中小企業経営者の正しい叱り方

部下の叱り方|できる社長の𠮟り方

部下の叱り方|できる社長の𠮟り方

 

経営者の部下の𠮟り方ひとつで社員のモチベーションが一気に低下することがあります。

 

叱るというのは、こちらの不満を感情のままに相手にぶつける「怒る」のとは少し違います。

 

あくまで人材育成の一環で相手(部下)の不足している部分を諭す、教える、励ます、育むといった、前向きな姿勢が「叱る」ということです。

 

一時は憎まれても、時の経過と共に恩人化していく経営者は、けっして怒ることなく、叱って人材(部下)を伸ばすポイントを抑えています。

 

では、正しい部下の叱り方とは一体どのようなものなのでしょうか?

 

 

正しい部下の叱り方とは?

 

部下を叱る口調は、大声でも、穏やかな口調でも、どちらでも大丈夫です。

 

大事なのは「罪を憎んで人を憎まず」の言葉通り、けっして怒ることなく、叱る理由を正しく伝えることが重要です。

 

 

例えば、

 

・事実だけを伝える

 

・なぜ叱るのかを教える(損失論、筋論、安全論、道徳論、組織論など等)

 

など等、けっして怒ることなく、愛情と事実を持って淡々と叱ることが大切です。

 

ちなみに、人材育成機関がない中小企業の場合は、我慢せずにその場その場で叱った方が人材(部下)の成長スピードが早まります。

 

叱ることに辛抱は不要です。

 

上手な叱り方は組織を成長させるのです。

 

 

やってはいけない部下の叱り方とは?

 

叱り方は、言葉の扱いや言動ひとつで失敗に陥ることがあります。

 

やってはいけない部下の叱り方の主な例を紹介します。

 

 

部下の人格を傷つけない

 

ダメ、アホ、バカ、カス、お前の代わりはいくらでもいる、出来ないのはお前だけ、男なのに、女なのに、など等、部下の人格を否定する、或いは、部下の人格を傷つける言葉は絶対に使わないこと。

 

このような卑怯かつ汚い言葉を部下にぶつけると、心の距離が一気に離れて、信頼関係が破綻し、離職に繋がるリスクが飛躍的に高まります。

 

部下の人格を尊重する秘訣は、経営者自身の価値尺度を放棄して、徹底して客観性を保つところにあります。

 

例えば、

 

・自己中心(自分中心の考えで相手を裁く)

 

・自善他悪(自分が善くて相手が悪い)

 

・自己独善(自分一人が善い・正しい)

 

など等、自分の価値を相手に押し付けるような考え方では、部下の人格を尊重することはできません。

 

自分も部下と同じ立場だったらどうだろうか?という、常に部下の立場になって考える客観性が大切なのです。

 

 

部下を叱ったことを引きずらない

 

部下を叱ったことを引きずって、「あの時もそうだった」、「また同じことをやって」、「どうせまた同じ失敗をするだろう」など等、過去を引きずって部下を追い詰めないこと。

 

部下を叱るときは、その時に起こった事実のみを叱ることが大切です。過去の失敗を持ち出したり、想像で結果を決めつけたりする女々しさは不要です。

 

また、部下を叱った後に、無視をするなどの陰険な仕打ちもしないこと。

 

経営者自身が過去を引きずっている自分に気付いた場合は「執念深い!!」と自身を一喝すると心が晴れます。

 

過去を引きずらない経営者のもとでは社員が委縮することはありませんが、引きずる経営者のもとでは社員が委縮してしまい労働生産性が著しく低下することがあります。

 

 

物に当たらない

 

物に罪はありません。物に当たるのはお門違いというものです。

 

また、物に当たるという高圧的な態度を取っていると社長に進言する習慣が失われ、ナンバー2不在、イエスマン天国など、ワンマン経営の末期状態に陥ってしまうリスクが高まります。

 

 

 

経営者と部下の信頼関係が悪化すると離職が加速する

 

部下が会社を辞める最大の原因は、経営者(もしくは上司)との信頼関係の悪化、或いは破綻です。

 

従って、経営者が部下に対してしっかりとコミュニケーションを深めていれば、部下が離職することはそうそうありません。

 

コミュニケーションの手段は難しくありません。普段の声掛けや差し入れなどの気遣いで十分です。

 

そして、部下がミスを犯したときは、けっして怒ることなく、正しい叱り方を持って部下と接することが大切です。

 

叱り方ひとつ意識するだけで、人材が人財に育ちます。

 

実は、わたし自身も、過去に叱り方で失敗したことがあります。

 

まだ上場企業に勤めていた時のことです。とある部署の管理職として部下を持つ立場にいたわたしは、仕事のミスを犯した部下に対して人格を傷つけるような言葉をぶつけてしまいました。

 

それからわずかひと月もしない内に、部下は会社を去ってしまいました。

 

自分の非を猛省しても後の祭りです。

 

罪を憎んで人を憎まず、けっして怒ることなく正しい叱り方を持って部下と接しようと心に決めたのはそれからです。

 

 

<<前の記事  次の記事>>

 




 


人気記事ランキングTOP3


社長!!その〇〇、大丈夫ですか?例えば、売上、利益、計画、見通し、お金、投資、人事、など等、経営の落とし穴は至るところに潜んでいます。経営者必見の失敗しない会社経営のノウハウをたっぷり紹介しています。

巷の書店などに出かけると様々な経営書が並んでいることに驚きます。中小企業の会社経営をする上で、すべてを鵜呑みにして受け入れることが出来るか否か?答えはノーです。その理由とは?

経営と数字は切っても切れない関係にあります。数字に強い経営者がどのようにして会社の数字を捉え、会社の数字を経営に活かしているか事例を交えて紹介しています。

人気記事ランキングをもっとみる⇒⇒

関連ページ

経営の勉強を基本原則から学ぶ
経営のことを勉強するのであれば、基本原則から学ぶのが最も有効な方法です。経営者が抑えるべき経営の基本原則と共に、経営の勉強をする上での大切なポイントを紹介しています。
会社経営の手法は何が正しいのか?
巷の書店などに出かけると様々な経営書が並んでいることに驚きます。中小企業の会社経営をする上で、すべてを鵜呑みにして受け入れることが出来るか否か?答えはノーです。その理由とは?
運転資金の把握は経営の基本技術です
運転資金の把握は、普段の会社経営のみならず、新規事業、事業買収や吸収、事業の立て直しなど全ての局面における会社経営を成功に導く基本になります。安定経営と運転資金について説明しています。
持続的成長を支える企業経営を理解する
持続的成長なくして企業の存続はありません。持続的成長さえできていれば経営が行き詰ることはありません。持続的成長を支える企業経営の仕組みを紹介しています。
売上低迷の原因を捉え売上を上げる方法
売上が低迷する原因は低迷の予兆を見逃すところに第一の原因があります。特別な経営技術がなくても売上低迷の原因は見抜けます。売上低迷を見逃さない方法と共に売上を上げる方法を紹介しています。
従業員の不満を捉え満足度を上げる方法
従業員の不満を捉え満足度を上げるには不満の種を見逃さない経営技術を身につけることが大切です。経営者が身につけておきたい従業員の不満を捉える具体的手法と共に満足度を上げる方法を紹介しています。
中小企業の経営指標一覧表
経営指標とは経営の目標となりうるひとつの基準です。中小企業の会社経営の道筋を立てるうえで経営指標は大変有効に機能します。中小企業が活用すべき経営指標を一覧表で紹介しています。
経営目標と経営目標管理シートの記入例
経営目標は将来のあるべき姿を表します。経営目標がなければ経営者も社員達もどこに向かって進んでいいのか分からなくなってしまいます。経営目標と経営目標管理シートの記入例を紹介しています。
使える経営目標と使えない経営目標
使えない経営目標を闇雲に掲げてしまうと、的外れな経営改善、或いは非効率な経営改善に陥ることがあります。使えない経営目標と使える経営目標の一例を紹介しています。
中小企業の社員教育を成功させる秘訣
社員のレベルの低さに思わず嘆く中小企業経営者は少なくありません。中小企業の社員教育は社長自身が積極的に関わらない限り成功しません。中小企業の社員教育を成功させる秘訣を紹介しています。
倒産防止共済に頼らずに倒産を防止する秘訣
倒産防止共済(保険)に頼って日々の経営を疎かにしてしまっては、企業の発展成長は見えてきません。やはり、保険に頼ることなく安定経営の基盤を作ることが最も安全な保険といえます。主な倒産防止対策を紹介しています。
経営と数字|数字に強い経営者はここが違う!
経営と数字は切っても切れない関係にあります。数字に強い経営者がどのようにして会社の数字を捉え、会社の数字を経営に活かしているか事例を交えて紹介しています。
スワット(SWOT)分析で会社の強みと弱みを知る方法
スワット(SWOT)分析とは、自社の強みと弱み、外部の機会と脅威を明らかにして、会社を更なる成長に導く経営戦略を考える情報分析手法のことです。会社の強みと弱みを成長に繋げる具体的手法を紹介しています。
経営管理手法と安定経営の極意
会社経営は何でもかんでも管理すれば良いというものではありませんが、最低限おさえなければならない経営管理を放棄してしまっては不安定な経営に陥ってしまいます。経営管理手法と安定経営の極意を紹介しています。
判断力と決断力|経営の根幹を支える判断と決断
物事を判断し決断する。その判断と決断が正しいのか、正しくないのか、常に検証する。それが会社経営の根源です。経営者の判断力と決断力を磨くコツを紹介しています。
予算管理|経営を支える予算管理の作成と運用方法
予算管理とは事業計画の実効性を高めるために収入と支出の計画を作成・運用する管理会計手法のひとつです。中小企業に適した実効性のある予算管理の作成と運用方法を紹介しています。
経営とブレーン|会社を成長に導く経営ブレーン
元気の良い会社には社内であれ社外であれ、必ず経営者のそばに優れたブレーンの存在があります。経営者が自身の能力以上の経営能力を発揮するにはブレーンの活用が欠かせません。
経営と情報|経営力を高める情報収集法
情報を制するものは経済を制するといわれています。会社経営においても情報の優劣如何で勝敗が決することが多々あります。情報収集法と共に会社経営に影響を与える重要な情報を紹介しています。
経営を誤らない意思決定の方法
経営と意思決定は深いかかわりを持っています。なぜなら、事業活動の結果は経営者の意思決定の連続で形作られていくからです。正しい意思決定を下す方法と秘訣を紹介しています。
安定経営と拡大経営の極意
企業の持続可能な経営環境は事業活動を経て然るべき利益を上げ成長投資へ還元することで整っていきます。そのために必要なのが安定経営と拡大経営です。その極意とは?
経営は計画がなければ成功しない
計画なくして経営の成功はあり得ないといっても過言ではありません。場当たり的経営、勘や経験に頼った経営、など等、計画のかけらもない会社経営は必ずどこかで行き詰ります。計画の重要性を説明しています。
経営のリスクマネジメント手法
リスクマネジメントは安定経営に不可欠な要素です。リスクマネジメントを怠ると、ほんの少しのきっかけで会社が大きく傾くことがあります。経営者が身につけるべきリスクマネジメントの手法を紹介しています。
お客様をリピート顧客に育てる方法とは?
お客様は企業を選ぶことが出来るというのが商売の原則です。そして、企業とお客様との接点で、たった一回でも落ち度があると、リピート率が低下してしまいます。リピート顧客を育てる秘訣を紹介しています。