経営改革の戦術・戦略が分かる|中小企業の経営改革を成功させる方法

経営改革の戦術・戦略が分かる|中小企業の経営改革を成功させる方法

 

いつの時代も中小企業は厳しい経営環境におかれている。大企業と中小企業の格差社会、経済のグローバル化、情報弱者の増加等々...。

 

中小企業が厳しい時代を生き抜き100年、200年と続く会社を作るには、継続的な経営改革が欠かせない。

 

なぜなら、経営改革を怠り、万が一、事業価値が陳腐化すると、あっという間に市場競争からはじき出されるからだ。この記事では、中小企業に適した経営改革の方法・戦術・戦略について、詳しく解説する。

 

 

経営改革3つの方法・戦術・戦略

 

中小企業の経営改革には様々な方法があるが、大別すると3つの方法・戦術・戦略がある。

 

これら3つの経営改革を経営を取り巻く環境や会社の成長ステージに応じて上手に実行することが、効果的、かつ、発展性のある経営改革を定着させる秘訣になる。

 

事業活動に定着させるべき消極的経営改革、積極的経営改革、永続的経営改革について、それぞれ詳しく解説する。

 

消極的経営改革

消極的経営改革とは、守りの経営姿勢からくる経営改革のことだ。例えば、経費削減、人員削減、コストカット、事業縮小等々は消極的経営改革になる。事業活動のムダムラは利益の垂れ流しなので重要な経営改革ではあるが、消極的経営改革一辺倒では、何れ企業は衰退する。

 

積極的経営改革

積極的経営改革とは、攻めの経営姿勢からくる経営改革のことだ。例えば、売上拡大、利益拡大、事業価値強化、ノウハウ強化、新規事業展開等々は積極的経営改革になる。安定的な成長基盤を整えるために必要不可欠な経営改革ではあるが、積極的経営改革一辺倒では、利益やコスト管理が甘くなりやすく、ひとつの躓きで会社が傾くリスクが残る。

 

永続的経営改革

永続的経営改革とは、周囲の進化と共に常に実行すべき経営改革のことだ。例えば、社会インフラの発展に伴う生産性改善、技術革新や価値変容等に伴う生産性改善等は永続的経営改革の典型になる。周囲の進化と共に取り組むべき経営改革であり、この改革の実践度がそのまま企業の永続性に繋がる。最重要経営改革といっても過言ではない。

 

 

経営改革を成功させるには?

 

企業の事業拡大の法則は「売上最大化と経費最小化」を同時に推進するところにある。

 

そのためには、前章で解説した「消極的経営改革・積極的経営改革・永続的経営改革」を絶えず継続することが欠かせない。

 

そして、経営改革を軌道に乗せるためには、第一に経営改革の正攻法(ステップ)を理解することが不可欠で、まず最初にすべきことは、経営改革の対象になり得る経営課題を把握することである。

 

経営課題を把握するうえで注意すべき点は、決して勘に頼らないことだ。勘頼みで捉えた経営課題は根拠に乏しいので、経営課題の本質を外しやすく、場合によっては、全ての経営改革が的外れになって、経営改革がきっかけで会社が傾くことがある。

 

 

経営改革の肝になる課題発掘法

 

経営改革の対象になり得る経営課題を正しく発掘するには、何事も客観視する冷静さが不可欠だ。

 

物事を冷静に客観視するには、事実の細部を捉える虫の眼(ミクロ)と、俯瞰で物事を捉える鳥の眼(マクロ)の両方が必要になる。

 

例えば、虫の眼(ミクロ)で会社の数字を分析し、鳥の眼(マクロ)で会社を取り巻く内外の経営環境を俯瞰すると、会社の経営課題を正しく発掘することができる。

 

経営改革の対象になり得る経営課題の本質を見誤らないためには、数字の綿密な分析が有効で、特に、会社の数字から有益な情報に変換する管理会計の導入・運用が効果的だ。

 

会社の数字は財務諸表、顧客動向、商品収支、取引収支等々、あらゆる数字が分析対象になる。会社の数字は正直なので、多角的に分析するほど確かな根拠が蓄積されて、根拠の蓄積量が多いほど、経営課題の本質が明快になる。

 

また、会社を取り巻く内外の経営環境に関しても、会社の強みと弱みを内外から客観的視点で検証することが大切だ。

 

 

経営課題が分かれば経営改革は成功する

 

経営課題の本質を捉えることができれば、経営改革は半ば成功したといっても過言ではない。

 

なぜなら、多くの中小企業は経営課題の本質を捉えることができずに、もがき苦しんでいるからだ。

 

例えば、私の経営指導先でも良くあることだが、経営者自身が経営課題(弱み)だと思い込んでいることが、じつは会社の強み(経営資源・付加価値)になるケースは珍しくない。

 

経営課題を見誤って、会社の強みを弱めてしまっては本末転倒もいいところで、このようなミスを防ぐためにも、客観的、多角的、計数分析、組織分析、事業分析、環境分析等が重要になるのだ。

 

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経営改革の計画作りと成功のポイント

 

経営課題が明らかになったら、課題解決のための経営改革の計画策定に移行する。

 

経営改革の計画は、企業の数ほど存在するが、本業集中、利益拡大、組織力強化、成長投資加速、付加価値研鑽、等々、中小企業に適した戦略を軸に考えることが大切だ。

 

経営課題同様、的外れな経営改革は、会社の業績改善に少しも貢献しないからだ。

 

経営改革の計画が仕上がったら、後は行動(実行)するのみだが、経営改革の実行プランを仕上げて満足してしまう経営者が稀にいる。

 

何事も大切なのは行動することで、行動しなければ未来は1ミリも変わらず、経営改革の継続なくして企業の持続的成長はない。

 

計画を作ったら、即、行動する。そして、経営改革の成功を左右する検証と修正を絶対に怠らないことだ。

 

計画実行、実績検証、行動修正を基本サイクルとして、種々の経営改革を推進することが、正しい経営改革の方法であり、着実に業績を改善する正攻法になる。