります。生産性と収益性を上げるための経営改善が必要です。

 

 

 

労働生産性分析は「労働分配率」と「1人1時間あたりの付加価値」で分かる

 

中小企業の労働生産性を計る際に、会社全体の労働効率を示す「労働分配率」だけに注目する経営者がおりますが、社員1人あたりの労働効率を見落とすと、企業の労働生産性を見誤ります。

 

なぜなら、労働分配率が適正水準であっても、社員1人あたりの労働効率が悪化していれば、容易に会社全体の生産性と収益性が低下してしまうことがあるからです。

 

従って、中小企業の労働生産性を診断する際は、必ず会社全体の労働効率と社員1人の労働効率をセットに考えなければなりません。

 

「労働分配率」と「1人1時間あたりの付加価値」の両面で企業の労働生産性を診断すると、本当の姿が見えてきます。

 

 

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