中小企業に適した営業戦略の立て方|営業効果を最大化する戦略とプロセスを徹底解説
会社の成長は営業戦略で決まるといっても過言ではない。
なぜなら、営業戦略によって営業部隊のパワーを一点に集中しないと、大きな営業効果を得ることができないからだ。
当然ながら、営業戦略の立て方を誤ると、貴重な営業力が無駄に終わってしまうことがある。
何といっても、モノを売る仕事ほど難易度の高いモノはなく、会社の収益性や永続性は会社の営業戦略で決まるといっても過言ではない。
営業戦略は、会社の規模や環境によって変わるが、この記事では、中小企業に適した営業戦略の立て方と営業効果を最大化する戦略プロセスについて、詳しく解説する。
営業戦略の立て方と営業効果を最大化する戦略プロセス
営業戦略の立て方と営業効果を最大化する戦略プロセスを解説する。
まず、中小企業を成功に導く営業戦略を立てる際は、営業効果を最大化するための戦略プロセスを理解する必要がある。
営業戦略を正しいプロセスに基づいて展開している限り、大きな失敗はしないし、営業の投下資源を大きく棄損することもない。
戦略プロセスを理解するうえで不可欠なのが次の3つのステップである。
1.経営理念を掲げて会社の将来像とゴールを定める
2.本業の安定経営を実現するための営業戦略を展開する
3.会社の成長を加速する新規事業創出の営業戦略を展開する
以上3つの戦略プロセスについて、詳しく解説する。
営業戦略プロセスその1「経営理念」
営業戦略プロセスその1は「経営理念」である。
中小企業に適した営業戦略を立てるには、最初に、会社の将来像を決めるゴールを設定する必要がある。
会社の将来像を決めるうえで欠かせないのが「会社の経営理念」である。なぜなら、経営理念は、明確な会社の将来像、つまり、確かなゴールを示すからだ。
経営理念を定めるうえで最低限必要な項目は6つある。
それは、会社の使命、存在意義、経営姿勢、将来像、お客様像、提供価値である。
それぞれの項目に対して、より具体的に明文化すると、経営理念の効果が一層高まる。
例えば、「豊かな生活文化を創出する」と「便利で機能的な調理器具を提供し、料理を楽しむ文化を創出する」では、後者の方が、会社の姿勢、提供価値、お客様像、など等、会社のゴールがはっきりイメージできる。
経営理念は、具体的になるほどゴールへの道筋が明確になり、会社の成長スピードが一段と加速する。
そして、経営理念を全員で共有すると、営業部隊の力が1点に集中するので、営業効果を最大化しやすくなる。
まずは具体的な経営理念を掲げて、社員と共有することが、営業戦略を立てるうえでの第一ステップになる。
営業戦略プロセスその2「本業の安定」
営業戦略プロセスその2は「本業の安定」である。
会社の将来像とゴールが明かになったら、その理念に基づいて本業の経営を安定させる営業戦略を立てていく。
本業の安定化に欠かせない要素は、社員の営業力である。なぜなら、社員の営業力が高いほど、本業の経営が安定するからだ。
例えば、1日に1個しか売れていない商品の営業担当者の新規提案と、1日に100個も売れている商品の営業担当者の新規提案を聞いた場合、顧客が採用するのはどちらの提案だろうか?
考えるまでもなく、顧客は、たくさん売れる商品を扱っている後者の営業担当者の提案内容に興味を示すだろう。
従って、本業の経営を安定させる営業戦略は「この〇〇なら誰にも負けない」という領域まで商品の付加価値を引き上げることを最優先にした戦略展開がカギになる。
どんなに小さな会社であっても、キラリと光る商品を保有している会社は、その商品が営業力を引き上げる原動力になり、会社の成長を後押しする。
商品の付加価値を高めるには、商品販売を成立させるための要素を理解すると分かりやすい。商品販売を成立させている要素は下表の通り「4Cと4P」である。
4C |
4P |
---|---|
顧客価値(Customer value) |
製品(product) |
顧客コスト(Cost) |
価格(price) |
顧客利便性(Convenience) |
流通(place) |
顧客コミュニケーション(Communication) |
販促(promotion) |
商品の付加価値を磨くには、4Pの強みを徹底して磨くことが欠かせない。競合他社よりも4Pが優れていれば、競争優位性である4Cと社員の営業力が高まり、本業の経営がますます安定する。
そして、本業の経営が安定してくると、オンリーワン要素が色濃くなり、自ずと市場への営業力(影響力)も高まり、事業規模の拡大スピードが一段と加速していく。
なお、4Pの強みを徹底して高めるには、営業担当者が自社の4Pの強みを理解した上で、4Pと4Cのギャップ部分を経営者や開発部署へフィードバックすることが重要だ。
本業の4Pの強みを徹底して磨くことが、営業力を高めるコツであり、本業ビジネスを拡大する営業戦略の要になるのだ。
営業戦略プロセスその3「新規事業」
営業戦略プロセスその3は「新規事業」である。
本業の安定経営が実現できた段階で、最後のステップの営業戦略である「新規事業」を展開する。
新規事業は会社成長の原動力になるが、新規事業の営業戦略を誤ると、成長が一転して、衰退まっしぐらということも珍しくない。
新規事業の営業展開に失敗しないためには、事業を成立させている要素を理解する必要がある。
事業を成立させている要素は、「市場」と「商品」のふたつである。
新規事業は、全く新しい商品を、全く新しい市場へ営業展開しても、成功確率はほぼゼロである。
テレビCMや媒体広告を大々的に展開できない中小企業であればなおさらである。営業が失敗に終われば、営業力、つまり経営資源(マンパワー)の無駄遣いになってしまう。
新規事業を創出する際の営業戦略は、「既存事業の市場へ新商品を提案する」、或いは、「既存事業の商品を新しい市場へ提案する」、この何れかの営業戦略を選択することが大切だ。
どちらか一方が専門性に長けているので、営業が成功する可能性が五分五分まで上がる。
新規事業の営業展開が成功すると、本業ビジネスに加えて新規事業の収益が加算されるので、会社の業績が一段と拡大する。
中小企業に適した営業戦略の立て方のおさらい
中小企業に適した営業戦略の立て方のおさらいをする。
中小企業を成功に導く営業戦略を立てる際は、営業効果を最大化するための戦略プロセスを理解する必要がある。
戦略プロセスを理解するうえで不可欠なのが次の3つのステップである。
1.経営理念を掲げて会社の将来像とゴールを定める
2.本業の安定経営を実現するための営業戦略を展開する
3.会社の成長を加速する新規事業創出の営業戦略を展開する
中小企業に適した営業戦略を立てる際は、以上3つの戦略ステップを意識することが大切である。
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