中小企業のブランディング戦略|ブランド力を高める方法を徹底解説

中小企業のブランディング/基本戦略

 

中小企業のブランディング戦略は、徹底した大企業との差別化にある。

 

なぜなら、経営資源が豊富な大企業と同じ土俵で勝負しても、勝てる見込みがないからだ。

 

従って、如何にして大企業とは違う戦略でブランディングを展開するかが、中小企業のブランディングを成功させる秘訣になる。

 

この記事では、中小企業のブランディング戦略について、詳しく解説する。

 

 

ブランディングとは?

 

ブランディングとは、会社名や商品等の認知度を高める活動のことだが、会社の成長と衰退はブランディングで決まるといっても過言ではない。

 

例えば、ブランディングの結果、会社名等の認知度が高まると、必然的にブランド力も高まる。ブランド力が高まると市場影響度が高まり、競合他社よりも優位な立場で市場競争を展開することが可能になる。

 

つまり、ブランド力が強ければ事業規模の拡大が加速するが、ブランド力が弱ければ事業規模の拡大が鈍化、或いは、会社衰退のリスクが高まるのだ。

 

会社名等の認知度とブランド力には相関関係があり、会社名等の認知度が高いほどブランド力も高まる。

 

従って、会社名等の認知度を如何に高めるかが、ブランディング成功の秘訣といえる。

 

 

中小企業に適したブランディング戦略とは?

 

中小企業のブランディングを成功させるには基本戦略を外さないことが大切になる。

 

中小企業がとるべきブランディングの基本戦略は、大企業と同じブランディング手法を用いないことだ。

 

大企業のブランディングは、多額の広告宣伝費を投じて、不特定多数の母集団に対して会社名等の認知度を高めるブランディング手法が一般的になる。

 

このブランディング手法を展開すると下記のサイクルが確立され、会社のブランド力が高まり、会社の成長スピードが一段と加速する。

 

大企業のブランディングサイクル

① 多額の広告宣伝費投入

② ブランディング展開

③ 商品・サービスの認知度向上

④ 商品・サービスの大量消費

⑤ 投資コストの回収 → ①へ戻る

 

大企業は上記ブランディングを展開することで会社のブランド力と市場影響度を維持している。

 

一方の中小企業は、大企業とは違うブランディング戦略を展開しなければならない。資本力に乏しい中小企業が大企業のブランディング戦略を展開すると、最初の「多額の広告宣伝費の投入」の段階で躓いてしまうからだ。

 

仮に多額の広告宣伝費を投入して不特定多数の母集団に対してブランディング戦略を展開しても、多くの中小企業は商品の供給能力(製造基盤と販売網)に限界があるので、大量消費に耐えうる体制が整っていない。

 

当然ながら、大量消費に対応しなければ、投資コストを十分に回収することはできない。

 

このことからも、中小企業は大企業とは違う戦略でブランディングを展開しなければならないことが理解できると思う。

 

 

中小企業のブランディング戦略の重要ポイント

 

繰り返すが、中小企業のブランディングを成功させるには、徹底した大企業との差別化が欠かせない。

 

ブランディングの差別化のなかでも「伝える内容」と「伝える相手」は最も重要になる。なぜなら、伝える内容と伝える相手を誤ると、中小企業のブランディングは簡単に失敗に終わるからだ。

 

例えば、「伝える内容」は、大企業とは一線を画した独自ノウハウなど等、大企業には真似ができないノウハウでなければならない。

 

特徴ある独自ノウハウがあれば、大企業や競合他社の脅威を受けることなくブランディングを成功させることができる。逆に、特徴ある独自ノウハウがなければ、常に大企業や競合他社の脅威を受けることになり、ブランディング成功の確率は著しく低下する。

 

「伝える相手」は、自社の商品を必要としている特定集団に限定しなければならない。自社の商品を必要としている特定集団とは、顕在顧客(既存顧客)と潜在顧客(見込顧客)のことだ。

 

自社の商品を必要としていない不特定多数集団へ向けたブランディング(情報発信)はお金の無駄遣いになる。

 

既存顧客と見込顧客など、特定集団へ向けた情報発信が、中小企業のブランディング戦略の正攻法になる。

 

 

中小企業のブランディング戦略の最終ステップ

 

伝える内容と伝える相手が明確になったら、あとはブランド情報を発信するのみとなる。

 

顕在顧客(既存顧客)に対しては、紙媒体(パンフレットやチラシ)或いは、インターネットを活用したメルマガ等の手法でブランド情報を発信することができる。

 

独自ノウハウの付加価値が上がれば自然と口コミ効果が高まり、新規顧客の獲得にも繋がる。

 

顕在顧客に比べて、潜在顧客(見込顧客)に対するブランド情報の発信は、工夫と努力が必要だ。紙媒体やインターネット広告を活用しても、多額の広告宣伝費がかかるばかりで、十分な効果が伴わないからだ。

 

潜在顧客(見込顧客)に対するブランディングで欠かせないツールは、自社のブランド情報の発信源になり得るインターネット上のプラットホームになる。

 

インターネットは全世界と繋がっている。しかも、情報の双方向性があり、情報取得者と情報発信者のニーズを同時に叶える環境も整っている。

 

自社のプラットホームから、潜在顧客(見込顧客)に向けたブランディング(情報発信)ができれば、効率的に新規顧客を獲得することができる。

 

プラットホームで最も効果的なのはホームページ上で独自ノウハウ(情報)を大量に公開する方法だが、フリーのSNSや投稿サイトを活用するのもひとつの手段だ。

 

インターネット上のプラットホームは運用コストが安価な割にブランディング効果が大きいメリットがある。

 

(この記事は2016年7月に執筆掲載しました)