中小企業事業再生ノウハウ10

中小企業の事業再生/倒産に備える費用と準備

中小企業の事業再生/倒産に備える費用と準備

 

会社は現金に始まり、現金に終わります。

 

会社を再生する場合も、1年間の運転資金が残っていなければ再生が殆ど不可能になります。

 

また、経営者の判断が遅れて現金が枯渇してしまっては、事業再生は勿論、破産処理することも困難になります。

 

実際、事業再生の着手が遅れてしまい、やむ得ず会社を倒産処理するケースもあります。

 

 

倒産処理に備える費用はどのくらいあればいいの?

 

中小企業が倒産処理を円滑に行うためには、最低200万円(※1)は必要です。

 

中小企業の倒産処理の場合、会社に財産がほとんど残っていないケースが多く、破産の開始決定と同時に、破産の手続きを終結させる少額管財事件(※2)に該当する場合が多いです。

 

この場合、弁護士費用と裁判所への予納金で、最低200万円程度、現金を持っていないと倒産処理を円滑に進めることが難しくなります。

 

但し、賃貸物件、リース物件等を保有している場合は、賃貸物件の原状回復費用、リース物件の契約解除費用等が個別に加算されます。

 

個別に加算される費用は、会社の状況によって区々ですので、その分を最低費用に加算する必要があります。

 

また、倒産処理が終えたのちに、余剰資金がなければ新たな人生を再出発することはできません。

 

従って、倒産処理に必要な費用のほか、当面の生活費用として最低300万円は保有しておきたいところです。

 

つまり、人生をリセットして、再出発するには、最低500万円は必要ということになります。

 

 

倒産処理を完結させないと後が厄介!?

 

経営者の中には、極限の倒産状態まで会社経営を続けて、倒産費用も捻出できずに、会社を休眠状態にしてしまう方がいます。

 

この場合、法人格が残っていますので、債権者は続々と取り立てにきます。経営者が逃げても逃げても債権者は追いかけてきます。

 

このようなケースを体験した経営者の中には、「首を括ろうと思った」という方もいました。

 

会社の倒産処理の費用は、云いかえれば、会社の葬式代です。

 

やはり、倒産する前に葬式代を用意しておき、他人への迷惑を最小限に食い止める心がけが大切です。

 

弁護士の中には、初回相談無料、倒産処理にかかる費用も分割支払いに対応しているところもあります。倒産の危機を感じたら、まずは弁護士に相談することが大切です。

 

 

破産手続きの流れとは?

 

一般的な破産手続きの流れは以下の通りです。

 

弁護士への相談

弁護士は法律に従って、会社のお金の流れを見極めながら、ベストなタイミングで破産手続き開始の日(Xデー)を見定め、手続きを開始します。無料相談もありますので、手元にお金がないからといって破産の手続きを諦める必要はありません。

 

 

負債・資産の調査・財産の確保

委任契約後、自己破産の申立てに備えて、会社の負債・資産・契約関係等を調査します。負債については、金融機関からの借入れ等だけではなく、買掛先・取引先に対する未払金・光熱費・家賃・税金の未払いも含まれます。

 

 

破産手続開始申立書の作成

破産手続申立ての準備が整った段階で、裁判所に対して自己破産の申立てをする用意を整えます。破産手続開始の申立ては、管轄の裁判所に対して破産手続開始の申立書を提出する方法によって行います。破産手続開始の申立書には、法人の決算書や預貯金通帳の写しをはじめとした疎明資料も添付する必要があります。

 

 

破産手続開始の申立て

破産手続開始の申立書が完成した段階で、管轄の地方裁判所に提出することによって自己破産の申立てをします。管轄の裁判所は、基本的に、法人の本店所在地を管轄する地方裁判所になります。申立てに際しては、裁判手数料や郵券を提出します。

 

 

破産審尋

裁判所によっては破産審尋という裁判官による代表者等の申立人への審尋が行われることがあります。

 

 

破産手続開始決定

破産手続開始の申立てが受理され、破産手続き開始の要件が満たされていると判断された場合には、破産手続開始決定がなされます。

 

 

破産管財人との打ち合わせ

破産手続開始決定と同時に、裁判所によって破産管財人が選任されます。破産管財人は、申立てをした裁判所管内の法律事務所に所属する弁護士が選任されます。この破産管財人と破産会社の代表者および代理人弁護士とで、破産手続の進行や処理について打ち合わせを行うことになります。

 

 

引継予納金の納付

破産手続開始決定後,破産管財人が破産管財人名義で管理口座を作成します。その口座に引継予納金、またはすでに換価処分済みの財産があればその金銭を納付します。引継予納金は、少額管財事件の場合、原則として20万円です。

 

 

破産管財人による調査・換価処分

破産手続開始決定後、本格的に破産管財人による資産等の調査や換価処分等が行われ、破産法人の財産の管理処分権の一切が破産管財人に属することになります。したがって、破産法人自身であっても、もはや財産を勝手に処分することはできません。

 

 

債権者集会

破産手続においては、破産管財人による調査・処分の報告等を行うために、裁判所において、債権者集会が行われます。この債権者集会には、債権者、破産者も出席することになります。配当すべき財産がない場合には、異時廃止という形で破産手続が終了します。配当がある場合には、別途、配当手続が行われます。

 

 

配当期日

破産管財人の調査・処分によって配当すべき財産がある場合には配当手続が行われます。基本的に、配当期日への破産者の出席は不要とされています。

 

 

破産手続の終了

前記のとおり、配当すべき財産が無い場合には、債権者集会において、異時廃止によって破産手続は終了となります。配当がある場合には、前記の配当期日において配当がなされることによって破産手続は終了となります。

 

 

※1 最低200万円は、少額管財事件に該当し、事業所数が2カ所以下、社員数20名以下、取引先数50社以下、負債総額1億円以下の場合です。取引先数、事業所数、負債総額の規模が大きくなると最低費用が増額します。

 

※2 少額管財事件とは、会社に財産がほとんど残っていないような場合、破産の開始決定と同時に、破産の手続きを終結させることができる事件のことです。少額管財事件になると、手続きを短期間で終結させることができるため、裁判所に納める予納金の金額が少なくなります。予納金は、東京地方裁判所の場合、個人・法人ともに、負債額に関らず一律20万円となります。

 

※ 会社にある程度の財産が残っている場合、管財事件として、裁判所によって破産管財人が選任され、財産調査や財産の換価、債権者への分配といった手続きが行われます。管財事件になると、手続きの終結までに概ね1年程度の期間が必要となるだけでなく、手続きも複雑化するため、裁判所に納める予納金の金額が大きくなります。予納金は、東京地方裁判所の場合、負債総額の規模に応じて最大700万円となります。

 




 


人気記事ランキングTOP3


社長!!その〇〇、大丈夫ですか?例えば、売上、利益、計画、見通し、お金、投資、人事、など等、経営の落とし穴は至るところに潜んでいます。経営者必見の失敗しない会社経営のノウハウをたっぷり紹介しています。

巷の書店などに出かけると様々な経営書が並んでいることに驚きます。中小企業の会社経営をする上で、すべてを鵜呑みにして受け入れることが出来るか否か?答えはノーです。その理由とは?

経営と数字は切っても切れない関係にあります。数字に強い経営者がどのようにして会社の数字を捉え、会社の数字を経営に活かしているか事例を交えて紹介しています。

人気記事ランキングをもっとみる⇒⇒

関連ページ

中小企業の事業再生事例1(年商25億円)
年商25億の中小企業の事業再生事例ケース1です。中小企業の業績は経営者の能力に連動しております。従って、経営者の経営能力が低下すると業績が悪化するリスクが高まります。再生事例から何かを学び取り、反面教師としてください。
中小企業の事業再生事例2(年商40億円)
年商40億の中小企業の事業再生事例ケース2です。中小企業の業績は経営者の能力に連動しております。従って、経営者の経営能力が低下すると業績が悪化するリスクが高まります。再生事例から何かを学び取り、反面教師としてください。
中小企業の事業再生事例3(年商26億円)
年商26億の中小企業の事業再生事例ケース3です。中小企業の業績は経営者の能力に連動しております。従って、経営者の経営能力が低下すると業績が悪化するリスクが高まります。再生事例から何かを学び取り、反面教師としてください。
中小企業の事業再生事例4(年商35億円)
年商35億の中小企業の事業再生事例ケース4です。中小企業の業績は経営者の能力に連動しております。従って、経営者の経営能力が低下すると業績が悪化するリスクが高まります。再生事例から何かを学び取り、反面教師としてください。
中小企業の事業再生事例5(年商11億円)
年商11億の中小企業の事業再生事例ケース5です。中小企業の業績は経営者の能力に連動しております。従って、経営者の経営能力が低下すると業績が悪化するリスクが高まります。再生事例から何かを学び取り、反面教師としてください。
中小企業の事業再生事例6(年商2.6億円)
年商2.6億の中小企業の事業再生事例ケース6です。中小企業の業績は経営者の能力に連動しております。従って、経営者の経営能力が低下すると業績が悪化するリスクが高まります。再生事例から何かを学び取り、反面教師としてください。
中小企業の事業再生事例7(年商1.7億円)
年商1.7億の中小企業の事業再生事例ケース7です。中小企業の業績は経営者の能力に連動しております。従って、経営者の経営能力が低下すると業績が悪化するリスクが高まります。再生事例から何かを学び取り、反面教師としてください。
中小企業の事業再生事例8(年商200億円)
年商200億の中小企業の事業再生事例ケース8です。中小企業の業績は経営者の能力に連動しております。従って、経営者の経営能力が低下すると業績が悪化するリスクが高まります。再生事例から何かを学び取り、反面教師としてください。
中小企業の事業再生事例9(年商4.5億円)
年商4.5億の中小企業の事業再生事例ケース9です。中小企業の業績は経営者の能力に連動しております。従って、経営者の経営能力が低下すると業績が悪化するリスクが高まります。再生事例から何かを学び取り、反面教師としてください。

 
トップページ 全記事一覧 無料PDF冊子 無料経営講座 お問い合せ