経営者のモラルは会社経営の成功に不可欠な要素といえる。
なぜなら、世間に迷惑をかけない、地元に迷惑をかけない、取引先や社員に迷惑をかけない、など等、経営者のモラルある会社経営が成功を大きく左右するからだ。
例えば、法律の範囲内なら世間や地元、或いは、取引先や社員に迷惑をかけようが何をしてもオッケーというモラルなき会社経営は、早晩に行き詰まる。
このようなモラルのない会社経営を続けていると、必ずといっていいほど、世間やマスコミ、或いは、取引先や社員に足を引っぱられて会社経営がガタガタになる。
それが、1年先か10年先かは分からないが、モラルなき会社経営の行く末は、会社衰退という残念な結果しかない。
法律を守るのは当たり前のことだ。
大切なのは、法律に頼らずとも真っ当な会社経営を実現するために、経営者がモラルを持つことだ。
もちろん、会社経営は綺麗ごとだけでうまくいくほど甘くはない。
しかし、法律とモラル違反のグレーゾーンを渡らざる得ない機会(局面)は、経営者人生で1回か2回程度に収める努力が必要だ。
法律を盾にモラルを軽視するのではなく、基本は「モラルある会社経営」を実現することであり、これが会社経営の成功条件といって過言ではない。
経営者は上品でなければならぬ、というのが私の持論である。
なぜなら、モラルなき下品な会社経営の先に成長発展はなく、モラルある上品な会社経営の先にこそ、企業の成長発展があるからだ。
例えば、経営者がモラルある会社経営を続けていると、世間や地元、或いは、取引先や社員からの信頼が厚くなり、「経営者のモラルが信頼を生み出し、信頼が新しい仕事を生み出す」という成長発展のスパイラルが創り出される。
逆に、経営者がモラルなき会社経営を続けていると、周囲からの信頼が徐々になくなり、仕事が先細りになり、会社衰退という負のスパイラルに陥りやすくなる。
つまり、経営者のモラルが、企業の盛衰を決定付けるといっても過言ではないのだ。
また、経営者の上品な佇まいも、モラルなくして身につくものではない。
いつなんどき、どこの誰から見られても表裏なく自然体でいられる謙虚な佇まいは、モラルなくして身につかない。
さらに、経営者の威厳や風格も、モラルがあるかないかでずいぶんと変わってくる。
一流と二流の経営者の違いは、モラルがあるか、ないかで決まる。
自身の正当性を主張する前に、自身のモラルが低下していないか否か、経営者は常に自分の足元を客観視し、自分を正す努力を忘れないことが大切だ。