社長がすべき5つの仕事

中小企業の社長の仕事とは?

中小企業の社長の仕事

 

中小企業の会社経営において、社長の仕事ほど重要なものはない。

 

なぜなら、社長が本来すべき仕事を遂行している限り、そう簡単に、会社が衰退することはないからだ。

 

しかも、大概の中小企業は社長の能力如何で業績が決まるので、社長の仕事の質は業績を大きく左右する要素を持っている。

 

わたしは職業上、業績の良い会社の社長と業績の悪い会社の社長の両方のタイプの「社長の仕事」を数多く見てきたが、会社の業績の優劣を決めるのは、間違いなく「社長の仕事の質」である。

 

社長の仕事をしていない会社は、例外なく衰退している。

 

会社によっては、社長ひとりで会社を潰したようなケースもあった。

 

会社を一から立ち上げて安定軌道に乗せるのは実に大変なものだが、せっかく会社が安定軌道に乗ったとしても、社長がすべき仕事をしていないために会社が衰退してしまった事例も沢山あった。

 

中小企業の社長の仕事は多岐にわたるが、社長業の基本は、業種業態関係なく概ね同じである。

 

 

中小企業の社長の仕事で最も重要な領域は「経営」だ。

 

経営とは、営みを経ける(いとなみをつづける)ということである。

 

つまり、持続的成長可能な事業基盤を作る仕事こそ、経営者たる「社長の仕事」なのだ。

 

早速、持続的成長を実現する会社経営を実現するうえで欠かせない、中小企業の社長がすべき仕事を解説していこう。

 

 

 

社長の仕事「数字を理解する」

 

会社の数字の理解は、最も大切な社長の仕事である。

 

なぜなら、会社の業績が良好なのか、そうでないのかを判断するためには会社の数字を理解しなければならないからだ。

 

会社の数字には、事業活動のすべての結果が表れている。

 

大企業であれ、中小企業であれ、会社の数字は良好な事業運営を展開するうえで欠かせない重要な情報を教えてくれる。

 

例えば、業績が良好であれば会社経営がうまくいっているということが分かるし、業績が悪ければ事業運営の戦術なり戦略を修正する必要がある、ということが分かる。

 

なお、会社の数字は、現時点の業績はもちろんのこと、決算時点や1年先の見通しといった未来の業績把握も欠かせない。

 

正しく先手を打つには、先手を知らなければならないからだ。

 

また、会社の数字の最大の理解者は社長でなければならない。

 

なぜなら、社長自身が会社の数字に疎くなると、社員も数字に疎くなるからだ。

 

数字に疎い集団に、まともな会社経営などできるものではない。

 

失敗しか道がないといっても過言ではない。

 

会社の数字の理解なしに、正しい経営力は身につかない。

 

会社の数字を理解することは、社長の仕事の第一歩なのである。

 

 

社長の仕事「数字の精度を上げる」

 

会社の数字の精度を上げることも社長の欠かせない仕事である。

 

会社の数字は、会計処理を通して財務諸表(貸借対照表・損益計算書)と呼ばれる会計資料に集約される。

 

あらゆる事業活動(取引)は、どんなに小さな活動(取引)であっても、会計資料に記録される。

 

例えば、1円の売上や1円の経費といった小さな活動(取引)であっても会計処理の対象になる。

 

そして、会計資料は、一定の会計期間に区切られて作成される。

 

1年間という会計期間で作成される決算書(確定申告書)や1カ月という会計期間で作成される月次決算書(月次試算表)など、会計期間によって会計資料の内容は変わるが、会計期間内の事業活動と会計資料の整合性が高ければ高いほど、優れた会計資料といえる。

 

例えば、1か月分の売上に対して、経費が半月分しか集計されていない杜撰な会計処理を経て作られた会計資料の出来はどうなるだろうか?

 

1か月分の事業活動の実態も、儲けの実態も、全く分からない会計資料になることは容易に想像できるだろう。

 

事業活動や儲けの実態が正確に反映されていない会計資料は、経営に役立つことはなく、ゴミ同然といっても過言ではない。

 

いい加減な会計資料であれば、ない方がマシである。

 

正しい数字が認識できないばかりか、経営判断を誤る元凶にもなりかねない。

 

事業活動の実態が正しく反映された会計資料なくして、まともな会社経営などできるものではない。

 

数字の精度を上げることは、社長の重要な仕事なのである。

 

 

社長の仕事「会社の目標を設定する」

 

会社の目標設定は外せない社長の仕事である。

 

なぜなら、会社の成長は「目標に対して動く」ことから始まるからだ。

 

当然ながら、目標がなければ行き当たりバッタリの会社経営に陥ってしまい、成長しないならまだしも、会社の衰退リスクは高まるばかりとなる。

 

また、仮に目標があったとしても、そもそも目標設定が誤っていれば、いとも簡単に会社は衰退してしまう。

 

中小企業の成長を実現するためには、正しい目標設定が欠かせないのだ。

 

正しい目標設定をするにも、何を基準にすれば良いのか、或いは、何を頼りにしたらよいのか分からないといった経営者もいるかも知れないので、効果的な目標をひとつ紹介しよう。

 

それは、会社の「利益」である。

 

利益は、持続的成長可能な事業基盤を整えるうえで不可欠なものだ。

 

利益がなければ十分な成長投資ができず、働く関係者の生活水準も上げることができない。

 

売れば売るほど儲かる、働けば働くほど豊かになる、時間が経てば経つほど企業規模が大きくなるといった法則を手にするには一定の利益がなければならない。

 

目標利益の算定方法は下記計算式の通りである。

 

売上総利益高営業利益率=(営業利益高÷売上総利益高)×100

 

目標利益水準=売上総利益高営業利益率20%

 

売上総利益高営業利益率は、どんな業種業態でも共通で使える中小企業に適した目標指標である。

 

但し、営業利益率が目標水準(20%)に達していても、営業利益金額が小さすぎると、安定成長に支障が出る場合がある。

 

従って、営業利益金額を常に拡大するという目標も決して忘れてはいけない。

 

絶対的な利益目標がセットされると、組織の意識が利益最大化に向くので、会社は加速度的に成長していく。

 

会社の成長を後押しする目標は利益以外にも理念や志など、さまざまあるが、何れにしても、会社の目標設定は決して他人任せにはできない大切な社長の仕事である。

 

 

社長の仕事「目標達成の計画を作り、実行する」

 

目標が定まったら、計画と実行である。

 

計画と実行も、重要な経営者の仕事である。

 

なぜなら、確かな計画と実行なくして、中小企業の成長発展はあり得ないからだ。

 

実効性のある計画を作るうえで欠かせないのは、現状と目標とのギャップを正確に捉えることだ。

 

ギャップを正確に捉えるには、ボトルネックとなっている経営課題を徹底的に発掘する必要がある。

 

例えば、現状が目標利益(売上総利益高営業利益率20%)に達していないのであれば、利益体質を改善するために解消すべき経営課題が何なのかを徹底して洗い出す必要がある。

 

参考までに、利益体質を改善するために解消すべき経営課題の一例を紹介しよう。

低価格、価格設定のミス、赤字取引、過剰サービス、過剰値引き、付加価値の低下、売上減少、高コスト体質、生産性の低下、仕入力・調達力の低下、ムダムラの放置、など等

 

経営課題の洗い出しの次は、経営課題を解消する具体的経営改善手法と経営課題を解消した後の効果測定、マイナスリスクの検証、優先順位の検討など等を綿密に行い、具体的実行案を計画に落とし込んでいく作業に移行する。

 

計画が完成したら、後は淡々と実行に移し、効果検証と計画修正を繰り返し、利益体質を改善していく。

 

目標の利益水準を達成した後も経営改善を継続すると、売れば売るほど儲かる、働けば働くほど豊かになる、時間が経てば経つほど企業規模が大きくなるといった法則が正常に機能するようになる。

 

経営の計画作りと実行は、終わりなき社長の仕事といっても過言ではない。

 

 

社長の仕事「持続的成長可能な事業基盤を整える」

 

会社の将来を考えることは最も重要な社長の仕事である。

 

なぜなら、中小企業において、社長以下の社員は目の前の仕事に精一杯で、遠い未来の会社の姿を冷静に見つめる機会に殆ど恵まれないからだ。

 

社長は、1年先、3年先と未来を見つめて、今の事業の持続的成長の限界点、はたまた、持続的成長基盤を整えるために何をすべきかを真剣に考えなければならない。

 

また、経済環境や世間、テクノロジーの変化がもたらす事業価値の変化も先取りすることも忘れてはならない。

 

(万が一、事業価値が陳腐化すると会社はあっさり衰退してしまう)

 

社長の年齢によっては、経営を後継者にバトンタッチした後の持続的成長のことも視野に入れる必要がある。

 

(ちなみに事業承継の後に衰退する中小企業は沢山あるので、事業承継を甘く見てはいけない)

 

未来を見通し、今を考える。

 

今、行動して、未来を変える。

 

持続的成長可能な事業基盤を整えるには、社長が未来を見通した仕事をしなければならないのだ。

 

なお、本記事では経営者として最低限しなければならない社長の仕事を解説したが、この他にも中小企業の社長がすべき仕事は沢山ある。

 

例えば、経営能力の研鑽、社員教育、会社方針の決定、投資戦略の決定、後継者育成など等、社長がすべき仕事を挙げたらキリがない。

 

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