組織力強化のためにすべき社長の仕事|中小企業の組織力向上策

組織力強化のためにすべき社長の仕事

 

組織力は、会社の業績を如実に表す。

 

事実、業績好調な会社ほど組織力が盤石で、業績不調な会社ほど組織力が脆弱だ。

 

この記事では、組織力強化のためにすべき社長の仕事について、詳しく解説する。

 

 

組織力が低下すると業績が悪化する

 

わたしは過去に数千名超の中小企業の社員と面談してきたが、実際に面談して分かったことは、業績好調な会社ほど組織力が盤石で、業績不調な会社ほど組織力が脆弱なことだ。つまり、会社の組織力が、その会社の業績を如実に表していた。

 

また、業績不調な会社ほど社員の労働環境や生活レベルを改善することができず、働くほどに社員の不平不満が増加し、組織力が更に低下する悪循環に陥っていた。

 

このような状態に一度陥ると、組織力と共に業績も低下する一方となり、そこから挽回するのが益々困難になる。(下図は組織力と業績の比例関係を示したもの)

 

組織力と業績の相関グラフ

 

 

組織力強化は社長の仕事

 

社員を大切にしない会社に明るい未来はないが、中小企業の組織力強化は、社長が積極的に参加しないと成功しない。

 

なぜなら、中小企業は大企業とは違い、社内の教育者が圧倒的に不足しているからだ。

 

同期はもちろん、先輩や後輩が満足にいない中で、社員が自力で成長するには限界がある。また、社員の適正を活かすための人事権や採用権を握っているのも社長自身になる。

 

社長が積極的に社員と関わり、社員のことを心底理解しない限り、理想の組織作りなど出来るものではない。

 

中小企業において、組織力の強化は社長にしかできない大切な仕事なのだ。

 

 

組織力強化その1「社員の性格理解」

 

社長が組織力を強化するためにすべき第一の仕事は「社員の性格を理解する」ことだ。

 

社員の性格は十人十色で、せっかちもいればおっとりもいる、几帳面もいればズボラもいる、得手不得手もあれば立場の違い、能力の違いもある、など等、同じように叩いても音色が違うのが社員の性格だ。

 

当然ながら、社員の性格を深く理解せずに、自己中かつ近視眼的な姿勢で社員と接していると、社員側のストレスが大きくなり、次第に社長と社員の信頼関係が崩れる

 

社長と社員の信頼関係は、各社員の性格に合ったオーダーメイドなコミュニケーション術を社長が実践することで生まれる。

 

社長と社員のコミュニケーションは至る場面にあり、例えば、社員への挨拶や声掛け、社員への指示命令、社員への叱咤激励、社員との会食など等、挙げたらキリがない。

 

すべてのコミュニケーションは組織力強化の絶好の機会になり、各社員の性格に合わせた挨拶や声掛け、指示命令、叱咤激励、会食の仕方など等のコミュニケーションに気を遣うだけで、社員のヤル気が上がり、会社全体の組織力が強化される。

 

社員の性格理解は、組織力を強化するための社長の仕事の中で最重要といっても過言ではない。また、社員の性格理解が深まると、社員の長所と短所が明らかになるので、自ずと適材適所の精度も上がる。

 

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組織力強化その2「社員の適材適所を図る」

 

社長が組織力を強化するためにすべき第二の仕事は「社員の適材適所を図る」ことだ。

 

社員の適材適所で大切なのは「社員の長所」を最大限に活かすことだ。

 

自分自身を振り返れば分かりように、ヒトの短所は簡単に治らない。殆どの短所は治らずに墓場までいく。(余談ながら、人間の短所は年齢と共に度がきつくなる。つまり、直るどころか年を重ねるごとに酷くなるのが人間の短所になる)

 

社員の短所は社長と周囲のフォロー、並びに、仕事の仕組みでカバーし、長所を最大限に活かす適材適所が出来れば、組織力は一段も二段も強化される。

 

中小企業は限られた人材で勝負しなければならないので、社長が社員の性格を深く理解し、長所を活かす適材適所ができるか否かが、組織力強化を左右する重要なポイントになる。

 

 

組織力強化その3「社員の活動フォロー」

 

社長が組織力を強化するためにすべき第三の仕事は「社員の活動をフォローする」ことだ。

 

事業活動は、計画(Plan)、行動(Do)、検証(Check)、修正(Action)のPDCAサイクルで回っている。

 

このPDCAサイクルの速度が速いほど、且つ、精度が高いほど、会社の組織力と共に業績が一段と伸びる。

 

そして、社員の行動(D)に対して、社長が計画(Plan)、検証(Check)、修正(Action)のPCA部分を積極的にサポートすると、社員の仕事の質が上がり、社員の仕事の質が上がるほど、組織力と業績も上がる

 

社員なりのPDCAサイクルは存在しているが、経営者や経営幹部が社員のPDCAサイクルをフォローすることが、組織力強化の秘訣になる。

 

中小企業の場合、経営管理だけが社長の仕事ではない。組織力の強化も、決して他人任せにはできない社長の大切な仕事になる。