成功を支える経営の思考法|成功者が身につけている思考法とは

成功を支える経営の思考法

 

中小企業の最たる倒産原因である「経営課題の見落とし」は、会社経営の成功を支える「経営の思考法」を身につけることでカバーすることができる。

 

経営の思考法とは、未来を起点に現在を考えるバックキャスティング的思考法と、現在を起点に未来を考えるフォアキャスティング的思考法のことだ。

 

この記事では、成功を支える経営の思考法、並びに、成功者が身につけている思考法について、詳しく解説する。

 

 

成功を支える経営の思考法とは?

 

ヒトは無意識の中で未来を意識して生きている。

 

日常においても、出社時間を起点に外出時間が決まり、さらに外出時間を起点に起床時間が決まり、というように、常に未来が起点となり自分の行動が決定していることに気が付くだろう。

 

会社経営も例外ではない。

 

こういう会社にしたいという未来の理想の姿に向かって、或いは、具体的な金額目標に向かって事業活動を推進することが理想の会社を作り上げてゆくのだ。

 

ヒトも会社も、未来を起点に現在の行動を考え、今の行動を決定する。このような思考法を「バックキャスティング」という。

 

未来を起点に現在を考えるバックキャスティング的思考法は、会社経営において、未来のなりたい姿を見定めて、現状抱えている経営課題を捉えるうえで大変有効だ。

 

一方、バックキャスティングと対極にあるのが、現在を起点に未来を考える思考法の「フォアキャスティング」である。

 

例えば、支度に手間取ったから約束の時間に遅れる、というのは現在を起点に未来を考えるフォアキャスティング的思考法で、会社経営において、業績予測や未来予測をするうえで大変有効な思考法だ。

 

この「バックキャスティング」と「フォアキャスティング」は常に対の関係にあり、会社経営の成功を支える「経営の思考法」の両輪をなしている。

 

 

当然ながら、バックキャスティング思考法とフォアキャスティング思考法は、バランスよく使いこなすことが重要だ。

 

どちらか一方が欠けた思考法では会社経営に成功することはない。ふたつの思考法をバランスよく使いこなすことが、会社経営を成功に導く秘訣なのだ。

 

 

経営の思考法で経営課題を解決する

 

経営者の成功を支える「経営の思考法(バックキャスティング的思考法・フォアキャスティング的思考法)」は経営課題の解決にも大いに役立つ。

 

例えば、現在と未来のなりたい姿の間には必ずギャップが生じる。

 

そして、そのギャップは、未来に向かって今すべきこと(課題)を如実に表す。

 

経営の思考法でギャップを正しく認識し、そのギャップを正しい手段で解消している限り、成功するのは時間の問題となる。

 

 

日常生活を例えに、経営の思考法(バックキャスティング的思考法・フォアキャスティング的思考法)とギャップ解消の成功事例を解説する。

 

例えば、「朝9時にスーツ姿で出社する」という未来に対して、現在は「自宅でパジャマを着ている」という状況があるとすれば「場所と服装」にギャップが生じる。

 

▶ギャップを解消するために、スーツに着替えて出勤する時間を逆算して外出時間を決める。(バックキャスティングで課題を決定)

 

▶しかし外出時間が遅れてしまって、間に合わないと思ったので移動手段をバスからタクシーに切り替える。(フォアキャスティングで未来を予測し、バックキャスティングで課題を解消)

 

このように、現在と未来の正しいギャップを認識し、かつバックキャスティングとフォアキャスティングを相対的に活用しながら課題を解消することが、未来のなりたい姿を叶える秘訣になる。

 

 

経営の思考法とギャップ解消の失敗事例 ケース1

 

経営の思考法とギャップ解消の失敗事例について解説する。

 

例えば、先の例の状況下で、パジャマ姿のまま家から一歩も出ずに居座ってしまったらどうなるか?

 

当然ながら、9時に出社することはできず、ギャップはいつまで経っても解消されない。当たり前だが、ギャップを解消する努力をしなければ、描いた未来は永遠に実現することはできない。

 

また、ギャップや課題を誤認識してしまうのも問題だ。

 

▶目覚ましをかけ忘れて寝坊(バックキャスティング不足)

 

▶寝坊して出社時間に間に合わないにも関わらず、いつも通りの移動手段で遅刻
(フォアキャスティング不足)

 

▶その後、目覚まし時計をかけず自力で間に合う時間に起きる努力をするが寝坊は改善せず(課題の誤認識)

 

⇒結局、本人は一生懸命やっているつもりでも勤務態度に問題ありという評価が会社から下され降格処分となる。

 

ギャップは認識しているものの課題を見誤ってしまい、努力する方向が正しくなかったということだが、これではなりたい姿には到底及ばず、それどころか悪化の一途を辿ってしまう。

 

 

経営の思考法とギャップ解消の失敗事例 ケース2

 

前章で解説した経営の思考法とギャップ解消の失敗事例を会社経営に当てはめてみると、経営課題を見落とす、或いは見誤ると、成長発展するどころか、倒産の危機に瀕することが容易に想像できる。

 

例えば、、、

 

▶会社の数字を軽視し勘と経験に頼って場当たり的な経営をしている会社(バックキャスティング不足)

 

▶業績が低迷しているにも関わらず従来の経営手法を改善しようとしない会社(フォアキャスティング不足)

 

▶売上を上げようと過度に経費をかけ過ぎて赤字が膨らんでいる会社(課題の誤認識)

 

過去にわたしがみてきた中小企業の経営が傾く最たる原因は「経営課題の見誤り」、或いは、「経営課題の見落とし」だった。

 

誤った現状認識や誤った未来予測に基づいた経営課題は会社の成長発展に少しも役立たない。むしろ、足を引っ張り経営が傾くきっかけを作りかねない。

 

経営者は「経営の思考法」を身につけて、常に正しい現在と未来の姿を意識し、正しい手段で経営課題を解消する努力を継続しなければならないのだ。

 

 

経営者の確かな思考が会社経営を成功に導く

 

経営者が正しい思考を身につけ、経営課題を解消する努力を継続している限り、会社経営は間違いなく成功する。

 

下図で示す通り、経営者が先頭に立って今すべきことを確実に実行することが、成功を引き寄せるのだ。

 

 

経営者の誤った現状認識と未来予測によって会社が伸び悩んでいるケースは非常に多い。

 

会社が抱えているギャップを正しく捉え、なお且つ、正しい手段で経営課題を解消するには、会社経営の成功を支える「経営の思考法」を身につけることが何よりも大切だ。

 

伊藤のワンポイント
 

会社経営の失敗と成功は、経営者の思考法ひとつで決まります。正しい思考がなければ、正しい努力ができないからです。努力すれば報われるという考えは、会社経営の世界では通用しません。正しい努力を丹念に続けることでしか成功を掴むことはできません。つまり、誤った思考では全ての努力が水の泡になるのです。