中小企業の業績は、経営者の能力で決まる。
従って、中小企業経営者が自身の能力開発のため、或いは、会社の方針確認のために経営の専門家にアドバイス(経営相談)を求めることはとても良いことだ。
この記事では、中小企業の業績を押し上げる経営相談活用術を、さらに詳しく解説する。
経営相談は企業成長の正攻法になる。
とはいっても、、、
経営相談しようにも何を相談したら良いのか分からない?
経営相談しようにもどんな相手を選んだらよいのか分からない?
など等、経営相談を前にして、様々な不安を抱く中小企業経営者も多いのではないかと思う。
このような漠然とした戸惑いを払しょくするためには、まずは、経営相談で業績を上げるにはどうすれば良いのかをしっかり理解することが大切だ。
なぜなら、経営相談は相談者(経営者)の状態如何で、効果が大きく変わるからだ。
例えば、相談者(経営者)の状態如何で、専門家の助言が業績を押し上げることもあれば、専門家の助言が業績を押し下げることもある。
せっかくの経営相談である。
できれば、会社の業績を押し上げるきっかけにしたいのではないかと思う。
経営相談で会社の業績を上げるために経営者が抑えるべきポイントはひとつである。
それは、「経営者が心にゆとりを持つ」ことだ。
なぜ、経営者の心にゆとりが必要かというと、経営者の心にゆとりがないと、焦りや近視眼的な思考に陥り、物事を正しく処理する能力が著しく低下するからだ。
例えば、会社の業績が悪化し、経営者の心にゆとりが無くなくなると、経営者の判断力はみるみる低下する。
このような状態下で経営相談すると、
☑誤った助言を真に受ける、或いは、助言の真意が理解できない
☑不安と恐怖心を煽った誘い文句や宣伝に引っ掛かり経営の相談相手を誤る
など等、せっかくの経営相談が散々な結果を生み出し、業績を押し上げるはずの経営相談が、かえって経営を危険な状況に追い込むことがあり得る。
経営者の心のゆとりは健全な経営状態から生まれる。
つまり、健全な経営状態(黒字経営)を維持している時に経営相談することが、中小企業が経営相談で業績を上げるベストのタイミングになる。
経営者の心にゆとりがあれば、フラット(ピュア)な心持ちで物事を正しく判断することができる。
邪心と曇りのない眼で経営相談する相手を選定することもできるし、相談相手からの助言を抵抗なく受け入れる、或いは、相談相手からの助言の本質をしっかり見極めることもできる。
さらには、
▶会社をもっと良くしたい
▶会社を次世代に残せるように成長させたい
▶自分が経営から身を引いた後も長続きする経営基盤を作りたい
などといった私欲の絡まない向上心が生まれて、会社経営がより良い方向に向かいやすくなる。
私欲の絡まない向上心は、本質的な経営アイデアを次々と生み出すので、会社経営が健全な時こそ、経営相談で業績を上げる絶好のタイミングといえるのだ。
経営者が心にゆとりを持って経営相談に臨むと、経営者の「経営哲学」の厚みが一層増す。
事実、経営相談を経て、自身の経営哲学を確信に変えて相談会場を後にする経営者の姿を、わたし自身よく目にする。
経営者の経営哲学は、その会社のDNAとして次世代へ受け継がれ、会社の永続性を支える無形資産になる。
もちろん、ブレない経営哲学は一朝一夕で作れる代物ではなく、不安や恐怖心を煽られた気持ちから受け入れたものからも生まれない。
不安や恐怖心を煽られて起こす行動は、他力本願的思考や対処療法的な解決法に偏るからだ。
対処療法とは、言い換えれば、行き当たりバッタリの行動のことだが、会社経営の健康レベルを高い位置でキープするには、予防療法的なブレないスタンスで日頃の習慣を改善することが最も優れた方法になる。
健康な状態から、さらに健康レベルを引き上げる自助努力こそ、最善の健康法であり、自力本願こそが、会社経営の本質だ。
今よりももっと良い会社にしたいという経営者の強い気持ちと実践が、ブレない経営哲学を生み出し、中小企業の業績を引き上げる土壌を整えるのだ。
つまり、このような前向きな姿勢をもって経営相談を積極活用すれば、相談効果がみるみると業績に跳ね返ってくるのだ。