倒産を防止する経営管理の手法

経営管理手法と安定経営の極意

経営管理手法と安定経営の極意

 

会社の経営状態や経営者の考え方に触れて、「あぁ、この会社は長く続かないな」と思うことがあります。

 

このような思いを抱かせる会社の特長は「経営管理が杜撰」ということです。

 

因みにこの特徴は、倒産の危機に瀕する会社にも共通しています。

 

今現時点の会社経営が安定していたとしても、経営管理が杜撰な会社は経営者が交代した途端、或いは、経済環境が変化した途端に業績が悪化することが良くあります。

 

会社経営は何でもかんでも管理すれば良いというものではありませんが、最低限おさえなければならない経営管理を放棄してしまっては、やはり心もとない不安定な経営に陥ってしまいます。

 

 

経営管理手法「利益水準のモニタリング」

 

会社の生存を担保する唯一の要素は「会社の利益」です。

 

従って、利益水準のモニタリングは会社の安定経営を実現するうえで最も重要な経営管理といえます。

 

 

過去のわたしの経験から、倒産の危機に瀕するような会社は利益水準のモニタリングがされていないばかりか、然るべき利益目標もありませんでした。

 

利益目標が無いということは、売上を作るための経費配分がいい加減、低い利益水準で経営が不安定など等、安定経営を阻害するリスクが徐々に増えていくことになります。

 

例えば、100円の売上に対して10円の利益を確保するという絶対目標がある会社であれば、経費を90円以下に抑える経営管理(経営努力)が自然と働きます。

 

利益目標が管理されていない会社であればどうなるでしょうか?

 

100円の売上に対して99円の経費をかけても1円の利益が出ていれば良しとする。

 

或いは、100円の売上に対して101円の経費をかけて1円の赤字だとしても少額赤字だから良しとする。

 

会社経営は経営者のさじ加減ひとつでいかようにも変化します。

 

直感と経験に長けた経営者であれば、少ない利益、或いは少額の赤字でも会社経営を乗り切れるのかも知れませんが、

 

・経営者が交代したら?

 

・経済環境が悪化したら?

 

など等、経営管理手法が杜撰な会社は、少しの経営環境の変化に対応することが出来ずに業績が悪化してしまうことがあります。

 

 

利益水準を正しくモニタリングする経営管理手法とは?

 

利益水準を正しくモニタリングする経営管理手法は沢山ありますが、ここでは、すべての業種業態に活用可能な手法を紹介します。

 

 

利益水準を正しくモニタリングするには、然るべき経営指標とモニタリングのタイミングを抑える必要があります。

 

まず、利益水準をモニタリングする際に活用する経営指標は「売上総利益高営業利益率」です。

 

計算式と適正指標は下記の通りです。

売上総利益高営業利益率=営業利益÷売上総利益

 

適正指標:10%~20%

 

利益水準のモニタリングは、毎月、月次決算のたびに行い、更に、長期間にわたって継続することが大切です。

 

利益は会社の存続を担保する唯一の要素です。

 

従って、「利益」というたったひとつの基準軸を経営管理に導入するだけで、あらゆる局面で適切に経営判断を下せるようになります。

 

利益水準を上げるために考えるべきことは多くありません。

 

・売上総利益を増やす

 

・経費を減らす

 

主な経営管理の要素は、この二つに集約されます。

 

 

利益水準を上げる経営管理手法とは?

 

先に説明した通り、利益水準を上げるための経営管理要素は「売上総利益を増やすこと」、「経費を減らすこと」のふたつです。

 

売上総利益を増やすための経営管理は下記二つに分解できます。

 

・売上を増やす

 

・売上原価を減らす

 

経費を減らすための経営管理は下記二つに分解できます。

 

・人件費を減らす

 

・人件費以外の経費を減らす

 

利益水準というたった一つの基準軸から、安定経営を支える4つの経営管理手法が生み出されました。

 

 

言い換えると、経営者の「利益をみる」というたった一つの行動が、会社経営に有効な経営管理手法を生み出すのです。

 

目標も、やるべき経営管理も分かりやすいですので、経営者の直感や経験が多少劣っていたとしても、会社経営を誤るリスクを低く抑えることが出来ます。

 

例えば、100円の売上に対して、10%の売上総利益営業利益率を確保するという絶対目標に対して、常に4つの経営管理が働いていれば、良好な利益水準に向かって経営が改善され、徐々に強靭な利益体質が育ってきます。

 

当然ながら、経営者には、確かな経験と体験と共に経営判断の自信が身についていくことになります。

 

 

※売上総利益高営業利益率が10~20%の範囲内であっても営業利益金額が一定水準よりも少ないと、安定経営の基盤が整わない場合があります。その場合は、率ではなく、金額の増加を目指すことが先決となります。

 

 

<<前の記事  次の記事>>

 




 


人気記事ランキングTOP3


社長!!その〇〇、大丈夫ですか?例えば、売上、利益、計画、見通し、お金、投資、人事、など等、経営の落とし穴は至るところに潜んでいます。経営者必見の失敗しない会社経営のノウハウをたっぷり紹介しています。

巷の書店などに出かけると様々な経営書が並んでいることに驚きます。中小企業の会社経営をする上で、すべてを鵜呑みにして受け入れることが出来るか否か?答えはノーです。その理由とは?

経営と数字は切っても切れない関係にあります。数字に強い経営者がどのようにして会社の数字を捉え、会社の数字を経営に活かしているか事例を交えて紹介しています。

人気記事ランキングをもっとみる⇒⇒

関連ページ

経営の勉強を基本原則から学ぶ
経営のことを勉強するのであれば、基本原則から学ぶのが最も有効な方法です。経営者が抑えるべき経営の基本原則と共に、経営の勉強をする上での大切なポイントを紹介しています。
会社経営の手法は何が正しいのか?
巷の書店などに出かけると様々な経営書が並んでいることに驚きます。中小企業の会社経営をする上で、すべてを鵜呑みにして受け入れることが出来るか否か?答えはノーです。その理由とは?
運転資金の把握は経営の基本技術です
運転資金の把握は、普段の会社経営のみならず、新規事業、事業買収や吸収、事業の立て直しなど全ての局面における会社経営を成功に導く基本になります。安定経営と運転資金について説明しています。
持続的成長を支える企業経営を理解する
持続的成長なくして企業の存続はありません。持続的成長さえできていれば経営が行き詰ることはありません。持続的成長を支える企業経営の仕組みを紹介しています。
売上低迷の原因を捉え売上を上げる方法
売上が低迷する原因は低迷の予兆を見逃すところに第一の原因があります。特別な経営技術がなくても売上低迷の原因は見抜けます。売上低迷を見逃さない方法と共に売上を上げる方法を紹介しています。
従業員の不満を捉え満足度を上げる方法
従業員の不満を捉え満足度を上げるには不満の種を見逃さない経営技術を身につけることが大切です。経営者が身につけておきたい従業員の不満を捉える具体的手法と共に満足度を上げる方法を紹介しています。
中小企業の経営指標一覧表
経営指標とは経営の目標となりうるひとつの基準です。中小企業の会社経営の道筋を立てるうえで経営指標は大変有効に機能します。中小企業が活用すべき経営指標を一覧表で紹介しています。
経営目標と経営目標管理シートの記入例
経営目標は将来のあるべき姿を表します。経営目標がなければ経営者も社員達もどこに向かって進んでいいのか分からなくなってしまいます。経営目標と経営目標管理シートの記入例を紹介しています。
使える経営目標と使えない経営目標
使えない経営目標を闇雲に掲げてしまうと、的外れな経営改善、或いは非効率な経営改善に陥ることがあります。使えない経営目標と使える経営目標の一例を紹介しています。
中小企業の社員教育を成功させる秘訣
社員のレベルの低さに思わず嘆く中小企業経営者は少なくありません。中小企業の社員教育は社長自身が積極的に関わらない限り成功しません。中小企業の社員教育を成功させる秘訣を紹介しています。
倒産防止共済に頼らずに倒産を防止する秘訣
倒産防止共済(保険)に頼って日々の経営を疎かにしてしまっては、企業の発展成長は見えてきません。やはり、保険に頼ることなく安定経営の基盤を作ることが最も安全な保険といえます。主な倒産防止対策を紹介しています。
経営と数字|数字に強い経営者はここが違う!
経営と数字は切っても切れない関係にあります。数字に強い経営者がどのようにして会社の数字を捉え、会社の数字を経営に活かしているか事例を交えて紹介しています。
スワット(SWOT)分析で会社の強みと弱みを知る方法
スワット(SWOT)分析とは、自社の強みと弱み、外部の機会と脅威を明らかにして、会社を更なる成長に導く経営戦略を考える情報分析手法のことです。会社の強みと弱みを成長に繋げる具体的手法を紹介しています。
判断力と決断力|経営の根幹を支える判断と決断
物事を判断し決断する。その判断と決断が正しいのか、正しくないのか、常に検証する。それが会社経営の根源です。経営者の判断力と決断力を磨くコツを紹介しています。
予算管理|経営を支える予算管理の作成と運用方法
予算管理とは事業計画の実効性を高めるために収入と支出の計画を作成・運用する管理会計手法のひとつです。中小企業に適した実効性のある予算管理の作成と運用方法を紹介しています。
部下の叱り方|できる社長の𠮟り方
叱るというのは人材育成の一環で部下の不足している部分を諭す、教える、励ます、育むといった、前向きな姿勢を意味します。正しい叱り方は人材を人財に育てます。正しい部下の叱り方とは?
経営とブレーン|会社を成長に導く経営ブレーン
元気の良い会社には社内であれ社外であれ、必ず経営者のそばに優れたブレーンの存在があります。経営者が自身の能力以上の経営能力を発揮するにはブレーンの活用が欠かせません。
経営と情報|経営力を高める情報収集法
情報を制するものは経済を制するといわれています。会社経営においても情報の優劣如何で勝敗が決することが多々あります。情報収集法と共に会社経営に影響を与える重要な情報を紹介しています。
経営を誤らない意思決定の方法
経営と意思決定は深いかかわりを持っています。なぜなら、事業活動の結果は経営者の意思決定の連続で形作られていくからです。正しい意思決定を下す方法と秘訣を紹介しています。
安定経営と拡大経営の極意
企業の持続可能な経営環境は事業活動を経て然るべき利益を上げ成長投資へ還元することで整っていきます。そのために必要なのが安定経営と拡大経営です。その極意とは?
経営は計画がなければ成功しない
計画なくして経営の成功はあり得ないといっても過言ではありません。場当たり的経営、勘や経験に頼った経営、など等、計画のかけらもない会社経営は必ずどこかで行き詰ります。計画の重要性を説明しています。
経営のリスクマネジメント手法
リスクマネジメントは安定経営に不可欠な要素です。リスクマネジメントを怠ると、ほんの少しのきっかけで会社が大きく傾くことがあります。経営者が身につけるべきリスクマネジメントの手法を紹介しています。
お客様をリピート顧客に育てる方法とは?
お客様は企業を選ぶことが出来るというのが商売の原則です。そして、企業とお客様との接点で、たった一回でも落ち度があると、リピート率が低下してしまいます。リピート顧客を育てる秘訣を紹介しています。