事業拡大なくして企業の存続なし。
つまり、事業拡大の取り組みは、企業の生命線になる。
この記事では、事業拡大の方法、並びに、事業拡大のための経営健全化から成長戦略に至るまで、詳しく解説する。
事業拡大ステップ1は「経営健全化」になる。
足元の経営基盤を盤石に整えなければ、事業成長のための戦略展開が十分に出来ないからだ。
経営健全化は、経常利益の黒字化、キャッシュフローのプラス化、当たり前の仕事ができる風土作りの三本柱が肝になる。
経営健全化は事業拡大の絶対条件であり、このステップをおざなりにすると必ず事業拡大に失敗する。それぞれのポイントについて、詳しく解説する。
経常利益の黒字化は、事業拡大の絶対条件になる。利益は現金の源泉になり、現金は事業拡大を加速する成長投資の原資になる。従って、黒字化なくして事業拡大はあり得ない。黒字化の方法は、無駄なコストや不採算事業の徹底排除が正攻法になる。つまり、収入に合わせた適正なコスト構造の確立が、事業拡大の最初のステップになる。
キャッシュフロー(以下CF)のプラス化は、事業拡大の絶対条件になる。CFとは現金収支のことだが、たとえ黒字経営であっても、借入過多に伴い利益以上の返済負担があると、CFがマイナスになる事がある。CFがマイナスだと成長投資が停止して事業拡大がとん挫するだけでなく、最悪、黒字倒産という事態もあり得る。CFのプラス化は黒字化と財務改善(返済計画リスケ等のファイナンス努力)を同時推進することが正攻法になる。
当たり前の仕事ができる風土作りは、事業拡大の絶対条件になる。当たり前の仕事とは、言うまでもなく顧客に尽くす仕事である。事業拡大に成功している会社ほど顧客目線や顧客意識が徹底されている。顧客に尽くす企業風土が定着すると、効率のよい事業拡大の戦略展開が可能になる。
事業拡大ステップ2は「業務効率化」になる。
業務の効率化は、事業が拡大しても業務負担が過度に増えない業務体制の確立、事業拡大を加速する業務体制の確立、既存事業の収益拡大が主たる目的になる。
例えば、無料や安価なITツール等を活用して業務効率化と組織内情報共有を推進する。低コストかつ効率的な製造体制を確立し、品質と技術力の向上に努める。顧客接点の少ない内向きの仕事の効率化と最適化を推進し、顧客接点の多い外向きの仕事力と販売力を強化する、等々の施策は、業務効率化に欠かせない。
顧客接点を増やすため、或いは、顧客満足度や顧客サービスを向上させるための改善を推進することが業務効率化の正攻法になる。
業務効率化は、経営健全化と同時進行で推進すると、事業拡大の成功率が高まる。
事業拡大、最後のステップは「成長戦略の展開」になる。
経営健全化、事業効率化、この2つの条件が確立されると、事業拡大と共に、収益が大きくなる成長スパイラルの確立が簡単になる。
事業拡大の成長戦略は、新商品・新市場への挑戦、マーケット開発・拡大、人財投資と設備投資の推進、など等の施策を実践し、事業成長を推進する方法が正攻法になる。
事業拡大を後押しする成長戦略作りは、既存ビジネスのしがらみから離れて、数年先の経営環境や他業種ビジネス等を客観視すると、ユニークな事業構想が見えやすくなる。
そして、成長戦略は、事業デザインとセンスがモノをいうので、色んな階層の社員を集めて、自由に意見を言い合える場を定着させる事と、アイデアを提案する機会を与える事が大切になる。
また、成長戦略は、ベンチャー企業や新興企業等が市場に新規参入する前に、先手先手で実践することが重要で、その打ち手のスピードを上げることが、最も少ない負担で事業を拡大する秘訣になる。
さらに、経営者自身が成長するために、自分の時間の使い方や付き合う人間を常に変化させることも、事業を拡大する上で欠かせない取り組みになる。