前編に続いて、経営に失敗する社長の特徴10選(後編)を解説する。
経営に失敗する社長の特徴10選(前編)では、横柄な社長、情報に疎い社長、意志が弱い社長、数字に弱い社長、感謝しない社長の5つの経営に失敗する社長の特徴を解説した。
後編においても、前編同様、中小企業経営者ができれば避けて通りたい失敗例を詳しく解説する。
ひとつでも当てはまる項目があれば、会社経営に失敗する可能性が高いといえる。是非とも、ご自身の日頃の言動と照らし合わせてセルフ診断してほしい。
中小企業に限らず、モラルがない社長のもとで会社経営が成功すること稀で、殆どは失敗する。
例えば、法律を守ってさえいれば何をやってもオッケーという考え方は、少し下品な考え方であり、モラルに失した考え方だ。
このようなモラルのない考え方で会社経営を続けると、社員の離反、顧客の離反、世間からの非難などを引き起こし、いつか失敗する。
法律を守るのは当たり前で、法律のうえにある、筋や義理を守り、或いは、相手を立てる謙虚な佇まいこそが、会社経営を成功させる上品な考え方であり、モラルに富んだ考え方になる。
社長のモラルなくして、会社経営の成功はあり得ない。
会社の本業とは関係のない投資、使途不明の不動産投資など等、安易な儲け話に乗る社長は経営に失敗する確率が高い。
資本力のない中小企業は、本業とは関係のない投資や多角化ほどリスキーなものはなく、うまい話ほど失敗のリスクが高い。
商売で儲けを出すことは簡単なことではなく、それなりの苦労が必要だ。急がば回れの言葉通り、地道な努力こそが、成功の最短距離である。
地道な苦労や努力を投げ出して、安易な儲け話に乗ってしまう社長のもとでは、経営に成功するどころか、失敗するしか道がないといった状況に陥ることもあり得る。
自分が儲けようとするのではなく、相手を儲けさせようという気持ちを優先して会社を経営することが、経営に失敗しない秘訣でもある。
また、目先の利益を追いかけるのではなく、次世代の経営者の利益を追いかけた方が、安定経営の基盤が整いやすくなる。
目先の利益に踊らされる社長は、経営に失敗する典型といっても過言ではない。
仲間を信用しない社長のもとには、良い社員や良い取引先が来ることはない。
経験上、不信や疑いの気持ちからは、良いご縁は生まれない。良からぬ因縁を引き寄せるだけだ。
良い仲間に恵まれたいと思うのであれば、相手を信用することが大切である。相手を信用すれば、相手もこちらを信用する。
周囲からの信用がなければ、会社経営に失敗するであろうことは容易に想像がつくだろう。
限られた人材で勝負しなければならない中小企業の場合、社長が仲間を信用するかしないかで、その後の成長が決まってしまうといっても過言ではない。
周囲の幸せを考えず、自分の幸せばかりを考えている社長は、いつか、経営に失敗する。
成功する社長ほど、自分の幸せよりも相手の幸せを優先する。
事実、相手が幸せになってこそ、自分が幸せになれるというぶれない信念こそが経営に失敗しない秘訣でもある。
幸せを考える相手は沢山ある。
顧客だけではない。社長自身の家族、社員とその家族、取引先など等、対象は無限に広がる。
経営に失敗する社長ほど、相手の幸せよりも自分の幸せを優先するが、欲は魔物だ。自分の欲は程々にして、周囲の幸せを考える余裕を持つことが会社経営に失敗しない秘訣になる。
「ありがとう」と「ごめんなさい」のふたつの言葉だけで上々の人生が送れるのではないかと思うが、会社経営も例外ではない。
「ありがとう(感謝)」と「ごめんなさい(反省)」が言えない社長は、高確率で経営に失敗する。
なぜなら、中小企業において、社員や取引先の離反が加速する最大の原因は、経営陣との関係悪化だからである。
ありがとうは、「いいね」、「サンキュー」、「助かった」、「よくやった」、「よくできた」など等、色んな表現がある。
ごめんなさいも、「すまん」、「悪かった」、「申し訳ない」など等、色んな表現がある。
社長が周囲に対して、感謝や労い、或いは、反省やお詫びを素直に伝えることは、関係者との良好な関係を築くコミュニケーションになり、強いては、中小企業の会社経営に失敗しない秘訣にもなる。