中小企業の経営診断とは?|経営診断は儲かる会社を作る第一歩
会社の健康状態を診ることを「経営診断」という。
人間の身体と同じように、会社も定期的に健康状態を診断することで業績悪化という名の病気を予防することができる。
当然ながら、経営診断をなおざりにしていると、深刻な経営課題を見逃すリスクが高まる。会社が衰退する最たる原因は「経営課題の見落とし」なので、経営診断ほど、会社衰退のリスクを軽減する取り組みはない。
この記事では、経営診断の基本手法から経営診断の主な効果に至るまで、詳しく解説する。
経営診断の実施タイミング
経営診断は、業績悪化という自覚症状が出てから行っても効果はなく、先手先手の経営診断が効果的だ。
例えば、経営診断で経営課題が発掘できれば、すぐに、その課題を解決すべく経営改善に取り組むことができる。さらに、経営診断を定期的に実施していれば、経営改善効果を測定することもできる。
従って、経営診断は正常な経営状態をキープするために定期的に行うのが正しいタイミングだ。
業績悪化という自覚症状を感じてから経営診断を行っても時すでに遅しで、債務超過等の末期症状まで業績悪化が進行している場合は挽回策が極めて限られる。
「業績が悪化してきたから経営診断を行ってみよう」という発想ではなく、「儲かる会社を作るために経営診断を定期化しよう」という発想で、先手先手で経営診断を運用・活用することが診断効果を最大化する秘訣だ。
経営診断は業績に関係なくプラス効果がある!!
経営診断は、過去・現在・未来の会社の経営課題を明らかにする。
従って、経営診断は、赤字経営だろうが黒字経営だろうが、業績に関係なく様々なプラス効果をもたらす。
例えば、日頃から経営診断を運用・活用していれば、事前に赤字経営のリスクを摘み取ることができるので、比較的平穏に黒字経営を維持することができる。
赤字経営であっても、経営診断で経営課題を解決するための然るべき経営目標が明かになるので、赤字脱却の道筋が見える。
更に、会社の強みと弱みも明らかになるので、会社の強みを伸ばす、或いは、会社の弱味を改善する、といった経営改善も効果的に行うこともできる。
経営診断なくして会社の安定経営はあり得ないといっても過言ではなく、いかに早い段階で自社に適した経営診断を定着させるかが、安定と衰退の分かれ道になる。
経営診断の基本手法
中小企業の経営診断は、資産状況、損益状況、資金繰り、組織内部などの領域を客観的資料や情報に基づいて診断することが基本の手法になる。
主観に頼らない客観重視の経営診断が、会社の本質的問題点を明らかにする秘訣だ。
それぞれの主な経営診断手法と効果は下記の通りである。
資産状況の経営診断
資産状況の経営診断は「貸借対照表」を用いて診断する。支払能力、自己資本、資本効率、安全性等を診断することで、会社の経営基盤の状態が分かる。また、経営診断結果と適正ラインを照合することで改善点と改善目標が明らかになる。資産査定(デューデリジェンス)を併せて行うと、会社の真の資産状況(本当の資金体力)も把握することができる。
損益状況の経営診断
損益状況の経営診断は「損益計算書」を用いて診断する。成長性、収益性、競争力、利益水準、経費バランス等を診断することで、会社の収益体質が分かる。また、診断結果と適正ラインを照合することで改善点と改善目標が明らかになる。
資金繰りの経営診断
資金繰りの経営診断は「貸借対照表」と「損益計算書」を用いて診断する。1年先までの資金繰りを予測することで、資金の過不足が分かる。例えば、資金に余裕があれば投資計画の検討ができる。逆に、資金に不足があれば、事前に資金の調達計画を検討することができる。
組織内部の経営診断
組織内部の経営診断は、会社の内部状態を社員面談を通じて診断する。会社の強みや付加価値の発掘、会社の深刻な問題点、経営者の能力評価、役職者や社員の能力評価等の情報収集を緻密に行うことで、会社成長のヒントと会社衰退に繋がる経営課題が明らかになる。
例えば、会社成長のヒントが見つかれば、そこに経営資源を集中して更なる成長を実現することができる。逆に、会社衰退に繋がる経営課題が見つかった場合は、課題解決のための経営改善を事前に講ずることができる。
なお、組織内部の経営診断(社員面談)は第三者機関に依頼するのがベストだ。なぜなら、普通の社員は、経営者に対する批判的意見を面と向かって言えないからだ。
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中小企業の適正な経営診断ペースは?
中小企業の経営診断は、上記で紹介した診断分野の他にも、会社の成長と衰退に影響を及ぼす経営方針(戦略・戦術含む)の適性診断、株主構成の適正診断、会計処理の適正診断、など等、様々あるが、最低限、先に紹介した4つの経営診断は定期的に行うことをおススメする。
会社の成長を加速させたければ、「資産、損益、資金繰り」の経営診断は毎月ペースで、「組織内部」の経営診断は1年~3年に1回のペースで行うのが良い。
また、経営診断は会社の健康状態を明らかにする効果のほか、客観的な会社評価の側面もある。
例えば、経営診断を定期的に行っているにも関わらず、経営成績が一向に良くならない場合は、経営改善の進め方に問題があるか、経営者の能力に問題があるかのどちらかである。
経営診断の結果を受け止めて、経営改善方法や経営者の経営能力を省みることも、時には必要だ。
当然ながら、経営診断の客観的評価を無視して、従来の経営を見直すことなく突き進むと、経営の失敗リスクは高まる一方になる。
経営診断の外注コストは決して安くない。
会社に経営診断を定着させるには、経営者自身が自己診断能力を身につけてることが最も賢い方法だ。
企業の衰退を防衛する経営診断の事を管理会計とも云います。業績好調な企業は経営者が自己診断スキルを身につけ、独自の管理会計を上手に運用しています。会社の成長と衰退の兆候は必ず数字と現場(社員・顧客等)に表れます。経営診断は、経営マネジメントの肝であり、経営者の必須スキルです。
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