中小企業の管理会計入門

経営力をグッと上げる管理会計とは?

管理会計入門|経営力をグッと上げる管理会計とは?

 

管理会計とは、財務諸表等の経営データの数値を有益な情報に変換、管理、運用し経営力を高める会計手法のことです。

 

例えば、財務諸表に記載されている数字は紛れもない事実の羅列です。

 

財務諸表をみれば、資産がいくらある、負債がいくらある、売上がいくらある、利益がいくらある、など等、それぞれの実績金額を把握することができます。

 

しかしながら、資産と負債のバランスが適正なのか、売上の成長率は適正なのか、利益の水準は適正なのか、など等、経営の適正度合いを実績金額だけで判断するのは困難です。

 

つまり、何ら手を加えていない財務諸表等の経営データを眺めていても、データの性質や意味を知ることはできないのです。

 

そこで活躍するのが「管理会計」です。

 

 

 

 

管理会計は良質なフィルター!?

 

管理会計は、正しい経営判断を支える良質な根拠情報を生み出します。言ってみれば、管理会計とは、「会社の数字」を「良質な情報」に変換させるフィルターのようなものです。

 

従って、管理会計を導入するか、しないかで、経営判断の精度と優劣は大きく変わります。

 

事実、赤字経営と管理会計の導入率は相関関係にあるようです。

 

 

実は、中小企業の管理会計導入率は20%程度、一方、管理会計未導入の会社は80%と云われています。

 

中小企業の70%が赤字経営と云われておりますので管理会計未導入と赤字経営は相関がとれています。

 

経験と勘に頼った経営では、長期的な会社経営を実現するのが難しいです。

 

例えば、陸上選手が100m走と10,000m走のどちらに出走しているのか分からずにスタートを切った場合、結果はどうなるでしょうか?

 

考えるまでもありませんよね?

 

100m走と10,000m走では、出走するまでのトレーニング方法、ゴールまでのペース配分、全ての条件が変わってきます。

 

数字を無視した経営というのは、ゴールを知らずに走り出している陸上選手のようなものです。

 

一等賞はもちろんのこと、一生、競争相手に勝つことは出来ないでしょう。

 

 

管理会計は入門者でも簡単に習得できる!!

 

管理会計は、入門者でも簿記や会計の知識ゼロでも簡単に習得することができます。

 

なぜなら、原則、四則演算(加減乗除・+-×÷)の世界だからです。

 

 

また、管理会計は会社の活きた数字を使いますので、日常的に運用することで経営力がみるみる向上します。

 

運用開始から3ヵ月もすれば、数字に強い社長に変貌することも可能です。

 

但し、管理会計を導入するうえで気を付けるべきポイントがあります。

 

それは、「継続性(継続したモニタリング)」です。

 

管理会計で活用する経営指標は、業種業態、業績、企業文化や経営者の方針によって変化します。

 

そして、それぞれの企業に合った経営指標は、管理会計を長期的に運用することでみえてきます。

 

継続性なくして、正しい経営指標は見出せません。

 

従って、会社に管理会計を導入する場合は、いくつかの経営指標の分析を定期化し、更に長期間継続することが不可欠となります。

 

会社に合った経営指標が明確になると、経営改善の効率が飛躍的に向上します。また、赤字経営に転落するリスクも著しく低下します。

 

 

管理会計を導入する場合のはじめの一歩は??

 

会社に管理会計を導入したいと考えても、どこから手を付けたらいいのか分からないという経営者の方もいらっしゃると思います。

 

 

そこで、管理会計を導入するうえで、はじめの一歩にお薦めの経営指標を紹介します。

 

紹介する4つの経営指標は業種業態関係なく、どんな会社にも通用する指標です。

 

損益面(収益性)

売上成長率売上総利益高営業利益率

資産面(安全性)

当座比率自己資本比率

 

それぞれの単語(ワード)をクリックすると各経営指標の解説記事をご覧になれます。

 

実際に、ご自身の会社の決算書を3期分手元に用意して分析してみてください。

 

管理会計が意外とやさしい手法であることが理解できると思います。

 

なお、経営指標の分析は、1か月分、或いは、直近の決算書1期分の数字を分析しても、会社の経営状態は見えてきません。

 

決算書であれば、直近から過去3年から5年分の分析が必要です。

 

点から線へ、線から面へというように、過去から現在までの一定期間の業績推移が分かると、経営状態が明確に浮かび上がり、将来の業績予測も容易にできるようになります。

 

 

さて、損益面(収益性)と資産面(安全性)の分析結果は如何でしたか?

 

良い方向に進んでおりましたか?

 

それとも、悪い方向に進んでおりましたか?

 

たった4つの経営指標であっても、過去3年分の数字を並べてみると、会社が良い方向に進んでいるのか、或いは、悪い方向に進んでいるのか、一目瞭然で判別できると思います。

 

会社の数字は色んなことを経営者に教えてくれます。

 

例えば、売上総利益高営業利益率の水準が低い会社は、利益を上げるための経営改善策を真剣に考えるきっかけになります。

 

自己資本比率の水準が低い会社は、利益を拡大して、借金を減らし、純資産を増やすための経営改善策を真剣に考えるきっかけになります。

 

当然のことながら、会社の数字を抜きにして、安定経営を実現することは不可能に近いです。

 

経験や勘が鋭いのに越したことはありませんが、更に数字にも強くなったら、経営者として言うことありません。

 

管理会計は難しい世界ではありません。

 

本当に実効性のある僅かな経営指標だけでも、十分に効果のある管理会計を運用することができるのです。

 

 

伊藤式管理会計の原点とは?

 

わたしが運用している管理会計は、次の3つの経験と体験をベースに独自開発したものです。

 

・会計の専門知識を習得

 

・中小企業の経営で実践

 

・経営コンサルティングで実践

 

わたしの場合、プロの経営者になるためには会計の知識は抑えておく必要があるだろうと考えて、税理士学校に通って、会計の勉強をスタートしました。

 

 

丸5年間は平日の夜と土日を勉強漬けの日々にしましたので、肉体的にも精神的にも大変ではありましたが、会社経営に活かせる基本知識(民法・会計・税法・etc)がどんどん身につきましたので楽しさの方が勝っていました。

 

会計の知識を習得する過程で思ったのですが、実は、会計や税法には会社経営の実務にそのまま活かせる知識は殆どありませんでした。

 

例えば、倒産予防に有効な経営管理手法、売上や利益を効率的に拡大する手法、安定経営を実現するための経営手法等々、会社経営の実務に活かせる知識は殆ど含まれていませんでした。

 

巷の経営コンサルタントや税理士の先生が持っている会社経営の知識が如何に浅いものか思い知ったのも、この時期です。

 

わたしが幸いだったのは、会計を学びながら、中小企業の経営に参画していたことです。この時期に、会計の専門知識と会社経営の実学をベースに、会社経営に有効な管理会計の手法を次々と開発しました。

 

更に、経営コンサルティング会社を設立(2008年)してまもなくから数十社の会社再建の仕事にも恵まれました。

 

会社再建は経営力を磨く最短の近道です。経営状態がマイナスからのスタートですので、経営力を総動員しなければ再建は成功しません。

 

1社、そしてまた1社と会社再建に関わるたび、薄皮を一枚一枚重ねるように自身の経営力と共に管理会計技術を高めていきました。

 

苦労も多く時間もかかりましたが、会社経営の原理原則と共に、会社経営の実務に有効な管理会計技術を身につけることができたのです。

 

 

管理会計は経営者を救う優れたツール!!

 

管理会計ほど経営者を支えるツールはありません。

 

なぜなら、安定経営の実現、中小企業に適した経営戦略の展開等々、堅実な会社経営を行う上で管理会計ほど役立つツールはないからです。

 

 

例えば、倒産の危機に瀕するような会社は、例外なく管理会計を導入していませんでした。

 

そして、経営者は全員、数字に弱かったです。経営者が数字に弱いゆえに、会社が傾いたといっても過言ではありませんでした。

 

倒産に瀕するような会社でも、例外なく利益水準が高く、好調な時期がありました。

 

好調な時期に、どうして経営者自身の経営能力を上げるための投資をしなかったんだろう?

 

或いは、会社再建の仕事に関わるたびに「好調な時期に管理会計さえ導入していれば」と、忸怩たる想いを抱いたことは数知れません。

 

会社再建に支払う犠牲は半端なく大きいです。

 

経験のない経営者には想像がつかないかも知れませんが、わたしは、倒産の危機に瀕するような会社は1社でも少ない方が良いと、心の底から思っています。

 

当サイトで貴重な経営ノウハウを無料で公開しているのも「黒字経営のうちに適切に判断できる経営環境を多くの中小企業に提供したい」という想いがあるからです。

 

会社の数字から顔を背けても何も発展しません。

 

会社の発展は会社の数字と正面から向き合うところから始まります。

 

そして、会社の変調は必ず数字に表れます。

 

普段から数字を理解していれば、きっと数字に救われます。そのためにも管理会計の導入が欠かせないのです。

 

 

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