市場競争の勝敗は、競合ライバル企業との勝負で決まる。
当たり前だが、市場競争に生き残るには競合ライバル企業に勝つことが絶対条件になる。
競合に勝つためにすべきことは、競合企業を仮想ライバルと見立てて、自社の強みと弱みを徹底分析しながら経営改善を推進する方法が有効だが、多くの中小企業はこれが出来ていない。
経営者自身が競合ライバル企業に勝つ気概を持ち、さらに、勝負に勝つための努力を継続しなければ、競合に勝つことはもちろん、会社の成長発展も望めない。
例えば、小さな中小企業から出発したマクドナルドの創業者であるレイ・クロックは自身の著書“成功はゴミ箱の中に”の中で、次のように語っている。
「競争相手のすべてを知りたければゴミ箱の中を調べればいい。知りたいものは全部転がっている。私が深夜二時に競争相手のごみ箱を漁って前日に肉を何箱、パンをどれだけ消費したかを調べたことは一度や二度ではない。強みを鍛え、付加価値に力を入れれば我々についてくることができずに競争相手は消滅していくだろう。」
競合に勝つための汗に滲んだ経営努力の日々がリアルに伝わってくる。
しかも、レイ・クロックの経営努力の成果は、すべての競合企業に打ち勝ち、世界最大のファストフードチェーンという形で証明された。
このように、競合企業をライバルに見た立てて経営改善を推進する手法は、厳しい市場競争を生き残る有効な戦略のひとつと言える。
ライバルは競合他社だけではない。
自分自身をライバルと捉え、昨日よりも今日、今日より明日というように、高い目標に向かって経営努力を積み重ねる姿勢も競合ライバル企業に打ち勝つ有効な戦略である。
例えば、世界的企業であるアップル社の創業者スティーブ・ジョブス氏は、企業買収の交渉中に、次のように語っている。
交渉相手「ほかに交渉している会社もあるので結論を待ってほしい。」
ジョブス「その会社名は?」
交渉相手「あなたのライバル企業だ。」
ジョブス「ライバル???僕にはライバルはいないよ。」
ライバルに勝った負けたで一喜一憂しているようではライバル企業よりも少し良いものを作って満足してしまう。
世界を変えるビジョンを実現するにはライバルなど要らない。あえていうならライバルは自分自身である、というのがジョブスの経営姿勢である。
また、世界的企業であるユニクロ創業者の柳井正氏は「成功は一日で捨て去れ」と語っているが、これも、自分自身をライバルと捉えて、さらに大きな成功に向かおうとする気概を感じる。
競合に勝つための経営努力に終わりはなく、たとえ、追う立場から追われる立場になったとしても経営努力をしなくてもよい、ということにはならない。
経営努力を緩めると事業価値の陳腐化を招き、競合ライバル企業に市場トップの座を明け渡す羽目になる。
すべての競合企業に勝つためには、終わりなき経営努力を継続しなければならないのだ。
競合ライバル会社に勝つには弛まぬ経営努力の継続が欠かせません。経営努力の燃料は企業の成長を阻む経営課題です。この経営課題に向き合う姿勢が競争の勝敗を分かちます。経営課題は常に目の前にあります。ですから、経営課題を見落とすことなく、常に先手を打つ会社経営を実践することが大切です。